インタビュー

F1 マイアミGP

フォードF1責任者、レッドブルとのパワーユニット開発は順調と主張「ただ、ライバルのことは分からない」

フォードのモータースポーツ責任者であるマーク・ラッシュブルックは、レッドブル・パワートレインズと開発中のF1パワーユニットは、投入する2026年には目標に到達できると考えているものの、ライバルの進捗はわからないと語った。

Ronald Vording 田中 健一

編集: 2024/05/13 11:02

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Max Verstappen, Red Bull Racing RB20

 2026年からF1のパワーユニットに関するレギュレーションが変更され、これを期にレッドブルは自社グループ内のレッドブル・パワートレインズ(RBPT)でオリジナルのF1パワーユニットを開発・製造することになっている。

 このRBPTのプロジェクトをサポートするのがフォードで、電動関連のコンポーネントなどを中心に、開発に関与すると発表されている。

 そのフォード・モータースポーツ・パフォーマンスのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは、RBPTのPUに関する全ての目標は2026年に達成できると考えているものの、ライバルメーカーにが多くの経験があり、その目標値が妥当なモノであるかどうかは分からないと語った。また、フォードは当初の予定よりも広範囲にわたってRBPTの開発に貢献しているという。

フォードが独自に設定した目標は達成

 F1は2026年に大変革を迎える。2014年から使われ続けてきた現行のPUレギュレーションが、MGU-Hが廃されるなど変更され、エンジンの出力と電気モーターの出力が50:50になる予定だ。またこれに伴い、シャシーのレギュレーションにも大きな変更が加えられる予定だ。

 シャシーのレギュレーションはまだ最終的に決着しておらず、開発が許可されるのも2025年1月からとなっている。しかし一方で、PUに関しては各メーカーの開発が既に本格化。RBPTもエンジンとERS(エネルギー回生システム)の開発を進めている。

 ただRBPTは、ホンダやメルセデス、フェラーリ、ルノーといった、既存のPUメーカーと対峙しなければいけない。また、アウディやキャデラックといった大手自動車メーカーも、F1参入を目指してPUを開発している。しかも、様々な実績を持つ人材を雇用しているとはいえ、RBPTは自動車メーカーではなく、エンジンもERSの開発も、いずれもゼロから行なわなければいけないわけだ。

 そのため、このRBPTのPU開発プロジェクトについては、うまくいっていないのではないかという指摘もなされており、それが人材の流出に繋がりつつあるのではないかとも言われている。マックス・フェルスタッペンが移籍を検討する一因となっているのではという示唆もある。

 フォードのラッシュブルック氏は、RBPTでの開発は計画通りに進んでいると強調するが、ライバルとなるメーカーの進捗が分からないため、自分たちの立ち位置も不明だと語った。

「他のプログラムと同様に、特定の目標とマイルストーンを設定する。現時点では我々は全ての目標を達成し、望ましいマイルストーンを達成できている」

 ラッシュブルックはそう語った。

「F1では、我々が活動している他のモータースポーツよりも、開発が非常に速く進んでいる。エンジン開発を始めてから、新しいレギュレーションの期間が終わる2030年まで、本当に全力だ」

 RBPTとフォードのプロジェクトが遅れているという指摘について、ラッシュブルックは次のように語る。

「私が言えるのは、我々の経験と2026年に成功するためには必要だと考えたことに基づき、PUに関する独自の目標を設定したということだけだ。だから我々の競争力がどのようなポジションにあるのか、ライバルの成長曲線がどのようなモノであるかは全く分からない。他メーカーと直接比較することができないが、成功するために必要なことを考えれば、我々は良い状態にあると思う」

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、RBPTのプロジェクトは、70年もの経験を持つブランドに、新人が挑むようなものであり、それが大きな課題になっていると語っている。ラッシュブルックはこれについて、「F1では常に大きなチャレンジである」と語った。

「フェラーリのようなブランドが、知識を持ち、人材もいて、既に機能しているシステムや経験を持っているというのは間違いなく真実だ。その点では、彼らがアドバンテージを持っている」

「しかし我々のチームは、2026年に使うエンジンにだけ取り組んでいるので、その点では我々にアドバンテージがあると思っている。今のPUに取り組む必要はないのだからね。我々はこのプロジェクトにだけ、集中しているんだ」

RBPTとフォードにとって、最大の課題はERS?

 なおホンダのF1プロジェクトのラージ・プロジェクトリーダーを務める角田哲史エグゼクティブチーフエンジニアは今年2月の時点で、2026年用PUの開発は現状では2割程度のステージにあるとその進捗を明かし、「電動系はパーツを作るのにも時間がかかるので、まずはその電動系に力を入れています。ICE(エンジン)をやらなくてはいけないという訳ではないので、その部分でも必要なところに手を打っています」と語っている。一方でRBPTは、既にV6のエンジンをテストベンチで稼働させたが、それに組み合わせるERSがどう機能するかという部分には疑問の残る。この領域は、レッドブルにとってもフォードにとっても、未知の部分だからだ。

 電動部分が最大の課題かと尋ねると、ラッシュブルックは次のように語った。

「全てが大きな課題だ」

「我々はゼロからスタートした。この内燃エンジンは、我々にとってもF1にとっても新しい開発であるが、十分なパワーと信頼性を確保する必要がある。全てが挑戦なんだ」

 当初は電動部分を中心にRBPTのプロジェクトに関わるとされていたフォードだが、結局はエンジンにも、当初の予定よりも多く関与しているとラッシュブルックは明かした。

「内燃エンジンやターボは、我々が貢献するモノの最初のリストには入っていなかったんだ。しかしモデルを作ったり、テストを行なうことに関しては、その開発を助けることができる知識が我々にはある」

「ただし、我々の主な焦点は、常に電動コンポーネントである。ミルトンキーンズにいる我々のチームが、直接技術サポートを行なっている」

「具体的な人数については明確にできないが、多くの分野で貢献しているんだ」

 

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 ボッタスのレースエンジニア変更は、アウディ”F1参入”に向けた準備の一環。キック・ザウバー代表「変化を予測することにした」

次の記事 「唯一無二の天才」「とても寛容」「共に働けて光栄」元レッドブルF1ドライバー、退団発表のニューウェイに称賛送る

More from

Ronald Vording



F1参戦開始からたった半年で代表交代、さすがに早すぎでは? なぜ“今”なのか……キャデラックCEO、新代表の言葉から真意を探る

F1

F1

15 時間前

F1参戦開始からたった半年で代表交代、さすがに早すぎでは? なぜ“今”なのか……キャデラックCEO、新代表の言葉から真意を探る



予選ではレッドブルのセカンド史上最もフェルスタッペンに肉薄するハジャー。しかし本人は「驚いていない」と冷静……レースペース改善を誓う

F1

F1

オランダGP

16 時間前

予選ではレッドブルのセカンド史上最もフェルスタッペンに肉薄するハジャー。しかし本人は「驚いていない」と冷静……レースペース改善を誓う



【ホンダF1折原エンジニア独占インタビュー】オランダGPで投入予定の”スペック2”PUで「普通に戦える位置に行くことが目標」 ドライバビリティが課題に

F1

F1

3 日前

【ホンダF1折原エンジニア独占インタビュー】オランダGPで投入予定の”スペック2”PUで「普通に戦える位置に行くことが目標」 ドライバビリティが課題に

More from

マックス フェルスタッペン



フェルスタッペンの”早期引退”の可能性は著しく減った?「すぐに引退するのは簡単にできる。でも、僕はレースが好きなんだ」

F1

F1

ハンガリーGP

11 日前

フェルスタッペンの”早期引退”の可能性は著しく減った?「すぐに引退するのは簡単にできる。でも、僕はレースが好きなんだ」



フェルスタッペンの無線を参考にせよ! レーシングブルズ代表、若いふたりのドライバーにアドバイス「彼の振る舞いは模範的だ」

F1

F1

Hungaroring Pirelli test

11 日前

フェルスタッペンの無線を参考にせよ! レーシングブルズ代表、若いふたりのドライバーにアドバイス「彼の振る舞いは模範的だ」



フェルスタッペン、移籍の噂が再燃!? バカンスをメルセデスのウルフ代表と満喫

F1

F1

14 日前

フェルスタッペン、移籍の噂が再燃!? バカンスをメルセデスのウルフ代表と満喫

More from

レッドブル



カルチャーショック! だけど僕はレッドブルに相応しい男……ハジャー語る「ここにいるのは自然なこと」

F1

F1

4 日前

カルチャーショック! だけど僕はレッドブルに相応しい男……ハジャー語る「ここにいるのは自然なこと」



さすがのレッドブルも限界? 予算制限の影響で、マシン開発のスローダウンを認める「来季マシン開発へのシフトも早めになる」

F1

F1

ハンガリーGP

15 日前

さすがのレッドブルも限界? 予算制限の影響で、マシン開発のスローダウンを認める「来季マシン開発へのシフトも早めになる」



レース多すぎでスタッフが「燃え尽き症候群」の危険性? F1年間24戦過密スケジュールに警鐘

F1

F1

ハンガリーGP

15 日前

レース多すぎでスタッフが「燃え尽き症候群」の危険性? F1年間24戦過密スケジュールに警鐘

最新ニュース



FIA、ロシアとベラルーシのドライバー/チームへの制裁を限定解除。今後はそれぞれの国旗を使っての国際レース出走が可能に

機能

General

ライブテキスト

評価

機能

General 13 時間前

FIA、ロシアとベラルーシのドライバー/チームへの制裁を限定解除。今後はそれぞれの国旗を使っての国際レース出走が可能に



F1参戦開始からたった半年で代表交代、さすがに早すぎでは? なぜ“今”なのか……キャデラックCEO、新代表の言葉から真意を探る

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 15 時間前

F1参戦開始からたった半年で代表交代、さすがに早すぎでは? なぜ“今”なのか……キャデラックCEO、新代表の言葉から真意を探る



予選ではレッドブルのセカンド史上最もフェルスタッペンに肉薄するハジャー。しかし本人は「驚いていない」と冷静……レースペース改善を誓う

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 16 時間前

オランダGP

予選ではレッドブルのセカンド史上最もフェルスタッペンに肉薄するハジャー。しかし本人は「驚いていない」と冷静……レースペース改善を誓う



海外F1記者の視点|デカいエンジン音は正義なのか!? V8回帰に向かおうとするF1……その是非を考える

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 21 時間前

ベルギーGP

海外F1記者の視点|デカいエンジン音は正義なのか!? V8回帰に向かおうとするF1……その是非を考える

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録