F1デビュー戦14位のガスリー「SFのタイトルは今年しか挑戦できない」
トロロッソからF1デビューを果たしたガスリーは13位。スーパーフォーミュラの最終戦に出るのか、アメリカGPに出るのか、注目が集まる。















F1マレーシアGP決勝レース。F1デビュー戦をトロロッソで迎えたピエール・ガスリーは、14位に終わった。
レース後ガスリーは、こう報道陣に語った。
「ポジティブなレースだったと思う。速いクルマが後ろから来てブルーフラッグが振られたり、タイヤマネージメントに苦労したが、ピットを出たらプッシュするしかないので、頑張った。ミスはひとつも犯さなかったと思うし、価値ある週末だった」
そうガスリーは語った。
「体力もなんとかもった。20周を過ぎた頃、水を飲もうとしてボタンを押したら、口に入らず首元に溢れてしまった。それからは喉が渇いて……参ったんだ。でも、アドレナリンが出ていたので、最後までプッシュすることができた」
「シートが合っていなかったのか、クルマの中で身体が動いてしまって背中が痛いんだ。鈴鹿ではもっと身体に合ったシートを用意してもらうつもりだ」
そんな厳しい状況でも、ガスリーは入賞を目指してプッシュした。しかし、最後にはタイヤの”美味しいところ”が残っておらず、ペースを上げきれなかったという。
「最後はタイヤが残っていなくて、プッシュできなかった」
そうガスリーは語る。
「入賞できるように頑張ったけど、14位が精一杯だった。タイヤマネジメントについてはもっと学ばなければいけないけど、良い経験になったと思う。とにかく多くのことを理解できたので、日本GPが楽しみだ」
「今週末の目標は、ベストを尽くすことだった。そのためには良いクルマを作り、それを速く走らせることが必要だった。予選では良いタイムを出せたし、その調子をレースまで持ってくることができた。週末を通じて、ポジティブな方向へ物事を持っていくことができたんだ。この調子で成長を続けていきたい」
ガスリーの念願だったF1デビュー。その感慨もひとしおだったようだ。
「スタート前にマレーシア国家が流れた時、僕はここに来られて幸せだと思った。同時に、これまでのことが思い出された。そしてコクピットに座り、どうやってスタートするか、フォーメーションラップをどう走るか、その手順を確かめていた。その順番は、間違わずに思い出すことができたので、大丈夫だと思った。これは良い兆候だし、次の鈴鹿にはさらに自信を持ってレースに臨むことができる」
「スタート前にエンジニアから、『ターン1では無茶するな。とにかく完走を目指せ』と言われていた。その言いつけを守って走ったんだ」
今回ガスリーは、ダニール・クビアトのシートを奪う形でF1デビューを果たした。そのクビアトについては「あまり話したくない」とガスリーは語る。
「ダニールのことはあまり話したくない。今、彼と話すのはとても難しいので、喋っていないんだ。何を喋ればいいのか、分からないんだ。今は自分のこと、自分の将来のことを考えるので精一杯なんだ。僕の方から彼に何かポジティブなことは言えないけど、パドックで会うことができたら話をするよ」
ガスリーは今回のマレーシアと次戦日本GPでF1に参戦し、アメリカGPは出走せずにスーパーフォーミュラの最終戦にタイトルをかけて挑むとみられていた。しかし土曜日には、「F1参戦のオファーがあれば、アメリカ行きを選ぶ」と発言していた。これについてガスリーは、改めて説明した。
「アメリカGPにお呼びがかかったら、鈴鹿でのスーパーフォーミュラよりもアメリカ行きを選ぶと言った。でも、本当はまだよく分からないんだ。スーパーフォーミュラでタイトルを獲ることは、貴重な経験だということはよく分かっている。フォーミュラ・ルノー2.0でタイトルを獲り、GP2でもチャンピオンになった。それに加えてスーパーフォーミュラでもタイトルを獲ることができるなら、それは素晴らしいことだと思っている」
そうガスリーは語る。
「F1は僕の中ではまだ始まったばかり。これから先、いくつものレースが待っているだろう。でも、スーパーフォーミュラのタイトル争いは、今年しかできないことを理解している」
「F1を経験した後、スーパーフォーミュラのようなレースに出るのは、いいことだと思う」
「でも、僕のゴールはもちろんF1だ。だから、いつかはF1でもタイトルを獲得できるように頑張る」
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この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | マレーシアGP |
ロケーション | セパン・インターナショナル・サーキット |
ドライバー | ピエール ガスリー |
チーム | アルファタウリ・ホンダ , team Mugen |
執筆者 | 赤井邦彦 |