F1 オランダGP

F1オランダGPの開催終了をドライバーら惜しむ。4度王者は「オランダ人でなかったとしても、ここは素晴らしい経験だったはず」

F1オランダGPは2026年の開催がひとまず最後となるが、F1ドライバーたちはこの古風なサーキットとの別れを惜しんでいる。

Filip Cleeren

Filip Cleeren

公開日時: 2026/08/23 3:22

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Fernando Alonso, Aston Martin Racing

 2021年に復活するまで、狭く昔ながらの姿を残すザントフールトがオランダGPとしてF1カレンダーに戻ってくることを予想できたひとはほとんどいなかったはずだ。このコースでのレースは2026年が一旦最後となるが、F1ドライバーたちは別れを惜しんでいる。

 今週末のザントフールトでは、現代F1における6回目のオランダGPが開催されている。レッドブルのマックス・フェルスタッペンの空前の人気と成功によって、長らく歴史の彼方へ消えたと考えられていたオランダGPは復活を果たした。

 市街地に設けられたストリートサーキットが徐々に増えている現在のF1カレンダーにおいて、北海沿岸の砂丘を縫う全長4.259kmのザントフールトは、多くのF1ドライバーにとって歓迎すべき存在だった。

 そのロケーションだけでなく、アップダウンやバンクのついたコーナーを持つそのレイアウトは、カレンダー上の他のどのサーキットとも一線を画している。

 ドライバーたちは、ヒューゲンホルツボヒト……つまりターン3で、アウト側を大きく使う独特のラインを選択する。またスケイフラク(ターン7)は、高速かつ度胸が求められるコーナーだ。その狭いエスケープエリアはランオフというより土手に近く、コース外には大きなグラベルが立ちはだかるように待ち構えている。

 インディ500ウイナーのアリー・ルイエンダイクにちなんで名付けられた最終コーナーは、全開で駆け抜けられるようバンクがつけられており、比較的短いホームストレートへとつながっている。

 そうしたジェットコースターのようなレイアウトも今週末を最後にF1カレンダーから姿を消すことになる。ザントフールトはF1との契約が満了するにあたり、延長しないことを決断したのだ。

 他の多くのF1開催地とは異なり、オランダGP主催者は財政的リスクをカバーするための政府支援を期待できない。また、オランダ国内におけるF1人気もすでに飽和状態にあると判断され、主催者は状況が良いうちに幕を引くという安全策を選択した。

 この決断は、F1ドライバーたちにとっても寂しいニュースとして受け止められている。

 2025年のオランダGPウイナーのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、ザントフールトがカレンダーから姿を消すことについて尋ねられると、Motorsport.comに次のように答えた。

「残念だね。ドライブするサーキットとしては、年間を通しても最高の場所のひとつだと思う」

Max Verstappen, Red Bull Racing

Max Verstappen, Red Bull Racing

Photo by: Andy Hone/ LAT Images via Getty Images

「もちろん、レースをするサーキットとしては、もしかしたらそれほどエキサイティングではないかもしれないし、F1を開催するにあたってもかなり小さい場所かもしれない」

「バランスの問題もある。とてもたくさんの国がF1を開催したいと考えているからね。でも僕たちドライバーとしては歴史あるサーキットで走るのが一番楽しいものかもしれない」

「将来的にイモラやスパと入れ替わるなら、僕はかなり満足だ。でも、別の良くないストリートサーキットに置き換わるなら、それはあまり良いことではないかもしれない。どこかにちょうどいいバランスがあるはずだ。でも、ここはクールな場所だから、間違いなく寂しくなる」

 またマクラーレンのチームメイトであるランド・ノリスも、ザントフールトがカレンダーから消えることを惜しんでいる。

「かなり残念だよ。イベントそのものが好きだし、ファンも素晴らしい。もちろん、そのほとんどはひとりのドライバーを応援しに来ているんだけど、それでもいつも楽しいイベントなんだ」

「雰囲気も良いし、情熱的だ。そういうものこそ求めたいものなんだ。残念だけど、いつかまた戻ってくることを願っている」

 かつてA1GPのザントフールト戦で勝利した経験を持つニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)も、このサーキットの雰囲気を称賛する。

「ジュニア時代にたくさんここを走ったけど、雰囲気がまるでクラブのようなんだ。本当にお祭りみたいな感じで、ここ数年間はすごく気に入っていた。だから無くなってしまうとさみしくなるね」

 アストンマーティンのランス・ストロールは、ランオフエリアが限られていることによるリスクとリターンの大きさも、ザントフールトの魅力だと語る。

「まさに昔ながらのサーキットのひとつだと思う。今はランオフエリアが広いモダンなサーキットにたくさん行くけど、そうなると昔ながらのサーキットを走る独特な感覚が少し失われてしまう」

「ここには今でもグラベルや芝がある。タイヤをひとつでもコース外に落とせば、大変なことになる。それがこの場所を特別なものにしているんだ」

Lance Stroll, Aston Martin

Lance Stroll, Aston Martin

Photo by: Eric Le Galliot

 ザントフールトは、まさに過ぎ去った時代の”遺産”とも言えるサーキットだ。そして、そのことには良い面と悪い面の両方がある。

 ドライバーたちはアップダウン、高速コーナー、そして狭く容赦のないレイアウトを楽しんでいる。しかし同時に、それは現代の大型化したF1マシンにとって、魅力的なレースを展開するには窮屈すぎるということでもある。

 もちろん、それはサーキット自体の責任ではない。ただ、オランダGPが復活できた最大の理由が、国民的英雄に対する空前の関心の高まりだったことにも理由がある。

 4度のF1世界チャンピオンであるフェルスタッペンは、母国GPで3年連続優勝を達成した。特に2021年は、ルイス・ハミルトン(当時はメルセデス)との激しいタイトル争いの最中に行なわれた、熱狂的な一戦となった。

 近年はマクラーレンに主役の座を奪われ、フェルスタッペンは2026年もトップ争いからは一歩離されてしまっている。それでも彼は、6年連続で10万人の熱狂的なファンの前でレースをするという経験に感謝している。

 フェルスタッペンは、ザントフールトへの思いを次のように語った。

「ここには歴史があるし、モータースポーツを愛する大勢のファンがいる。そしてサーキットのレイアウトも素晴らしい」

「うまく走れた時の達成感は本当に大きい。本当に昔ながらのドライビングが求められるんだ」

「キャラクターに少し欠けるサーキットもある中で、ここは間違いなくカレンダーの中でも最高のサーキットのひとつだ。確実に惜しまれることになると思う。いつも走っていて本当に楽しかった」

「たとえ僕がオランダ人でなかったとしても、ここを走るのは素晴らしい経験だったはずだ。でもオランダ人であることで、それがさらに特別なものになったんだ」

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