先輩たちに紛れ込むF1参戦初年度は“非常に困難な挑戦”とアウディ。しかし2030年には頂点目指す「そのためのあらゆる手段がある」
アウディは、自社製パワーユニットで臨むF1参戦初年度は「非常に困難な挑戦」になると認識している。
アウディは、レギュレーションが大きく変わる今シーズンから、ファクトリーチームとしてF1に参戦する。プロジェクトを率いるマッティア・ビノットは、自分たちのパワーユニット(PU)が既存のライバルよりも劣る可能性があると見ている。
ドイツの大手自動車メーカーであるアウディは、老舗F1チームのザウバーを買収。参戦初年度となる2026年シーズンから、シャシーもPUも自社で開発する形で戦う。そしてそれは、F1史上最大級ともいわれるレギュレーション変更と時を同じくしている。
2026年からは、小型で軽量のシャシーが導入され、PUはエンジン出力と電動出力がほぼ50%ずつと均等になるなど、電気の要素が強くなる。これほど大きな変更があるため、2026年の勢力図を占うのは難しい。ザウバーの昨季コンストラクターズランキング9位という成績も、もはや参考にはならない。
とはいえ、やはり既存のメーカーが序盤から強さを発揮すると見られている。特に、現在のような“パワーユニット”が導入された2014年にF1を席巻したメルセデスは有力だと考えられている。またフェラーリとホンダも、2026年に初めてPUを供給するアウディやレッドブル・パワートレインズより、はるかに多くの経験を持っている。
ビノットは、こうした経験の差が2026年に決定的な役割を果たすと考えており、火曜日にベルリンで行われたアウディのシーズンローンチイベントで次のように語った。
「彼ら(既存メーカー)は非常に多くの経験を持ち、組織としても安定している」
「過去に優れていたチームやメーカーは、将来においても優れた存在であり続ける。それは疑いようがない。我々にとっては非常に困難な挑戦になるだろう」
「だから、最初から我々のパワートレインが最高になるとは考えていない。それは不可能であり、非現実的だ。ただ、自分たちは旅の途中にあり、自分たちのことに集中し続ける必要がある」
ビノットが、アウディの足を引っ張る要素のひとつとして懸念しているのが、エンジンの圧縮比に関する論争だ。
今季は圧縮比が18:1から16:1に引き下げられているが、現在メルセデスとレッドブル・パワートレインズが規則の抜け穴を見つけ、走行時に規定よりも高い圧縮比を実現しているのではないかと見られている。具体的には、作動温度に達すると熱膨張によって圧縮比が上昇する特性を持つコンロッド素材を使用しているのではないか、との疑いがある。ただエンジン作動中に測定することは実務上困難なため、圧縮比の測定は静的状態でのみ行なわれると規定されている。
これについてビノットは次のように述べた。
「これもF1における戦いのひとつであり、我々の仕事の一部だ。互いに競い合わない方が不自然だろうし、それが本当かどうかも分からない」
「現時点では、メルセデスが高温状態で圧縮比が高くなるようなエンジンを設計した、という噂があるに過ぎない。ただそれを証明するのは私の役目ではない。もしそれが事実であれば、パフォーマンスやラップタイムの面で大きな差になるのは確かだし、実際にサーキットで競争する際には影響があるだろう」
それでもビノットは、アウディが将来的にF1のトップランナーになれるという自信を失っておらず、その目標をチーム参戦5年目に設定している。
「我々はいつか成功し、パワートレインのベンチマークになるためのあらゆる手段があると思っている」
「私たちの任務は何か? それは2030年までに成功することだ。長い道のりに思えるかもしれないが、そうではない。我々は謙虚さを保ちつつ、ひたすら己に集中している」
「シーズン中に問題に直面する可能性はあるし、信頼性の問題やトラブルに遭遇するかもしれない。だが私にとって最も重要なのは、繰り返しになるが、チームが適切に対応することだ」
「あらゆる手を尽くし、問題から学び、進歩する能力を示すこと。そしてレースごとに確実に前進できるなら、我々が持つ全ての手段とアウディというブランドを活かせば、いずれ他チームと同等、いやそれ以上の強さを手に入れられると確信している」
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