ハミルトンは”セナプロ”の中間、フェルスタッペンはセナ寄り? レジェンドふたりと戦ったベルガー語る

ゲルハルト・ベルガーは、ルイス・ハミルトンのアプローチについて、自身と共にF1を戦ったレジェンド、アイルトン・セナとアラン・プロストの中間で、「とても穏やか」だと語った。

Lewis Hamilton, Mercedes-AMG

Lewis Hamilton, Mercedes-AMG

Steve Etherington / Motorsport Images

 元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーはメルセデスのルイス・ハミルトンについて、経験を重ねたことによりコース上で”とても穏やか”であり、そのアプローチはかつて自身と共にF1を戦った伝説的なドライバー、アイルトン・セナとアラン・プロストの中間に位置していると考えている。

 ハミルトンは昨シーズン、最終戦アブダビGPの最終ラップでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に抜かれ、史上最多8度目のタイトル獲得を寸前の所で逃すことになった。

 現在37歳のハミルトンは、2023年末までメルセデスでレースをする契約を結んでおり、ポールポジション獲得数(103回)や勝利数(103勝)などで史上最多記録を打ち立てている。

 今シーズンに向けてハミルトンは、「より攻撃的なドライバーになるつもり」だとコメントしている。しかしベルガーは、ハミルトンのコース上での”穏やかさ”を称賛。一方でより攻撃的になることが、正しい考えなのか分からないという。

「彼がマックスのようにアグレッシブになるかどうか、それが正しい方向に働くかどうかは分からない」とベルガーは語った。

「私としては、時にクラッシュしないように譲りながらも、別の方法でやり返すという彼のやり方がとてもクレバーに感じた。ルイスは経験豊富で、とても落ち着いている。彼はずっとチャンスを活かしてきた。シルバーストンを除けば、彼は完璧だった」

 ベルガーはマクラーレン時代、3度のワールドチャンピオンに輝いたセナと良好な関係を築き、F1キャリアの大半でセナの偉大なライバル、プロストとも戦った。

Alain Prost, Ayrton Senna, McLaren

Alain Prost, Ayrton Senna, McLaren

Photo by: Sutton Images

 一発の速さ、コーナーへの鋭い突っ込みなど、アグレッシブなセナと、タイヤに優しく丁寧なドライビングを信条としていたプロストは対照的なスタイルを持っていたとされるが、ハミルトンはどちらに似ていると思うかと訊かれたベルガーは、”その中間のどこか”であり、フェルスタッペンの持つアグレッシブさはセナのアプローチを思い起こさせると答えた。

「結局のところ、この45年で私が見てきた中で、ルイスとセナが最高のふたりだよ」

「それでも、私はセナをナンバーワンに推す。セナの魅力、セナの個性は別次元だったからだ。でも競技という面では、ルイスもセナと同じくらい上手いと思う」

 一方でベルガーはフェルスタッペンについて、昨年ハミルトンとタイトルを争った際には「ハミルトンのクルマが良かったため、攻撃的にならざるを得なかった」と感じているという。しかし2022年には、フェルスタッペンのアプローチが変わるかもしれないと考えている。

「今年、もしクルマがベストなら、彼は自分自身に適応するかもしれないし、違うやり方をするつもりかもしれない。というのも、彼にはそれほど攻撃性が必要ないかもしれないからだ」

「あれほどアグレッシブに攻めたのにそれがうまくいかず、接触したりレースからリタイアすることになってしまえば、かなりの痛手だからね」

「時には昨年のルイスのように、このレースで何ポイントか失ったとしても、別の方法で取り返すから大丈夫、と思った方がいいこともある。自分のパッケージがどれだけ優れているかが重要なんだ」

 昨年はシーズンを通して激戦を繰り広げたフェルスタッペンとハミルトン。今季は2戦を終えて、フェルスタッペンがシャルル・ルクレール(フェラーリ)と激しくトップ争いする展開となっている。今のところ、フェルスタッペンがリラックスして戦えるほど、マシンにアドバンテージがあるようには思えない。

 一方でメルセデスは、レッドブルとフェラーリほどの競争力を発揮できておらず、ハミルトンがコース上でフェルスタッペンと戦うシーンはまだない。

 とはいえ、昨シーズンの主役だったふたりが今季、どんな戦いを見せるのか注目だ。

 
Read Also:

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 サウジアラビア政府、2023年のF1開催に向けて改善に意欲的「最高のレースを提供するためここにいたい」
次の記事 レッドブルに必要なのは”ダイエット”!「軽量化をしなければ、上位をキープするのは難しい」

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

最新ニュース

ピエール・ガスリー、フランス3部FCヴェルサイユの共同オーナーに就任「僕は常にプロサッカーに関わりたいと思っていたんだ!」

ピエール・ガスリー、フランス3部FCヴェルサイユの共同オーナーに就任「僕は常にプロサッカーに関わりたいと思っていたんだ!」

F1 F1
ピエール・ガスリー、フランス3部FCヴェルサイユの共同オーナーに就任「僕は常にプロサッカーに関わりたいと思っていたんだ!」 ピエール・ガスリー、フランス3部FCヴェルサイユの共同オーナーに就任「僕は常にプロサッカーに関わりたいと思っていたんだ!」
「KTMはドゥカティにかなり接近している」バスティアニーニ、開幕戦終えライバルの進歩実感

「KTMはドゥカティにかなり接近している」バスティアニーニ、開幕戦終えライバルの進歩実感

MGP MotoGP
ポルトガルGP
「KTMはドゥカティにかなり接近している」バスティアニーニ、開幕戦終えライバルの進歩実感 「KTMはドゥカティにかなり接近している」バスティアニーニ、開幕戦終えライバルの進歩実感
アルピーヌF1、最遅の”衝撃”が体制刷新の引き金に「変革の必要性を確認できた」

アルピーヌF1、最遅の”衝撃”が体制刷新の引き金に「変革の必要性を確認できた」

F1 F1
アルピーヌF1、最遅の”衝撃”が体制刷新の引き金に「変革の必要性を確認できた」 アルピーヌF1、最遅の”衝撃”が体制刷新の引き金に「変革の必要性を確認できた」
マルケス兄弟、新たにアウディとスポンサー契約を締結。同グループのドゥカティ販売増にもつながる?

マルケス兄弟、新たにアウディとスポンサー契約を締結。同グループのドゥカティ販売増にもつながる?

MGP MotoGP
マルケス兄弟、新たにアウディとスポンサー契約を締結。同グループのドゥカティ販売増にもつながる? マルケス兄弟、新たにアウディとスポンサー契約を締結。同グループのドゥカティ販売増にもつながる?

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

Motorsport prime

Discover premium content
登録

エディション

日本