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「我々は正しい決断をした」F1会長が土壇場でのオーストラリアGP中止を語る

F1のCEOであるチェイス・キャリーは、オーストラリアGPを中止するのは正しい選択であったと考えている。

Michael Masi, Race Director, Andrew Westacott, Australian Grand Prix Corporation CEO and Chase Carey, Chairman, Formula 1 talks to the press

Michael Masi, Race Director, Andrew Westacott, Australian Grand Prix Corporation CEO and Chase Carey, Chairman, Formula 1 talks to the press

Carl Bingham / Motorsport Images

 F1開幕戦オーストラリアGPはレース開催に向けて準備が進められていたが、3月12日(木)にマクラーレンのチームスタッフ1名が新型コロナウイルス陽性であることが発覚。同チームはグランプリを棄権することを決めた。

 そんな事態を受けて、チーム首脳とFIAらは緊急の会合を開いてレース開催に関して議論を行なった。そして最終的に、フリー走行1回目開始時刻の2時間前に、オーストラリアGPの中止が正式に発表された。

 世界中で新型コロナウイルスの影響が広がっている中で、F1がレースを開催しようとしていたことについては、批判もある。現地入りしたルイス・ハミルトン(メルセデス)は、「今僕たちがここにいることは衝撃的なことだ」とコメントし、レース開催を疑問視していた。

 しかしレース中止が発表された後に行なわれた会見で、F1のCEO兼会長であるチェイス・キャリーは、F1がこの流動的な状況の中で最善を尽くしたと主張した。

「我々はパートナーたちと協力し、正しい決断をしたと思う」とキャリーは語った。

「レースが行なえないことは残念に思っているが、今は困難な状況にあるため、我々はするべき決定を下したと思っている」

「昨夜は色々な人たちから意見を聞いた。今回の決定はFIA、オーストラリアのパートナーたち、そして我々が共に下した決断であり、チームからの意見を反映したものだ。予想していたように、これには様々な意見があった」

「我々は非常に困難な状況でリアルタイムに物事を扱っていた。異なる意見や見解があったか? それはイエスだ」

「ただ、我々はすべきことをしたと思うし、この決定に我々全員が賛同していると思う」

 オーストラリアGPに向け、多くのチーム関係者が現地に到着した後、新型コロナウイルスを取り巻く状況は急速に変化していった。アメリカではドナルド・トランプ大統領がヨーロッパからの渡航を禁止することを発表すると、その影響でWEC(世界耐久選手権)のセブリング戦はキャンセルとなった。

 さらにアメリカではNBA選手に新型コロナウイルス感染が確認されシーズンが即座に中断されるなど、事態は深刻化している。無観客での開催を予定していたインディカー・シリーズ開幕戦もキャンセルとなった上に、同シリーズは4月いっぱいまでレースを行なわないことを発表した。

「状況が変化した時に適切な判断をしたと思う。その判断を下すために、全てのパートナーと密に協力した」とキャリーは続ける。

「もちろん、世界の出来事がどうなっていくかは我々のコントロールできることではない。24時間後、48時間後の状況は今と大きく異なっていることがある。人々はヨーロッパとアメリカを行き来していたのに、今やそれができなくなった」

「これはリアルタイムで、効率的かつ効果的に対処をしなければいけない問題だ」

 関係者らが開催地であるメルボルンに到着する前に、オーストラリアGPを中止するということを検討していたかと問われたキャリーは次のように答えた。

「我々は確かに、先週この問題について議論していた。突然この選択肢が浮上してきたわけではない」

「ここ(メルボルン)に来るという決定をしたのは、先週の時点でのイベントの開催状況、感染者数などに基づいたものだ」

「ヨーロッパの状況は、1週間前と今では大きく異なっている。ただ、それは我々も理解していたし、考慮するべきことだった」

「1週間前にチームがここへの渡航を始めた時、我々はそれが正しい決断だと感じていたが、状況は最終的にあらゆる面で変わってしまった」

「我々は常に様々な意識を持って議論を重ね、不測の事態について考えてきたんだ」

 

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