モナコで外れなかったボッタスの右フロントタイヤ……ファクトリーに戻らないと外せない??
F1モナコGPの決勝レースで、ピットストップ時に右フロントタイヤを外すことができずリタイアに終わったメルセデスのバルテリ・ボッタス。彼の右フロントタイヤは、ファクトリーに戻らないと外せない状態にあるようだ。
写真:: Glenn Dunbar / Motorsport Images
メルセデスのバルテリ・ボッタスは、F1モナコGPのレース序盤、2番手を走行していた。しかし30周目にピットストップを行なった際、右フロントタイヤを外すことができず、そのままリタイアしなければならなかった。
メルセデスのテクニカルディレクターであるジェームス・アリソン曰く、ホイールを車軸に固定するナットがホイールガンによって削られ、外せなくなってしまったことで、タイヤ交換を行なうことができなかったという。
「ホイールガンをナットに正しく噛ませないと、ナットの駆動面が欠けてしまうことがある」
そうアリソンは語る。
「我々はその状況を、ナットの”機械加工”と呼んでいる。プラスドライバーで、ネジの駆動面(+字型の穴)をなめてしまう時と少し似ている。ドライバーの十字を真っ直ぐに入れないと、そういうことが起きてしまうんだ」
「ネジの駆動面の角を丸めてしまうと、もはやネジを回すことができない。つまり、ネジを取り外すことができなくなってしまうんだ」
「ホイールガンが回転することで、ホイールナットの駆動面が欠けてしまうと、ピットストップでもよく似たことが起こる」
「ホイールガンの力を考えると、駆動面を削ってしまう可能性があり、ひっかかるモノが何も無いところまで、ナットを削ってしまうんだ。それが、我々が今日抱えてしまった問題だ」
アリソンは、モナコの現場ではこのナットを外すことができず、ファクトリーに戻り、高出力のドリルを使わなければ、これを外せないことを明らかにした。
「最終的に、ホイールを外すことができなかった。今もあのホイールを履いたまま、ガレージに置かれている」
そうアリソンは語る。
「おそらく、削り取らなければいけないだろう。高出力のドリルを用い、残ったホイールナットを切り取ることになる。ファクトリーでその作業を行なうよ」
ボッタスがこのトラブルでリタイア、チームメイトのルイス・ハミルトンも7位に終わった結果、メルセデスはレッドブルに、コンストラクターズランキング首位の座を明け渡すことになった。
メルセデスのトト・ウルフ代表は、今回の問題には「多くの要因」があり、ひとつのミスに責任を押し付けるつもりはないと語った。
「我々はナットの設計や素材について、確認しなければならない。ホイールナットを扱うメカニックが、ナットを削ってしまうことのないような形でその作業を行なうことができる必要がある」
そうウルフ代表は語る。
「そして実際のところ、今回そのホイールを担当したメカニックは、チームの中でも最高のメカニックのひとりなんだ。ピットストップのスピードという面でも、最も適した人材のひとりなんだ」
「だから、常に様々なことが一緒になっている。それは決して誰かひとりのせいではなく、常に多面的な要因を抱えているんだ」
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