F1にWECにデイトナ……多忙のフェルナンド・アロンソ、今の心境を語る

毎週末のように異なるマシンをドライブし、多忙なシーズン終盤を過ごすフェルナンド・アロンソは、現在の心境について語った。

 今週末のアブダビGPが、フェルナンド・アロンソにとってマクラーレン・ホンダでの最後のF1グランプリになる。1勝も出来ないどころか1度も表彰台に上ることが出来ないままで3年間を終える。そのアロンソ、3年目の今年は猛烈に勝利に飢えていた様で、優勝の可能性があるならどんなカテゴリーのレースでもいいから走りたいという希望を持っていた。それが証拠に5月にはモナコGPを欠席してインディアナポリス500マイルに参戦。十分に優勝争いに絡むことの出来るポジションでレースを戦った。

 それだけでは足りなかったアロンソ。今度はスポーツカー・レースへの参戦計画を進め、来年のデイトナ24時間レースへの出場を決めた。ただしこのデイトナは本命ではなく、本命はやはりル・マン24時間への参戦、そして勝利。そのための足馴らしという意味でのデイトナ挑戦らしい。そして、本命ル・マンへの参戦を視野に入れて、先週の日曜日にはバーレーンでトヨタTS050 HYBRIDのテスト・ドライブを行った。その時の模様を彼は次のように語った。

「バーレーンでWEC最終戦が行われた翌日曜日、初めてLPM1-Hのステアリングを握った。F1マシンとはまったく異なった技術を備えたクルマだ。F1では禁止になっているトラクションコントロール、4輪駆動などのシステムが搭載されたクルマだ。F1とはまったく異なったドライビングスタイルが要求された。燃料制限などの規制があり、F1と比べるとややフラストレーションが溜まったが、良い経験になった」

「LMP1はF1と比べて何もかも違った。ドライビングポジションも違う。LMP1はひとりで走らせるんじゃなく3人のドライバーで組むので、妥協が必要だ。F1の様に僕だけのためにシートを作ってくれない。何もかも共有だ。セットアップもそうで、僕だけが僅かに速く走ることが出来るようなセットアップにしても、それはレースの結果には結びつかない。そうした様々なことを学ばなければいけない。運転の仕方も燃費のことを考えなくてはならず、学ぶことは多くあった。テストは価値あるものだったが、スピードを上げるために運転の仕方などを含めてもっと練習を積まなければいけないと感じた」

 バーレーンの翌日、アロンソはスペインに飛んでLMP2マシンを走らせた。マクラーレンのCEOザク・ブラウンが所有するUnited Autosport というチームからデイトナ24時間レースに出ることが決まっており、同チームのLMP2マシンを走らせたのだ。

「LMP2のテストは楽しませてもらった。これはデイトナに向けてのテストで、LMP1とはまた違うクルマで、より純粋でシンプルなクルマだった。1月のデイトナまで時間があまりないので忙しい」

 それにしても、どんなクルマに乗ってもすぐにマスターして好タイムを刻む点は、さすがアロンソと言えるだろう。誰もが驚く適応力だが、アロンソもその点は自信を持っている。

「自分は何に乗ってもすぐに適応できると信じることだ。これは僕の最大の武器かもしれない。予選で最速じゃないかもしれないし、レースでも最速じゃないかもしれない。雨の中でも最速じゃないかもしれない。でも、それら全てでかなり良いとこ行く自信があるので、F1以外のカテゴリーに挑戦する準備は出来ていたし、それらのカテゴリーのトップドライバーと一緒に走り、彼らから多くを学び、アドバイスを受けることは新鮮だった」

 アロンソがF1以外のカテゴリーでレースを望むのは、F1での成績が期待を完全に下回ったからだ。そのF1では来季エンジンが代わり、マクラーレン・ホンダからマクラーレン・ルノーになる。アロンソに取ればルノーはかつてタイトルを獲ったエンジン。彼のフラストレーションは晴らされるのだろうか?

「替わるには良い時期かもしれない。僕がフェラーリからマクラーレン・ホンダに移ったのは、彼らの過去の実績から技術的にも多いに期待していたからだ。しかし過去3年間、期待していた成績は収められなかった。パフォーマンスも期待以下だった。そこで、マクラーレンも替わる時期だと考えた。ルノーとのパートナーシップはレッドブルの成績に見るように、高い可能性を秘めていると思う。今我々がマクラーレン・ホンダで見ている光景とは違う光景を見ることが出来ると思う」

 最後にTOYOTA GAZOO Racingからのル・マン参戦に関して聞くと、アロンソはまだ何も決めていない、と答えた。

「まだ何も決めていない。将来ル・マンに出るつもりではいる。ル・マンには魅力を感じているけど、そこで来年、あるいはそれ以降も走ることが出来るかどうかはまだ未定だ」

 かつては多くのF1ドライバーがル・マンに挑戦した。ジム・クラーク、グラハム・ヒル、ジョン・サーティース、ブルース・マクラーレン……。いつからかF1ドライバーは契約に雁字搦めでF1グランプリ以外は走れなくなった。アロンソがその扉を開けてくれるだろうか。

(注:2015年、当時フォースインディアのドライバーだったニコ・ヒュルケンベルクがポルシェ・チームからル・マンに出て優勝を飾っている)

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シリーズ F1
記事タイプ 速報ニュース