新人ベアマン、大先輩ハミルトンと熾烈なバトルも「僕をウォールに追いやらないと分かっていた」新たなF1記録も樹立
ハースから代役出走を果たしたオリバー・ベアマンは、F1アゼルバイジャンGPでメルセデスのルイス・ハミルトンと激しいバトルを繰り広げた際に「僕をウォールに押しやることはない」と分かっていたという。
Oliver Bearman, Haas VF-24, Lewis Hamilton, Mercedes F1 W15
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
ケビン・マグヌッセンが出場停止処分を受けたことでF1アゼルバイジャンGPにハースから代役出走を果たしたオリバー・ベアマンは、決勝で10位入賞。レース終盤にはメルセデスのルイス・ハミルトンとバトルを演じたが、その際にベアマンはハミルトンが「壁に追いやることはない」と分かっていたという。
レース終盤、ベアマンは前を走るウイリアムズのフランコ・コラピントを追いかける一方で、後方からはピットレーンスタートから這い上がってきたハミルトンが接近していた。
そして残り10周というところで、ハミルトンはターン1でベアマンのインに飛び込んだ。ベアマンはポジションを守るべくアウト側で踏ん張ったものの、コーナー出口でハミルトンに先行を許した。
motorsport.comがハミルトンとのバトルについてベアマンに尋ねると、彼は次のように答えた。
「アウト側に回り込んだ時、彼がスペースを空けてくれるのが分かる。それは良い気分だよ」
「ターン1でもそうだったけど、彼が僕をウォールに押しやることはないと分かっていた。他のドライバー何人かはちょっと確信が持てないんだ」
「それは良い気分だし、いつもクリーンだ。でも彼とバトルをする時は激しいよ」
ベアマンはピットストップ後、ハミルトンより数秒前でコースに戻ったが、その差の縮まり方は「ヨーヨーみたいだった」とベアマンは語り、次のように説明した。
「フランコをオーバーテイクするために何周か攻めて走っていたから、タイヤがかなり熱くなっていた」
「まさにその時、彼は僕に襲いかかり、簡単に僕を抜いていくことができた」
「その後、何周か周回を重ねる必要があったけど彼に追いつき、またDRS圏内に入れそうだった」
「彼にオーバーテイクを許してしまったのは悔しいけど、ああいう人が後ろにいる以上、小さなミスも許されない」
Oliver Bearman, Haas VF-24, Nico Hulkenberg, Haas VF-24
Photo by: Dom Romney / Motorsport Images
この時点でハミルトンとベアマンは12番手と13番手。ただ、残り2周というところで表彰台争いを繰り広げていたフェラーリのカルロス・サインツJr.とレッドブルのセルジオ・ペレスがクラッシュし、上位の2台がレースから姿を消した。
そしてクラッシュによってイエローフラッグが振られた区間を抜けた後、ハミルトンとベアマンはハースのニコ・ヒュルケンベルグが破片でパンクを喫した可能性を心配してスローダウンしている隙に抜き、最終的に9〜10位でチェッカーを受けた。
「再びグリーンフラッグが振られ、僕はルイスと彼を抜くことができた」とベアマンは説明した。
「オーバーテイクだった。彼には申し訳ない。彼はフランコにもポジションを奪われる問題を抱えていた。でもポイントを獲得できて良かった」
ベアマンは、サインツJr.の代役としてフェラーリから今年のサウジアラビアGPに出場し7位入賞。アゼルバイジャンGPではハースから出場して10位入賞と、F1デビュー2戦で異なるチームから出場しポイントを掴んだ史上初のドライバーとなった。この快挙にベアマンは「間違いなくクールなこと」だと感じている。
「タフなレースだった。前方でクラッシュが起こるまでは、僕は入賞圏内を走っていたわけではなかった」とベアマンは言う。
「マシンは本当に速かったし、正直なところ僕もかなり速く走れていた。ただ第1スティントであまり速く走れず、多くのタイムをロスしてしまった。タイヤをセーブし過ぎていたけど、それはあまり必要なかった」
「FP2の経験を決勝に持ち込み過ぎたけど、レースではFP2のロングランを忘れて、またやり直せるくらいコースが違った。これは経験値によるモノだと思う」
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