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特集|来るF1 2023年シーズン。開幕までに知っておきたい7つのこと……ドライバーやカレンダー、レギュレーション変更等

2022年シーズンはアブダビで閉幕を迎えたが、2023年のF1がすぐそこまで迫っている……。ここでは来季の開幕戦までに知っておきたい情報をリストアップする。

George Russell, Mercedes W13, Lewis Hamilton, Mercedes W13, Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, Sergio Perez, Red Bull Racing RB18, Carlos Sainz, Ferrari F1-75, the rest of the field away for the start

George Russell, Mercedes W13, Lewis Hamilton, Mercedes W13, Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, Sergio Perez, Red Bull Racing RB18, Carlos Sainz, Ferrari F1-75, the rest of the field away for the start

Zak Mauger / Motorsport Images

 2022年のF1シーズンが終了し、2023年はどのような物語が待っているのか、オフシーズンから期待が高まっている。

 F1史上最大規模の技術規定刷新が行なわれた2022年から、比較的安定した状態で来シーズンを迎えることができそうだが、変更点は多い。

 ドライバーのラインアップも大きく変化し、レースカレンダーもF1史上最長となる年間24戦となる。

 ここでは、2023年シーズンについて、これまでに判明している全ての情報をご紹介する。


2023年ドライバーラインナップ

 2022年のコンストラクターズチャンピオンであるレッドブルはマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのコンビを継続。メルセデスはルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセル、フェラーリはシャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.で王座に挑む。

 トップ3チームが3シーズン連続でドライバーラインナップを維持する一方で、中団グループ以下のラインナップには変更も多い。

サージェントは、2022年シーズンのFIA F2最終ラウンドで無事スーパーライセンス発給を満たすランキング4位を獲得。

サージェントは、2022年シーズンのFIA F2最終ラウンドで無事スーパーライセンス発給を満たすランキング4位を獲得。

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 セバスチャン・ベッテルが2022年シーズン限りでF1を引退したことで、アルピーヌからフェルナンド・アロンソがアストンマーチンへ移籍。ランス・ストロールとタッグを組むこととなった。

 これによりアルピーヌには空席ができ、チームは育成ドライバーのオスカー・ピアストリをその席に昇格させると宣言したものの、当の本人がこれを否定。ピアストリは、ダニエル・リカルドを放出したマクラーレンと契約を交わし、ランド・ノリスと共にチームで戦うこととなった。

 そしてアルピーヌはアルファタウリからピエール・ガスリーを引き抜き、残る一席を埋めた。これにより、アルピーヌはエステバン・オコンとガスリーという”オール・フランス”チームとなった。

 ガスリーが抜けたアルファタウリには、メルセデスで2020-21年のフォーミュラE王者となり、F1ではメルセデスのリザーブドライバーを務めてきたニック・デ・フリーズが加入した。デ・フリーズは2022年シーズンのイタリアGPでは代役参戦ながらもウイリアムズで9位入賞を獲得しており、2023年はF1フル参戦初年度となる。一方、チームメイトを組む角田裕毅はF1参戦3年目となる。

 ウイリアムズは2022年からF1復帰を果たしたアレクサンダー・アルボンが残留。一方でニコラス・ラティフィとは契約を継続せず、2022年のFIA F2でランキング4位となった育成ドライバーのローガン・サージェントを起用する。

 ハースは2023年、ミック・シューマッハーに代わってニコ・ヒュルケンベルグを起用。ケビン・マグヌッセンと共に”ベテランコンビ”でF1を戦う。

 2022年にドライバーラインナップを刷新したアルファロメオは、2023年はそのまま。バルテリ・ボッタスとF1参戦2年目を迎える周冠宇のコンビを継続する。

2023年用F1マシンのローンチ日程

 F1チームは、2月23日から行なわれるプレシーズンテストより前に2023年を戦うF1マシンを発表する必要がある。

 ただ現時点では、3チームが発表日を公開。2月11日にアメリカ・ニューヨークで予定されているアルファタウリの発表会では、新マシン『AT04』のカラーリングのみの公開となるようだ。

現時点では、3チームがローンチ日程を公開。

現時点では、3チームがローンチ日程を公開。

Photo by: Alpine

新規定導入1年目から学んだこと

 技術規定の刷新によって、2022年からF1は新時代に突入。1982年以来となるグラウンドエフェクトマシンが復活することとなった。

 ここには、現代F1での接近戦を難しくしている乱流(ダーティーエア)の原因であるウイングによるダウンフォース発生の依存度を低減し、代わりにフロアのベンチュリートンネルで多くのダウンフォースを発生させようという意図がある。時を同じくして2022年からは18インチタイヤが導入され、ホイール周りにはウイングレットが追加。バージボードは完全撤廃された。

 こうした規定の変更により、前車から受ける後方乱気流は目論見通り低減したものの、直線区間でのスリップストリーム(トウ)の効果も同時に薄れるため、DRS(ドラッグ・リダクション・システム)は2022年も維持されることとなった。

 大きな変更があったものの、結果として2022年のF1マシンは前年度と比較して全体的に1秒程度遅くなっただけに留まった。導入初年度ということで苦戦したチームもあったが、2022年マシンの高速コーナーでのペースが2021年マシンとのギャップを埋める要因になったのだ。

F1チームはマシンがAOMの定める許容値を超えないようにしなければならない。

F1チームはマシンがAOMの定める許容値を超えないようにしなければならない。

Photo by: Alfa Romeo

 新規定最大の問題は、ポーパシングとバウンシングという直線区間でマシンが高速振動するグラウンドエフェクトカーによく見られる問題の発生だ。ポーパシングはフロア下で生まれるダウンフォース量の増減によって車高が変化するという空力的なモノで、バウンシングは空力的な要求から硬められたサスペンションが路面変化に対応できないという機械的なモノだが、どちらもドライバーに健康被害をもたらす可能性があり、ドライバーの視界も悪化してしまう。

 そのため、FIAは2023年に向けて緩和策を導入する。まず、昨シーズンからは空力振動指数(AOM)を設け、チームが安全性を犠牲にしてまでマシンセットアップを攻めないよう垂直振動に許容値を設定した。

 各車は搭載するFIA規格の加速度センサーを用いて、FIAが定めたAOMを満たしているかどうかを判断される。基本的な指数は10J/kg/100kmを上限としており、平均AOMはインラップやアウトラップ、セーフティカー先導ラップを覗いた”適切な”ラップから算出される。

 FIAはその指数を超えたマシンのドライバーを失格とすることができるが、昨シーズン、チーム側は20%以内の超過であれば3回まで違反が許されていた。

 2023年には、垂直振動をしっかりと抑制すべくマシン下面のデザインにおいて技術規定に調整が加えられる。その詳細については2023年のレギュレーション変更のセクションで後述する。

2023年のF1カレンダー

日程

グランプリ

会場

3月5日

バーレーンGP

バーレーン・インターナショナル・サーキット

3月19日

サウジアラビアGP

ジェッダ市街地サーキット

4月2日

オーストラリアGP

アルバート・パーク・サーキット

4月16日※

中国GP

上海インターナショナル・サーキット

4月30日

アゼルバイジャンGP

バクー市街地サーキット

5月7日

マイアミGP

マイアミ・インターナショナル・オートドローム

5月21日

エミリア・ロマーニャGP

イモラ・サーキット

5月28日

モナコGP

モンテカルロ市街地サーキット

6月4日

スペインGP

カタルニア・サーキット

6月18日

カナダGP

ジル・ビルヌーブ・サーキット

7月2日

オーストリアGP

レッドブルリンク

7月9日

イギリスGP

シルバーストン・サーキット

7月23日

ハンガリーGP

ハンガロリンク

7月30日

ベルギーGP

スパ・フランコルシャン

8月27日

オランダGP

ザントフールト

9月3日

イタリアGP

モンツァ・サーキット

9月17日

シンガポールGP

シンガポール市街地サーキット

9月24日

日本GP

鈴鹿サーキット

10月8日

カタールGP

ロサイル・インターナショナル・サーキット

10月22日

アメリカGP

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ

10月29日

メキシコGP

エルマノス・ロドリゲス・サーキット

11月5日

ブラジルGP

インテルラゴス・サーキット

11月18日

ラスベガスGP

ラスベガス市街地サーキット

11月26日

アブダビGP

ヤス・マリーナ・サーキット

 F1は2023年に史上最大の24戦を予定しており、2022年はFIFAワールドカップ開催の影響によりスキップとなっていたカタールが来年はカレンダー入りを果たす。

 加えて、2023年はアメリカで3レース目となるラスベガスGPが復活。1981~82年はシーザーズパレスで開催されたが、来年からはラスベガス・ストリップを舞台に街のランドマークを巡るコース設定となる。

※中国GPはカレンダーに一度復活したものの、F1は新型コロナウイルスの影響が続いていることから開催を断念。代替のレース開催が検討されている。

ヘルマン・ティルケがラスベガスの新コース設計を担当。

ヘルマン・ティルケがラスベガスの新コース設計を担当。

Photo by: Evgeny Safronov

 2023年のカレンダーでは、これまで6月に開催されていたアゼルバイジャンGPが初春に戻り、ベルギーGPはサマーブレイク前に開催。サマーブレイク明けにオランダGPとイタリアGPとの3連戦を避けるべくスケジュールが組まれた。また、これまで10月に開催されてきた日本GPも9月の実施となっている。

 そして2023年には過去2シーズン各3大会で実施されてきたスプリントが、1シーズン6回行なわれる。実施会場は、アゼルバイジャンGP、オーストリアGP、ベルギーGP、カタールGP、アメリカGP、サンパウロGPとなっている。

プレシーズンテストの日程

 2023年のプレシーズンテストは、2月23日(木)~25日(土)の3日間にかけてバーレーン・インターナショナル・サーキットで行なわれる。ニューマシンと新たなドライバーの走りを見る初めての機会となる。

 テストでは午前に4時間、午後に4時間と計8時間の走行が予定されており、1チーム1台ずつ走らせることが許可されている。テストには20名のレギュラードライバー全員と、各チームのテスト/リザーブドライバーが参加する。

2023年のレギュレーション変更

 2023年のF1技術規定では、フロア端の高さが15mm引き上げられ、マシンをできるだけ低くすることで発生する垂直振動による安全上の懸念を軽減する狙いがある。当初は25mmの引き上げが提案されていたが、チームからの反対を受けて妥協案が採用された。

 また、チームが弾性を利用してフロア端を路面に近づけて走らせないようにすべく、より厳しいたわみテストが設けられることとなった他、フロアの空力感度を下げるべくディフューザーの立ち上がり部分が高く設定される。

 そして2022年のイギリスGPで周冠宇が横転クラッシュを喫した際に、ブレード型のロールフープが大きく破損したことを受け、レギュレーションが見直しを受けた。

 2023年は、強度向上と、マシンが上下逆さまになった場合でもグラベルに食い込む可能性を低減させるべく、ロールフープ上部は円状にする必要があり、ホモロゲーションテストはロールフープが引きちぎれる可能性を低減するために、最小荷重点を取り入れた水平テストに変更される予定だ。

 なお2023年から、各F1マシンには後方視界を改善するために大型のミラーが装着される。既にいくつかのチームが2022年シーズン中にフリー走行でテストしているが、サイズは150mm×50mmから200mm×60mmに拡大される予定だ。

周のアクシデント後、F1マシンはより厳しいロールフープテストが設けられることとなった。

周のアクシデント後、F1マシンはより厳しいロールフープテストが設けられることとなった。

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

 財務規定では、2023年の予算上限は前年度の1億4240万ドル(約198億円)から1億3500万ドル(約187億円)程度に下げられると予想されている。

 なお、レッドブルは2021年シーズンに1億4500万ドル(約201億円)の予算制限を約200万ドル(約3億円)超過したことで、700万ドルの罰金と空力テスト10%の削減を言い渡されている。

2023年の空力テストレギュレーション

 F1は各チームの風洞実験と数値流体力学(CFD)時間にスライド制を導入しており、前年度のコンストラクターズランキングに応じて許可される試験量が削減される。

 基本的には、1シーズンに6回ある空力試験期間(ATP)で1期あたり320回の風洞試験、80時間のウィンドオンタイム、そして合計400時間の風洞内滞在が許可されている。

 これが各チームの順位に応じた割合で増減される。例えばランキング1位を獲得すると、7位チームの70%までテストが制限され、風洞実験の試験回数・時間にハンディキャップが与えられる。CFDに関しても風洞と同じ要領で割り当て率が適用される。

 なお2022年にコンストラクターズタイトルを獲得したレッドブルは10%の空力試験制限によって、割り当て率は基準の63%となる。

レッドブル

選手権1位 (70%)

2位

3位

4位

5位

6位

7位

8位

9位

10位

成功倍率

100%

63%

70%

75%

80%

85%

90%

95%

100%

105%

110%

115%

風洞実験 (#)

320

201.6

224

240

256

272

288

304

320

336

352

368

ウィンドオンタイム (h)

80

50.4

56

60

64

68

72

76

80

84

88

92

風洞占有時間 (h)

400

252

280

300

320

340

360

380

400

420

440

460

ジオメトリ (#)

2000

1260

1400

1500

1600

1700

1800

1900

2000

2100

2200

2300

CFD演算制限 (MAuh)

6

3.78

4.2

4.5

4.8

5.1

5.4

5.7

6

6.3

6.6

6.9

 風洞実験は、風速が5m/s以上に上昇し、次にそれ以下となるまでの間をテスト1回としてカウントする。ウィンドオンタイムとは風速が15m/s以上の時を指し、本格的な空力試験はここで行なわれる。

 また風洞占有時間は、FIAによると「最初の占有シフトは、ある日程において風洞の風速が5m/sを超えた時点で開始されたとみなされ、風洞の風速が5m/s以下になったと競技者が宣言した時点で終了する」と定義されている。

 なおジオメトリとは、CFDシミュレーションで使用される不連続モデルのこと。既存のモデルを変更したり、新たなジオメトリを適用すると、割り当てられた数値が消費されていく。CFDの演算制限は、シミュレーションの処理時間(秒)、使用するコア数、処理能力(GHz)の関数として定義され、これには「Mega allocation unit hours(MAuh)」という単位が与えられている。

 
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