ハースF1から契約解除のニキータ・マゼピン、父ドミトリーと共にEUの制裁対象に……プーチンの側近扱い
ハースF1からドライバー契約が解除されたニキータ・マゼピンと、その父ドミトリー・マゼピンは、EU(欧州連合)によるロシア人の制裁対象リストに追加された。
3月9日(水)のEU(欧州連合)の理事会によって、ニキータ・マゼピンとその父で肥料メーカー「ウラルカリ」の取締役であるドミトリー・マゼピンの名が、ロシア人の制裁対象リストに連ねられることとなった。
母国ロシアがウクライナに侵攻していることからハースF1のドライバー契約を解除されたニキータ・マゼピンは、自分も父親も制裁対象者ではないためドライバー契約とスポンサー契約の一方的な解除は不当であるとメディアに対して語っていた。しかし、その直後に制裁対象リストに名が載ることになった。
ニキータ・マゼピンは9日に行われたオンライン会見で、契約解除は驚きであり、チーム代表のギュンター・シュタイナーから示唆されることもなかったと語った。そして、ロシア出身のドライバーが中立的な立場でレースを行なうことを認めるFIAの文書にも署名していた。
「この決定がWMSC(世界モータースポーツ評議会)によって用意された時、僕は無条件で受け入れた」と彼は語った。
「だからハースによる決定は、このスポーツの統括団体による指示に基づくものでも、僕や僕の父、あるいは父の会社に対する制裁措置によるものではない」
そう語ったものの、数時間後にニキータ・マゼピンは732人目の制裁対象者としてリストアップされることになった。マゼピンの父は723人目の対象者だった。
Nikita Mazepin, Haas F1, on the grid with his father Dmitry Mazepin
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
EUは、ウラルカリのトップであるドミトリー・マゼピンを対象リストに加える理由として、「クリミア併合とウクライナの情勢不安定化の責任を負うべきロシア連邦政府に、実質的な収入源を提供する経済セクターに関与している」ためだとしている。
またドミトリー・マゼピンは、ロシアによるウクライナ侵攻が開始された2月24日に、他の36名の実業家と共にウラジミール・プーチンと会合を行ない、侵攻による影響について議論したという事実についても言及されている。
「この会合に招待されたということは、彼がウラジミール・プーチンの側近であり、ウクライナの領土保全や主権、独立性、そして安定と安全を損ない、脅かす軍事行動や政策を支持もしくは実施していることを表している」とEUは指摘する。
「また、クリミア併合とウクライナの不安定化に責任を負うべきロシア連邦政府に、実質的な収入源を提供する経済セクターに関わる有力実業家のひとりであることも示している」
またニキータ・マゼピンに関してEUは、参戦継続が不可能となったF1への関与を指摘した上で、「彼は、クリミア併合とウクライナの不安定化に責任を負うべきロシア連邦政府に、実質的な収入源を提供する経済セクターに関わる有力実業家(彼の父)に関連した個人である」とされている。
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