ボッタス、ラッセルの発言に反論「誰にだって同じようにディフェンスする」

メルセデスのバルテリ・ボッタスは、F1エミリア・ロマーニャGPのクラッシュについてウイリアムズのジョージ・ラッセルが「彼は僕以外のドライバーならああいう動きをしなかった」と語ったことに反論。「誰に対してもディフェンスする」と語った。

Valtteri Bottas, Mercedes

Valtteri Bottas, Mercedes

Steve Etherington / Motorsport Images

 F1エミリア・ロマーニャGPの31周目、ターン2”タンブレロ”手前で、メルセデスのバルテリ・ボッタスと、ウイリアムズのジョージ・ラッセルが絡む大クラッシュが発生した。

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 この事故については互いに相手を非難。ラッセルは、ボッタスが自身のシートを確保するために、いつもよりも厳しくディフェンスしたと示唆する発言をしている。これについてボッタスも応戦し、「誰に対してもディフェンスする」と語った。

 この事故は、前をいくボッタスを、ラッセルが抜きにかかった時に起きた。ボッタスはゆるく左に曲がるターン1でイン側(左)のラインを通り、ラッセルはその間に、スリップストリームとDRSを活かし、右側からオーバーテイクを仕掛けた。しかしその後、ボッタスは右側に進路を変えてコースの中央に寄った。ラッセルは行き場をなくしたようにコース右側に寄せられ、そしてウエットパッチに乗ってコントロールを失い、ボッタスのマシンと絡み合うようにしてクラッシュ。2台のマシンはウォールに叩きつけられ、パーツを撒き散らしながらコースを滑っていき、ターン2外側のグラベルに停止した。

 マシンから降りたラッセルはすぐにボッタスに駆け寄り抗議。ボッタスのヘルメットを叩いてみせた。一方のボッタスも中指を立てて応戦した。

 スチュワードはこの事故について審議を行なったが、”レーシングインシデント”だったとして、いずれのドライバーにもペナルティは科さなかった。

 ただラッセルは、ボッタスは紳士協定を破ったと主張。さらにボッタスにとっては9位は意味などないはずで、執拗なまでのディフェンスをしたことについて「おそらくそれが別のドライバーだったら、そういうことはしなかっただろう。それが僕の頭に浮かんだことだ」と語った。

 ラッセルはメルセデスのドライバー育成プログラムの一員であり、近い将来メルセデスのドライバーに起用されるだろうと言われている。一方のボッタスは、メルセデスとの契約は今年も1年限り。常に後がない状態での戦いを強いられてきた。つまりラッセルは、自身のメルセデスのシートを守るために、ボッタスが今回のような動きをしたのではないかと示唆したのだ。

 このラッセルのコメントについて尋ねられたボッタスは、次のように応じた。

「申し訳ないが、それは驚きだ。かなり突拍子もない理論だと思う」

 そうボッタスは語った。

「僕は常に、どんなドライバーに対してもディフェンスするつもりだ。ポジションを失いたくはない。あれは、普通のディフェンスだった。必要に応じて、もっとアグレッシブになる可能性だってある」

「その意見には全く同意しない。僕は自分のすべきことをしていた。誰に対してディフェンスしていたとしても、全く同じだっただろう」

「何周も走っていたから、彼もそこが濡れているだろうということは、間違いなく知っていたはずだ。僕も分かっていた。そして、ああいうコンディションの中でスリックタイヤを履いている時に、そこにいくのは普通じゃない」

「しかし、彼はそれでもそこでオーバーテイクを仕掛けた。そうしたのは彼の選択だった。僕はディフェンスしようとして、自分の仕事をしていた。僕は進路を譲って、彼にドライのラインを明け渡すつもりはない。そういうことだった」

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、どちらのドライバーに非があるか、それを判断するのを拒否した。しかしラッセルに対しては、「学ぶべきことがたくさんある」ため、オーバーテイクを仕掛けるべきではなかったと語った。

 ボッタスはこの件について、ウルフ代表及びラッセルと話をしたという。

「全体的な感触としては、そのクラッシュは確かに僕のせいじゃなかったということだ」

 そうボッタスは語った。

「トトと個人的に話したことについては、何も話したくはない。しかし間違いなく、僕は責められている感じは受けなかった」

「しかしその一方で、僕らが集中すべきは、なぜ僕がそんなポジションにいたのかということだ。インターミディエイトタイヤを履いた時、僕は明らかに苦戦していた。そして、ランス(ストロール/アストンマーチン)の後ろに詰まってしまっていたんだ」

「ピットストップをした後、先にタイヤを交換し、タイヤの熱入れが出来上がっていたドライバーたちからプレッシャーをかけられた。タイヤのウォームアップは、僕にとっては大きな問題だったんだ」

 

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