急遽代役のヒュルケンベルグ。決勝前のトラブルはクラッチのボルト?
急遽代役を務めたにもかかわらず、F1イギリスGPの決勝レースをスタートできなかった、レーシングポイントのニコ・ヒュルケンベルグ。その原因は、クラッチのボルトに問題があり、エンジンを始動できなかったことにあったようだ。
Nico Hulkenberg, Racing Point RP20
Glenn Dunbar / Motorsport Images
新型コロナウイルスに感染したことが発覚したセルジオ・ペレスの代役として、急遽レーシングポイントのマシンを駆ることになったニコ・ヒュルケンベルグ。フリー走行、予選と無難にこなし、決勝にも大いに期待がかかっていた。
しかしスターティンググリッドに向かおうとしていたヒュルケンベルグのマシンに問題が発生……ガレージを出ることができなかった。チームは修復を試みたが解決することができず、ヒュルケンベルグはレース出走を断念せざるを得なくなった。
調査の結果、クラッチのボルトに問題があったことが発覚。ドライブトレイン内でこれが緩んでいたという。
「クラッチハウジングの中で、ボルトが剪断されてしまったようだ」
チーム代表のオットマー・サフナウアーはそう語った。
「そしてそのボルトが引っかかってしまったため、エンジンを回すことができなかった。ボルトが抜け、それが詰まってしまったことで、エンジンを始動させることができなかったのだ」
「なぜそれが起きたのか、それを理解するにはまだ時期尚早だと思う。しかし、それは剪断されてしまった。素材の問題であるかもしれないし、トルクが過剰すぎるのが問題かもしれない。私には、まだよく分からない」
「こういったボルトは、全て特定のトルクで締められているはずだ。ただ締め付けトルクが正しく設定されておらず、過剰なトルクがかかりすぎてしまうと、剪断されてしまう可能性がある」
「それは製造上の、素材に関する問題かもしれないが、全てを調べるまでは分からない。根本的な原因を理解し、確実に修正する必要があるのだ」
サフナウアー代表曰く、このボルトはメルセデスから供給されたパッケージの一部であるという。
「これはレーシングポイントが作ったパーツではない。HPP(メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズ)もしくはMGP(メルセデスGP)から入手したモノだ」
サフナウアー代表は、急遽金曜日から走行したにもかかわらず、ヒュルケンベルグが速さを発揮しつつあったことを受け、スタートできなかったのは非常に苛立たしいことだと認めた。
「ニコがレースに参加していれば、非常に有益だっただろう」
そうサフナウアー代表は言う。
「残念ながら、それをすることはできなかった。彼は難しい状況に飛び込み、素晴らしい仕事をしたと思う。本当にゼロから始めたんだから。冬のテストは全くせず、マシンを全く理解していなかった。彼が以前に乗ったクルマとはまったく別物であり、パワートレインも別だ」
「チーム自体は、彼がここにいた時とよく似ている。彼のかつてのエンジニアは、ランス(ストロール)のマシンの面倒を見ていた。だから、別のエンジニアが担当したんだ。しかし、かつて一緒に働いていた残りの部下たちが共に仕事をした。だから彼は、並外れた仕事をしたんだ」
「彼は急速に学んでいき、そして予選で素晴らしい走りを見せた。ただ、レースに参加できなかったのは残念だ」
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