F1 バーレーンGP

【解説】一体何が起きていたのか? ソフトウェアのバグで複数台のマシンが突如ストップ。FIA再発防止を確約「バグがないソフトウェアなどないが……」

FIAのニコラス・トンバジスが、セパンでのバーレーンGPで起きたソフトウェアのバグについて、詳細を説明した。

Ronald Vording

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編集: 2026/10/05 3:15

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Andrea Kimi Antonelli, Mercedes, Max Verstappen, Red Bull Racing, George Russell, Mercedes

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写真:: Alex Bierens de Haan / LAT Images via Getty Images

 セパンで行なわれたF1バーレーンGPの決勝レース、スタート前のフォーメーションラップで複数のマシンが突然ストップしてしまう事態となった。これで赤旗が掲出され、スタート手順はやり直しとなったが、各車がストップした原因はソフトウェアのバグという、前代未聞のトラブルであった。

 この結果、豪雨のため既に40分遅れていたバーレーンGPのスタート時刻が、さらに53分遅れることになった。つまり、合計1時間33分の遅れとなったのだ。

 FIAのシングルシーター部門のディレクターであるニコラス・トンバジスによれば、この問題は車両の間隔が急激に縮まったことによりソフトウェアが誤作動したためだったという。そしてその問題は、テストの回数が不足していたため、事前に把握することができなかった。

 そんな中でも今回のバーレーンGPを実施できるよう、FIAはアップデート版のソフトウェアを早急に用意。そして各マシンにインストールしたという。

 トンバジスはこれについて、詳細を明かした。

「幸いなことに、我々のチームは問題を非常に迅速に理解してくれた。アップデートは非常に的確に行なわれたと思う。もちろん、急ぎの作業だった。最優先事項はできるだけ早くレースを再開することだったので、そのための対応速度はかなり速かったと思う」

 トンバジスはそう語った。

「完璧な作業ではなかったし、アップデートは事前にテストすることができなかった。しかし、今回のような状況への対処法としては適切だったと思う」

 実際にFIAはこのアップデートによって、低速走行時にバグが発生したミニセクターにおいて、エネルギー制限(250kWまでしか使えないという制限に関するものだという)を解除した。これは今後のレース運営に向けて万全の解決策とは言えなかったが、今回のレースを実施するための緊急措置だった。

「一部のセクターでは、出力制限を解除した」

 そうトンバジスは説明した。

「アップデートに5日もかける余裕はなかった。ほんの数分しかなかったのだ。しかし幸いにも、安全性、レースの展開、公平性を損なうことなく対応することができたと思う」

 FIAによるこのアップデートが完了した後、各チームは修正版のソフトウェアをインストールしなければならなかったため、前述の通りレースの開始が大きく遅れた。

 マレーシアでのバーレーンGPが中止にならなかったのは不幸中の幸いだった。しかしFIAがなぜこの問題を今季ここまで見落としてきたのかについては、大いに疑問は残る。

「ソフトウェアは当然テスト済みだ。ただ、あの特定の条件下でのテストは行なえていなかったというだけだ」

 そうトンバジスは語った。

「我々を驚かせたのは、通常は想定されていないような、極めて低速な走行が発生したということなんだ」

 こういうソフトウェアのテストは、通常はタイヤテストの際などに行なわれる。しかし今回のようにゆっくり走ることはない。

 しかしその説明には疑問も残る。雨のレースとなった場合にはセーフティカーが出動する可能性が高く、その場合は低速走行となるのは当然だ。FIAとしては当然それを予測するべきだったのではないだろうか?

 motorsport.comの疑問に対し、トンバジスはこう説明した。

「どんなバグも、ミスから生まれるモノだ。バグやアップデートがないソフトウェアを、私は知らない。おそらく皆さんのパソコンも、3日ごとにアップデートされているはずだ。それは全てバグが原因なんだ」

「もちろん、こうした事態を予測できればそれは望ましい。しかし、時には様々な要因が重なり合って問題が発生することもある。もう少しテストを重ねることができていれば、おそらく問題をもっと早く発見し、今回のような事態を回避できただろう」

 この問題は今回は暫定的な対策が講じられた。しかしFIAは、今回の疑問に関する様々な部分を解明する必要があり、再発防止策も講じなければならない。今回の問題を受け、ドライバーの中には、「F1が複雑になりすぎたからだ」とか、「ハイブリッドはいらない」と言った過激な発言をする者もいる。

「誰もがもっとシンプルにしたいと願っているが、これほど多くの電力を扱うとなると、どうしても複雑になってしまう。レース終了から約1時間が経ったが、今回のような問題を回避するための詳細な検証が、まだ出来ていないことはご理解いただけると思う」

「必ずや詳細な検証を行ない、問題点を特定する。今回の問題は明らかに重大であり、再発防止に万全を期さなければいけない」

「今回のことが二度と起きないと保証できるか? この今回の特定の問題については、間違いなく再発はないと保証する。しかし問題が全く起きないかと尋ねられたら、それはノーだ。もちろん、それを避けるために、我々は最善を尽くす」

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