超熾烈な2021年タイトル争い、鍵を握るのはボッタス?……元F1ドライバー、ブランドルの指摘

元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、今季のような僅差のタイトル争いではセカンドドライバーが重要だと指摘。その中でも、残り2戦ではメルセデスのバルテリ・ボッタスが大きな鍵を握っている可能性が高いと語る。

Valtteri Bottas, Mercedes, 1st position, is congratulated by Sergio Perez, Red Bull Racing, 3rd position, in Parc Ferme

Valtteri Bottas, Mercedes, 1st position, is congratulated by Sergio Perez, Red Bull Racing, 3rd position, in Parc Ferme

Steve Etherington / Motorsport Images

 ベネトンやリジェなど数々のチームで活躍した元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、メルセデスとレッドブル・ホンダが激しくぶつかりあうF1タイトル争いにおいて、ぞれぞれのチームのセカンドドライバーが重要な役割を果たすと指摘。しかしながら、メルセデスのバルテリ・ボッタスの方が、レッドブルのセルジオ・ペレスよりも、この戦いにおける影響の度合いは大きいだろうと語った。

 今シーズンのF1も残り2戦。現時点ではドライバーズランキングでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がルイス・ハミルトン(メルセデス)を8ポイントリードしている状態。コンストラクターズランキングではメルセデスがレッドブルに対し、5ポイントの差で首位に立っている。まだまだ結末は誰にもわからない、そんな状況だ。

 このような大接戦のタイトル争いにおいては、それぞれのチームの”セカンドドライバー”が重要な役割を果たす。ボッタスとペレスはいずれも今季1勝を挙げているものの、ランキング上ではボッタスが3番手につけ、ペレスは13ポイント差の4番手である。

 そんな状況についてブランドルは、ボッタスならばフェルスタッペンを倒すことも不可能ではないと考えており、タイトル争いにおいてはペレスよりも強い影響力を及ぼす可能性が高いと語る。

「正直に言って、セルジオがルイスの前でフィニッシュするよりも、バルテリがマックスの前でフィニッシュする可能性の方が高いと思う」

 ブランドルは、motorsport.comを含めた複数のメディアに対してそう語った。

「だから、そのことがタイトル争いに影響を与えるかもしれないと思う。最終2連戦のどちらかで、バルテリがマックスのポイントをいくらか奪い取る可能性があるんだ」

「セルジオがルイスからポイントを奪うというのは、なかなか見えづらいところだ」

 さらにブランドルは、次のように続けた。

「コンストラクターズポイントとしては、まだ最大で88ポイント獲得することができる。だから、どちらに転ぶ可能性だってある。メルセデスが、とんでもない速さかもしれない。たとえばバルテリが、トルコGPやブラジルGPのスプリントレースでのような速さを見せるかもしれないからね」

 なおブランドルは、今季はフェルスタッペンとハミルトンのどちらもタイトルに値する走りをしてきたと考えているものの、特にフェルスタッペンは、シーズンを通じて不運に見舞われることが多かったと感じていると語った。

 フェルスタッペンはアゼルバイジャンGPでは首位を走りながらパンクによりリタイア、またイギリスGPではハミルトンに接触される形でリタイアとなり、無得点に終わっている。さらにハンガリーGPでは、スタート直後にボッタスに追突され、手負いのマシンでレースをすることを強いられた。これら彼の手の及ばないことにより、多くのポイントを取り逃がしているのは事実である。

「どちらのドライバーも、タイトルに値すると思う」

 そうブランドルは語った。

「リードラップやこれまでの勝利数などを見ると、マックスはバクーでのタイヤの一件やシルバーストンの一件、そしてハンガリーでは追突されたりと、少しアンラッキーな部分があったと思う」

「一方でルイスは、イモラでは周回遅れになったところ、(赤旗などに助けられ)突然2位となり、フィニッシュした。そういう意味で彼は少し幸運だったと言えるだろう。今シーズンはとても長いように感じるが、数字を見るとマックスはこれまでで最高のシーズンを過ごしたと言えるだろう」

「どちらもチャンピオンに値すると思う。運が悪かったり、判断が悪かったりして、マックスが負けたレースがあったように思う。そういうシーズンだったと、私は考えている」

 
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