メルセデスF1、オーストラリアGPでは“残酷な”ダブルDNF。チーム代表はペース不足の追い打ちに「自分のことを殴りたい」と悲観
メルセデスはF1オーストラリアGPでダブルDNF。チーム代表のトト・ウルフは、陣営がペース不足にも悩まされたことから「自分のことを殴ってやりたい」と悲観した。
オーストラリアGP・メルボルンのアルバート・パーク・サーキットで開催された第3戦。メルセデスはレース序盤にパワーユニット(PU)トラブルでルイス・ハミルトンを失い、レース最終盤にはジョージ・ラッセルがフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とのバトル中にクラッシュと、2台ともチェッカーフラッグを受けることができなかった。
チーム代表を務めるトト・ウルフは、ダブルDNFという結果に加えて、レースペースも不足していたことから「自分のことを殴ってやりたい」と悲観した様子を見せた。
メルセデスはオーストラリアGP初日から苦戦。劇的なセットアップ変更を行なったもののマシンの不安定さは解消できず、ハミルトンとラッセルがコースから飛び出すシーンもあった。予選ではハミルトンがQ2でノックアウト。ラッセルはQ3進出も7番手とグリッド中盤からの決勝スタートとなった。
メルセデスは無得点でメルボルンを後にすることとなり、コンストラクターズランキングでは4番手。ランキング5番手のアストンマーティンとは1ポイント差と、ラッセルのクラッシュとの関係でアロンソにペナルティが科されていなければ、メルセデスは先行を許していたことになる。
ウルフ代表は決勝を振り返り、次のように語った。
「レース中、ペースが大幅に不足している時間帯があった。レース終盤は同じように比較すると、我々は問題無かった。まだ我々が望むところではないがね」
「でも第2スティントを見てみると、ミディアムタイヤを履いたフェルナンドに対して我々は全く近づけなかった。ラップタイムではマクラーレンから1秒遅れていた」
「そして最後(のスティント)になって、あまり心配せずに攻めたところ、突如ラップタイムは戦えるレベルになった。それでもサインツ(オーストラリアGPを制したフェラーリのカルロス・サインツJr.)には敵わなかったが、ずっと良いモノだった」
Toto Wolff, Team Principal and CEO, Mercedes-AMG F1 Team
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
昨年のオーストラリアGPの段階では、当初メルセデスがワンツー体制を築くなど好調さを見せていた。それから1年、フェラーリの後塵を拝し、2023年初頭は苦戦していたマクラーレンにも追い抜かれる始末となった。レッドブルのマックス・フェルスタッペンもトラブルさえなければ、メルセデスのはるか前方でサインツJr.と優勝争いを繰り広げていたことだろう。
「このマシンが昨年よりも良くなっていると信じてシーズン開幕を迎えたのは明らかだ」
ウルフ代表はそう続けた。
「昨年の状況を見てみると、ルクレールはクラッシュし、サインツJr.は4番手だったが、ペナルティでトップ10圏外となっていた。(今や)彼らは我々の40秒前にいる」
「自分のことを殴ってやりたくなる。しかしもう一方では、物事を上手く進めればすぐに好転できるという証拠でもある。信じ続けるしかないのだ」
「でも今はとても、とてもタフな時期を過ごしている」
そしてウルフ代表はオーストラリアGPを総括して次のように語った。
「受け入れるのは難しい。本当に堪えた。この状況においてポジティブかつ楽観的な気持ちでいられると言えば嘘になる」
「でもネガティブな考えに打ち勝ち、この状況を好転させなければならない。今はとても、とても、とても残酷な気分だ」
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