めちゃくちゃ面白かったカナダGP。好バトルの連続で、猛批判されてきた新レギュレーションの問題は解消されたのか? ドライバーたちの意見
F1カナダGPは、近年稀に見る激しいバトルとなった。しかし表彰台に登った3人のドライバーは、そのことに惑わされず、ルールに関する懸念を解消すべきだと語った。
2025年のF1カナダGPは、実に魅力的なレース展開となり、トップ争いはもちろん、各所で数多くのバトルが繰り広げられた。しかし決勝レースで表彰台に登壇した3人のドライバーは、今季からの複雑なパワーユニット(PU)規則によって、シリーズがより良い方向に向かっているとは言い難いと語った。
2026年からF1のレギュレーションが一新され、PUにおけるエンジンと電動モーターの出力比が均等となり、マシンも小型化された。さらにオーバーテイクモードやブーストモードなどのギミックが導入されたことで、オーバーテイクしやすくなったはずだ。事実今季開幕戦から多くの抜きつ抜かれつのバトルが繰り返されてきた。
しかしこのバトルは、PUの特性による人工的なオーバーテイクであるとして、批判の的となってきた。しかしカナダでは、激しいホイール・トゥ・ホイールのバトルも激しく、観る者、競る者を魅了した。
ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリのメルセデス勢同士の激しいバトルは、チームにとっては冷や汗モノだったかもしれないが、近年稀に見る好バトルだったとも言える。またフェラーリのルイス・ハミルトンとレッドブルのマックス・フェルスタッペンも、2位を巡るバトルを繰り広げ、互いに楽しんだようだ。
マイアミでは、ドライバーの懸念を和らげるために、エネルギーマネジメントの配分を調整した。その調整は一定の成果を挙げたようにも見え、カナダではさらに改善されたように見えた。しかしトップ3のドライバーたちは、依然として大きな懸念事項だと警告する。
「今でもまだ違和感があるね」
ドライバーたちは、現行マシンでのレースを楽しめるようになったのではと尋ねられたハミルトンはそう語った。
「ストレートモード(でウイングのフラップ)を開いても、ストレートの途中でパワーが落ちはじめ、(エンジンの)回転数が下がり始める。それは、モータースポーツのあるべき姿とはかけ離れている。エンジンはストレートの最後まで全開で、ひたすら加速し続けるべきだ。V8やV10の時代はそうだった」
「結局のところ、今のマシンは根本的に優れた設計になっているから、レースで接近戦を繰り広げ、他のマシンをピタリと追いかけていくことができる。それが、今のマシンの最大の魅力だと思う。でもパワーに関してはあまり刺激的じゃないね」
レースに勝ったアントネッリは、最速のラップタイムを記録するためにスロットルをコントロールしたり、バッテリーに回生したエネルギーを蓄える必要があるため、ドライバーとしては苛立つことがあると語った。
「システムの動きに関しては、今でも時々、少し苛立たされることがある」
そうアントネッリは語った。
「しかし変更が加えられたこと、そしてFIAがチームに対して、システムに関する裁量権を少し与えたことで、状況はかなり改善された」
「マシンは昨年よりもずっと良くなっている。以前よりもずっと接近して走れるようになり、レース展開がより白熱するようになった」
「しかしPUに関してはチームが素晴らしい仕事をしてくれたので、文句のつけようがない。もちろん、まだ改善の余地があるけどね。今後数年でレギュレーションが変わるのか、エンジンの出力がもう少し上がるのか、注目していきたい」
Lewis Hamilton, Ferrari, Max Verstappen, Red Bull Racing
Photo by: Anadolu via Getty Images
フェルスタッペンはかつて、2027年にエンジンの出力比が上昇するようレギュレーションが変更されない限り、F1を続けていくのは精神的にも「無理」だと語っていた。その姿勢は今も変わらず、カナダGPで素晴らしいバトルが繰り広げられたとは言え、現行ルールに問題がないということにはならないと語った。
「ほとんどのドライバーは世界最高峰のドライバーだ。だからたとえレンタカーに乗っていたとしても、素晴らしいレースを見せ、お互いに激しく、そして見事に競い合うことになるだろう」
「つまり、ルールとは何も関係ないということだ」
「ファンの皆んなは、僕らがドライブしている最中にどんな状況に直面しているか、他のマシンの前や後にいる時に何が許されているか、フォーメーションラップやアウトラップで何をしなければいけないのか、バッテリーの充電量はどのくらいなのか、それさえ知らない。そういうことに全て対応しなければいけないというのは、本当に残念なんだ」
「僕としては、F1はもっと純粋であるべきだ。来年彼らがやろうとしていることが実現するのを、心から願っている。それがF1を、少しでも自然で本来の姿に戻すために最低限必要なことだと思うからだ」
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