【F1通算1000レース特別企画】ニッポンのファンが選ぶ、思い出のF1レースベスト10

先日行われた中国GPで、記念すべき1000レースという節目を迎えたF1世界選手権。その1000レースの中で、ニッポンのファンの思い出にのこったレースとは?

Start: Ralf Schumacher takes the lead

 F1世界選手権は、2019年の第3戦中国GPで記念すべき通算1000レース目を迎えた。その1000レースには、様々な名勝負、名シーンが含まれている。では、日本のF1ファンの心に印象深く刻まれたレースはどれだったのか? スポーツチャンネルDAZNの中国GPのフリー走行3回目の配信中、Twitterで”思い出に残るレース”を募集すると、多くの反響があった。今回はその投票結果をランキング形式で発表する。

10位:1989年オーストラリアGP(5票)
10位:1989年オーストラリアGP(5票)
1/11
10位にランクインしたのは、“雨のナカジマ”の真骨頂とも言えるこのレース。マクラーレン・ホンダのアイルトン・セナとアラン・プロストによるチャンピオン争いは、前戦日本GPでの同士討ちで暫定ながらも決着済み。タイトルを手中に収めたプロストは、豪雨の中強行された最終戦を1周で棄権し、マシンを降りた。その後もスピンアウト、クラッシュが続出する中、23番手スタートの中嶋悟(ロータス)が巧みなマシンコントロールで浮上し、表彰台まであと一歩の4位でフィニッシュした。この時中嶋は日本人初のファステストラップも記録した。

写真:: LAT Images

10位:1990年日本GP(5票)
10位:1990年日本GP(5票)
2/11
フェラーリに移籍し、跳ね馬にカーナンバー1を掲げたアラン・プロストと、2度目のタイトルを狙うアイルトン・セナ(マクラーレン)とのタイトル争いはセナ有利で残すところ2戦となっていた。両者ノーポイントでセナの戴冠が決まる状況で、ふたりはスタート直後の1コーナーで接触。2台はグラベルに消え、皮肉にも2年連続で接触でのタイトル決定となった。その後、ゲルハルト・ベルガー(マクラーレン)、ナイジェル・マンセル(フェラーリ)ら優勝候補が脱落する中、レースはネルソン・ピケ、ロベルト・モレノのベネトン師弟コンビがワンツーフィニッシュ。鈴木亜久里(ローラ)が日本人初となる3位表彰台を獲得した。
7位:2005年アメリカGP(6票)
7位:2005年アメリカGP(6票)
3/11
ファンから寄せられた「思い出のレース」は、決して良い思い出に限ったものではない。当時タイヤサプライヤーのひとつだったミシュランは、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのバンク部分を安全に走行できないとして、シケイン設置を訴えるなどFIAと協議したがそれも叶わず、結果的にミシュランユーザー14台全てが決勝レースをボイコット。ブリヂストンユーザーの6台のみでレースが始まるという前代未聞の光景となった。なお、前日に行われた予選は全車参加しており、トヨタのヤルノ・トゥルーリがポールポジションを獲得していた。

写真:: XPB Images

7位:1993年ヨーロッパGP(6票)
7位:1993年ヨーロッパGP(6票)
4/11
アイルトン・セナを語る上で外せないレースのひとつが、ドニントン・パークで開催されたヨーロッパGPだろう。ドライで行われた予選でマクラーレンのセナは、ポールポジションのアラン・プロスト(ウイリアムズ)から1.6秒以上離され4番手。ウエット路面で行われた決勝ではスタート直後に5番手に落ちるも、先行する4台を1周の内に全てかわしてトップに。その後も目まぐるしく変わる天候をものともせず快勝した。なおこのレースは、日本のオートポリスでのF1開催が中止になったことによる代替として開催されたものである。

写真:: LAT Images

7位:2012年日本GP(6票)
7位:2012年日本GP(6票)
5/11
自身3度目の母国GPとなった小林可夢偉(ザウバー)は、3番グリッドからスタートで2番手に浮上。ピットストップを遅らせたフェリペ・マッサ(フェラーリ)に先行され3番手に落ちるも、終盤のジェンソン・バトン(マクラーレン)の猛攻を振り切り、自身初、そして日本人3人目の3位表彰台を獲得した。タイトル争いでは、ランキングトップのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がスタート直後の1コーナーでコースアウトしリタイア。優勝したセバスチャン・ベッテル(レッドブル)がその差を大きく縮める結果となった。

写真:: Andrew Hone / Motorsport Images

6位:1998年ベルギーGP(7票)
6位:1998年ベルギーGP(7票)
6/11
雨の中行われた1998年のベルギーGPは終始大混乱となった。オープニングラップのオー・ルージュ手前ではデビッド・クルサード(マクラーレン)のスピンに端を発する多重クラッシュが発生し、なんと12台が玉突き状態で巻き込まれてしまう。再開後のレースではトップ走行中のミハエル・シューマッハー(フェラーリ)が水飛沫の中で、周回遅れとなっていたクルサードに追突しリタイア。マシンを降りたシューマッハーがマクラーレンのピットに駆け込み猛抗議する様子が国際映像でも映し出された。レースは最終的にジョーダンのデイモン・ヒルが制し、ラルフ・シューマッハーとのワンツーでチームに初優勝をもたらした。

写真:: Sutton Images

4位:2007年カナダGP(8票)
4位:2007年カナダGP(8票)
7/11
この年躍進を見せたスーパーアグリを象徴するレースが、カナダGPだった。予選11番手からスタートした佐藤琢磨は、セーフティカーが何度も出動する荒れたレース展開の中、終盤にタイヤ交換を行いスパート。前年のチャンピオンでペースが落ちていたフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)を残り2周でオーバーテイクし、小さなプライベートチームが6位入賞という快挙を成し遂げた。なおこのレースでは、当時ルーキーのルイス・ハミルトン(マクラーレン)がF1初優勝を果たした。

写真:: XPB Images

4位:1992年モナコGP(8票)
4位:1992年モナコGP(8票)
8/11
F1の歴史の中でも屈指の名勝負と呼ばれているのがこのレースだ。開幕5連勝中のナイジェル・マンセル(ウイリアムズ)はここでもトップを快走していたが、レース終盤、タイヤに異常を感じ緊急ピットイン。アイルトン・セナ(マクラーレン)がトップに浮上する。フレッシュタイヤを履いたマンセルは驚異的なペースで瞬く間にセナの後ろにつけ、プレッシャーをかけ続けるが、セナはモナコの狭いコース幅を活かして巧みにブロックし、首位を守りきった。

写真:: LAT Images

3位:2008年ブラジルGP (9票)
3位:2008年ブラジルGP (9票)
9/11
2008年は、最も劇的な形でチャンピオンが決まった年と言えるかもしれない。ランキング首位のルイス・ハミルトン(マクラーレン)を7点差で追いかけるフェリペ・マッサ(フェラーリ)は、母国での最終戦で完璧な走りを見せ、トップでチェッカーを受けた。対するハミルトンは、マッサがチェッカーを受けた時点で6番手に沈んでおり、このままいけばマッサにタイトルが転がり込む計算だった。しかしハミルトンは、ドライタイヤで走りつづけるというギャンブルに出ていたティモ・グロック(トヨタ)を最終ラップの最終コーナーでかわし、5位でフィニッシュ。タイトル争いは1ポイントの差でハミルトンのものとなり、当時の最年少記録を樹立した。

写真:: XPB Images

2位:2000年ベルギーGP(10票)
2位:2000年ベルギーGP(10票)
10/11
2000年ベルギーGPと言えば誰もが、“20世紀最高のオーバーテイク”と呼ばれたあのシーンを思い出すだろう。ポールポジションからスタートしたミカ・ハッキネン(マクラーレン)は、乾ききっていない路面でスピンしミハエル・シューマッハー(フェラーリ)の先行を許すも、猛然とプッシュしてシューマッハーの背後に迫る。残り4周のケメルストレートで両者は、周回遅れのリカルド・ゾンタ(BAR)を挟んで横並びとなり、イン側につけたハッキネンがシューマッハーをオーバーテイク。劇的優勝を収めた。

写真:: XPB Images

1位:2005年日本GP(12票)
1位:2005年日本GP(12票)
11/11
今回の投票で最もファンの支持を集めたのは、2005年の日本GPだった。当時の予選はワンアタック方式で、ちょうど雨が強まったタイミングで出走順が回ってきたキミ・ライコネン(マクラーレン)は17番グリッドに沈んだ。しかし、決勝では怒涛の追い上げを見せると、最終ラップの1コーナーでジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)をアウトからオーバーテイクしトップに浮上。歴史的な大逆転勝利を遂げた。

写真:: McLaren

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