ドメニカリCEO、F1スプリント増加とリバースグリッド導入に前向き「全てのセッションを、お客様が楽しめるものにしたい!」

F1スプリントの開催数が、今後もっと増えるかもしれない。そしてそこにはリバースグリッドを導入する可能性を検討したいと、F1のステファノ・ドメニカリCEOは語る。

Nico Hulkenberg, Haas VF-24, Valtteri Bottas, Stake F1 Team Kick Sauber C44, and Zhou Guanyu, Stake F1 Team Kick Sauber C44, take their grid spots

Nico Hulkenberg, Haas VF-24, Valtteri Bottas, Stake F1 Team Kick Sauber C44, and Zhou Guanyu, Stake F1 Team Kick Sauber C44, take their grid spots

写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images

 F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、2021年から導入されているF1スプリントについて、今後は実施するグランプリを増やす方向で検討していること、そしてリバースグリッド方式を導入することも視野に入れていることを明かした。

 2021年のイギリスGPで初めて実施されたスプリントレース。当初は批判的な声が相次ぎ、毎年そのフォーマットが変更され、現在に至っている。導入から4年目となる2024年は、全6戦で実施。グランプリに馴染んできたという側面もあるが、今も批判的な声は完全に抑えられているわけではない。

 ドメニカリCEOは、批判的な声を完全に無視するべきではないと考えているものの、スプリントが効果的に機能するだろうことに自信を持っているという。そして年間8レースに、スプリントの開催数を拡大するべきだと考えているようだ。

「スプリントを導入した時、多くの批判があったことを覚えている。我々は常に、彼らの意見に耳を傾ける必要があると思う。それがたとえ不満を持っている人たちの声であってもだ」

 ドメニカリCEOはそう語る。

「でも今では、状況は完全に逆転したと感じている。今年導入した変更は、予選とパルクフェルメを別々にしたことなど、多くの理由から正しいモノだと思う。今では、週末の流れははるかに良くなっている」

「たとえば、MotoGPのようにレースカレンダーの全てでスプリントをやる……そういうことを言えるような立場ではないと思う。しかし、拡大する余地はある。おそらく、カレンダーの1/3くらいは、スプリントを開催することができるかもしれない」

「もちろん、議論の余地がある話題がいくつかある。リバースグリッドにする必要があるかどうか、あるいはF2やF3のように、前半分だけリバースグリッドにする必要があるかどうか、そういうことについて議論すべきだと思う。興味を惹きつけられるようなことを続けていくために、常に頭を働かせなければいけない」

 ドメニカリCEOは、リバースグリッドの導入については賛成の立場だという。

「個人的には、なぜダメなのかと思う。リバースグリッドにすれば、コース上でのアクションがたくさんあるだろう。つまりオーバーテイクだ。彼らはポイントを争うわけだからね」

「『リバースグリッドなんて偽物のレースだ!』という意見もあるだろう。でも素晴らしいアクションを生み出す方法だと信じているモノに関して、偽物なんていう要素はないと思っている。だからそのことについては、話し合いたいと思っている」

 ドメニカリCEOは、グランプリの週末の全てのセッションに、”競争”という要素と、ファンが観戦するだけの理由を持たせたいと考えている。槍玉に挙げるのが、フリー走行だ。

 ドメニカリCEOは、フリー走行はエンジニアの助けになる以外には何の価値もないと考えており、それが3回も行なわれるのは理解できないと主張する。

「予選とレースに向けて準備を整えるためだけに、金曜日にコースを走るクルマを観に来る人にとって、それは楽しいことなのだろうか?」

 ドメニカリCEOはそう自問自答する。

「人々が見たいのは、そういうモノなのだろうか?」

「チームはシミュレーションツールに、多額の投資を行なっている。だから私が夢見るところは、コースを走るたびに、戦うべき何かがあるかということなんだ。それがレースの本質だし、ドライバーの本質だと思う。彼らは、毎回1位になりたいはずだ。だからこそ我々は将来、そういうことを目標にすべきだ」

「我々は正しい道を進んでいると思う。我々は正しいことをしているし、スプリントレースがもたらしてくれる興奮は非常に明確だ。多くのプロモーターも、それを望んでいるからね」

「今はいいアクションを実現するのに最適なサーキットはどこか、そして適切な頻度で行なうためにカレンダーのどこに振り分けるのが最適かを、見極めるいいチャンスだと思う」

 

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