デ・フリーズ「フェルスタッペンは、年下だけど兄みたいな存在」F1王者がアルファタウリ加入にも一役買う
2023年にアルファタウリF1加入が決まったニック・デ・フリーズだが、彼はその実現にあたってはマックス・フェルスタッペンが”兄”のような存在だったと語っている。
写真:: Andreas Beil
ニック・デ・フリーズは2023年からアルファタウリF1へ加入が決定。イタリアGPでの代役参戦から一気に物事が進んでいったが、その裏には”兄”のようなマックス・フェルスタッペンの存在があったようだ。
FIA F2で2019年にチャンピオンとなったデ・フリーズは、F1のシートを確保できず以後は他シリーズに挑戦。昨年はフォーミュラEで王者に輝いた。
そんなデ・フリーズは、イタリアGPで思いがけない形でF1デビューのチャンスを得た。アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が虫垂炎で手術を受けて欠場することになったため、代役として白羽の矢が立ったのだ。
急遽初のF1レースに挑戦したデ・フリーズは、9位入賞を果たしポイントを獲得。鮮烈なデビューを果たし、一躍時の人となった。
デ・フリーズによると、その後同郷のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と夕食を共にした際、レッドブルのドライバー人事を握るヘルムート・マルコへ接触して見るよう、進められたという。
そしてデ・フリーズはオーストリアへ足を運んでマルコに会って話を進め、日本GPの週末に起用が発表された。
「マックスと僕はすごく良い関係なんだよ」と、デ・フリーズは言う。
「僕らは同じような世代だからね。彼は僕よりも少し若い(デ・フリーズは27歳、フェルスタッペンは25歳)けど、僕たちはカートで育ち、同じオランダ人でもある。マックスが父親とヨーロッパを回ってレースをしていたアプローチも、僕ととても似ていると思うんだ」
「僕らはこのスポーツが生きがいだし、ドライバーとして互いをしっかりと尊敬しあっている。彼はF1チャンピオンで、今は世界最高のチームで連覇を狙っているけれど、僕はそこで一緒にいるようなものなんだ。彼は僕よりも若いけれど、僕の兄のような役割をしてくれている気がしている」
「モンツァの後に一緒に夕食をとったんだけど、そこでは(F1挑戦の)可能性やチャンスについて話していた。その結果、その週のうちにオーストリアでドクター・マルコと話すことになったんだ」
デ・フリーズはフェルスタッペンとの優勝がどれほど重要なものだったかを、次のように語る。
「何かひとつのことが、鍵になるということは無いと思う。僕はこれまでも自分自身のことを考えて、常に周りの人たちの声を聞いてきた。そして、この業界では知識というのは非常に重要なんだ」
「時々、胸中に持ってる”カード”を仕舞っている人が居ると思う。そして、何が起こっているのかを知るためには、情報をシェアすることが重要なんだ。そして、今回のはまさにそういった会話だった」
デ・フリーズはイタリアGPでの9位入賞が今回のF1挑戦の大きな要因となったこと認めているが、それ以前から既に他チームとの繋がりを持っていたことを強調している。
「モンツァの1戦が、いろんな話をスピードアップさせたのは明らかだ」
「けれど、僕はかなり長い間F1界で関わりを持ってきた」
「フォーミュラEを勝ったあと、昨年はウイリアムズで(シートを得る)チャンスがあった。今年の序盤でも、話をしていることもあったんだ」
「僕はメルセデスとウイリアムズのリザーブでもある。だから彼らとの距離は近いし、そこの人たちとも良い関係を築いている。僕は常に話し合いの背後にいたよ」
「最初はオスカー(ピアストリ)の件だった。そしてフェルナンド(アロンソ)がアストンマーチンへ移籍して、ちょうど夏休みの前だったけど、それがしりーシーズンの始まるきっかけになった。僕はその裏で常に関わりを持っていたんだ」
「でもモンツァの一件は皆の持っていた疑問なんかを払拭してくれたと思う。あの週末は本当にめぐり合わせが良かった」
「あのマシンはモンツァで競争力があったし、いくつかペナルティやリタイアも発生していた。率直に言って、セーフティーカーがなければ右フロントのブレーキ問題もあってフィニッシュすらできていなかっただろう。だから、あの時の出来事には本当に感謝しているんだ」
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