ロス・ブラウン、新レギュレーション導入不要の意見に反論「浸透すれば、素晴らしいレースやシーズンが見られるに違いない」
F1のモータースポーツ・マネージングディレクターであるロス・ブラウンは、今季の接近したタイトル争いを鑑みると、来季導入される新レギュレーション導入はいらないのではとする意見に反論した。
F1 2022 car
Formula 1
今季はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)の間で激しいタイトル争いが勃発。第16戦トルコGPを終えてその差は6点と、近年稀にみるドッグファイトが毎戦のように展開されている。
ふたりのタイトル争いに加え、トルコGPではバルテリ・ボッタス(メルセデス)が優勝し、今季6人目の勝者が誕生。こうした点から、現行レギュレーションはF1に必要なモノが全て揃っているという意見をもつF1ファンや関係者もいる。
さらに、新レギュレーションの導入で、来季のグリッドはより差が縮まると考えられているが、結果として資金力のあるチームが変更に素早く対応し、再び差を広げていくだけになるのではないかという懸念も存在している。
しかしブラウンは、新レギュレーション導入を不要とする意見を退け、改定の目的はオーバーテイクを増やすことなど、現行F1が不足する部分を補う点にあると語っている。
ブラウンは、F1公式コラムにこう綴った。
「今のような“黄金期”を過ごしているのを鑑みてか、この(トルコGPの)週末に2022年のレギュレーション変更が必要かどうかという意見を耳にした」
「これは今シーズンがスリリングである一方、前を走るマシンを追いかけたりオーバーテイクの機会を作ったりすることに苦しんでいるという事実を理解していないからだと思う」
「2022年の新レギュレーションが状況を一夜で変えるワケではないが、コース上でのバトルを改善するプラットフォームとしては優れていると思う。新レギュレーションが浸透すれば、将来的にはホイール・トゥ・ホイールのバトルがさらに増え、素晴らしいレースやシーズンが見られると確信している」
また、ブラウンがリバティ・メディアにF1オーナーが変更されてから導入された予算制限レギュレーションが、今シーズンのタイトル争いをここまで接近したモノにしたと考えている。
「(フェルスタッペンとハミルトンの)ふたりはシーズン終盤に向けても力が拮抗していて、久しぶりにエキサイティングな1年の締めくくりを提供してくれる。F1は恵まれているね」
「どうしてこんなにも素晴らしいシーズンを送れているのだろうか? 私がF1チームを運営していた頃は、(全てを解決する)銀の弾丸はなかった。すべてのモノを少しずつ改善していくのだ。それはこのスポーツでも同じだと考えている」
「予算制限やレギュレーション変更が、今シーズンの接近戦やその激しさに好影響を与えていることに疑いはない」
「今のF1チームには、膨大なリソースをF1に注ぎ込んでタイトルを狙うだけのキャパシティはない」
「現在、リソースには限りがあり、F1チームは多くのリソースと時間を要する来季のマシン開発に集中している。これらのことが、今シーズンの接戦に寄与しているのだ」
そして、F1はどのようなレギュレーションにおいても、単にくじ引きのように勝つのではなく、最高のドライバーとチームがトップに立つ仕組みを維持することが不可欠だとブラウンは考えている。
「やはり実力主義が必要だ」と彼は主張する。
「我々は最高のチームに勝ってほしいと思っている。だが、他のどのチームよりも大きな予算をもっているというのが理由で、圧倒的な強さで勝ってほしいとは思わないのだ。だから物事が好転しているのは喜ばしいことだ」
「(今年は)どのチームもぶっちぎることなく、時代を象徴するバトルになっている」
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