
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
F1メカ解説|多くのチームがアップデート投入。その新しい姿をクローズアップ:イギリスGPピットレーン直送便
多くのチームがアップデートパーツを投入しているF1イギリスGP。シルバーストンのピットレーンから届いたメカ写真を一挙お届け。


Mercedes W13 front wing endplate detail
Photo by: Giorgio Piola
メルセデスはイギリスGPに向け、フロントウイング翼端板の外側に取り付けられたストレーキの位置を下げてきた。以前ストレーキがあった場所には、その痕跡が今もしっかりと視認できる。

Ferrari F1-75 mirror detail
Photo by: Giorgio Piola
フェラーリはイギリスGPに向け、リヤビューミラーをアップデート。フェラーリはこれまで、ミラーステーをミラーハウスの最も外側に取り付けていた。しかしこれを車体中心線寄りに変更。生み出されたスペースに、下向きの整流フィンを取り付けてきた。これにより、車体後方に向かう気流をコントロールしている。

Ferrari F1-75 detail
Photo by: Uncredited
メカニックが手に持つ、整流フィン2枚が取り付けられたフェラーリの新しいリヤビューミラー。

Alpine A522 sidepods detail
Photo by: Giorgio Piola
アルピーヌは今シーズン既に複数回サイドポンツーンにアップデートを施してきた。しかし今回はさらに変更が加えられたバージョンを持ち込んでいる。このバーションは、まずフリー走行でテストが行なわれたようだ。
アルピーヌの新しいサイドポンツーンは、フェラーリF1-75のように上面が窪んでいる。これにより、サイドポンツーンの上を車体後方に向かって流れていく気流を制御しているのだろう。またこの窪んだ中にはスリットが複数箇所入れられていて、冷却性能の向上はもちろん、気流をコントロールするという面でもメリットがあるのだろう。
エンジンカバーにも大きな変更が加えられている。新しいバージョンは、従来のモノと比べて丸みを帯びるようになっており、ハロの上を流れた気流を後方へ向かってうまく導くよう、段差が形成されている。これはすでにアルファタウリやメルセデスなどが取り入れているモノだ。またその後方では左右の段が繋がるような格好となり、リヤウイングのメインプレーン下に気流を送っている。

Red Bull Racing RB18 sidepods detail
Photo by: Giorgio Piola
レッドブルも、サイドポンツーンを変更してきた。従来のモノと比べると、エンジンカバーの膨らみが大きくなり、後方に向けて気流を導こうとしているように感じられる。

Williams FW44 rear detail
Photo by: Giorgio Piola
ウイリアムズは、アルボン車にのみアップデートを投入してきた。これまでは前後に極端に短いサイドポンツーンを採用していたが、今回の新仕様は、前後に長く、緩やかに後方に向かって落ち込んでいくような格好になった。このためサイドポンツーン内に余裕が生まれたのか、これまではエンジンの上にふたつ置かれていた冷却装置が、1枚限りになった。

Ferrari F1-75 detail
Photo by: Uncredited
フェラーリF1-75のサイドポンツーンカバーの下である。吸気ダクトとフロアの隙間に、様々な機器が押し込められているのがよく分かる。側面衝撃吸収構造も見える。

Red Bull Racing RB18 detail
Photo by: Uncredited
カウルが剥がされた、レッドブルRB18のサイドポンツーン。吸気ダクトの先に、複数の形状の冷却装置が設置されているのが確認できる。また上面を後方に向けて落とし込む必要があるため、大きく前傾している。

Mercedes W13 rear detail
Photo by: Uncredited
シルバーストンは、高速コーナーが多いためダウンフォースは欲しい……しかし、長い直線区間もあるため、メルセデスのリヤウイングはかなり低ダウンフォース仕様のモノとなっている。

Ferrari F1-75 detail
Photo by: Uncredited
フェラーリは今回、カルロス・サインツJr.のモノコックを交換することを決定。メカニックたちが新しいモノコックを運んでいる。

Ferrari F1-75 detail
Photo by: Uncredited
サインツJr.の新しいシャシーに取り付けられるのを待つ、リヤアッセンブリー。エキゾーストパイプの内部、ビームウイングのレイアウトなどもしっかりと確認することができる。また、シャルル・ルクレールがカナダGPで使った新しいリヤウイングが搭載されている。

Ferrari F1-75 detail
Photo by: Uncredited
ラジエターが取り付けられていない、フェラーリのサイドポンツーン吸気ダクト。内部にはフィンが連なっており、車体内部の気流コントロールも細かく行なわれていることが想像できる。

Ferrari F1-75 detail
Photo by: Uncredited
フェラーリF1-75の後端パッケージ。エキゾーストとギヤボックスの関係性を観察できる。

Alpine A522 detail
Photo by: Uncredited
アルピーヌA522のキール部分。シャシーとフロア先端(ビブ)の間は、弓形になったステーで繋がれている。

Alpine A522 detail
Photo by: Uncredited
アルピーヌは、シルバーストンで低ダウンフォース仕様のリヤウイングを採用してきた。これは、サウジアラビアGPやマイアミGPでも使われたものだ。

Ferrari F1-75 detail
Photo by: Uncredited
立てて置かれたフェラーリのリヤエンド。通常ならまず見られない角度から、サスペンションエレメントや、ドライブシャフトを覆う空力フェアリングを見ることができる。
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