
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
【F1ブラジルGP】技術分析:マクラーレン、2017年に向けた実験を続ける
ブラジルGPでも他の週末と同様に細かなアップデートが投入されているが、マクラーレンは来年を見据えたテストを多く行っている。

クローズドアクスルvsブロウンアクスル
マクラーレンは、過去数回のレースでいくつかのコンセプトを試している。それらは、2017年に導入されるものだと考えられている。
テストの多くはフロントウイングに集中している。来季からフロントウイングは大幅に変更されるため、フロントタイヤ周りの空気の流れをより理解できるようにデザインされている。
一方でその周辺の研究のひとつとして、フロントブレーキダクトとブロウンアクスルおよび、それらがフロントタイヤの下流域に及ぼす影響についての研究がおこなわれている。
Photo by: Giorgio Piola
ブラジルで、チームはフェルナンド・アロンソのマシンに新しい構成のアップライトを搭載することを決めた。当初はテスト用のコンポーネントになるとみられていたが、そのままの仕様で彼はレースに出場した。
新しい構成ではブロウンアクスルではなく、エアフローを操作するためにエンドキャップが取り付けられていた。
ブレーキドラムにも改良が加えられ、通常ブレーキドラムの表面に開いている切り込みが塞がれ、上図のように幅の広い溝になっており、ブレーキダクトによって集められた空気を、ホイール表面から押し出すようになっている。
アロンソのマシンに搭載した新しい構成の最初の評価において、チームはフロー・ビズと呼ばれる塗料を使用した。これにより新しい構成は冷却用の取入れ口が非常に大きいことがわかる。より多くの冷たい空気を捕まえ、ブレーキや前述の溝に流すことができる。
アロンソのマシンのテストが成功したかどうかはわからないが、チームは空気力学的に成形をしているカバーの使用を続けた。
ブレーキが冷却されすぎる時、ウェットコンディションとなったブラジルGPのような週末では特に、チームはブレーキダクトにテープを貼ることがある。
しかしマクラーレンはそうはせず、これらの構成の研究を続けた。
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | ブラジルGP |
ロケーション | ホセ・カルロス・パーチェ・サーキット |
チーム | マクラーレン , メルセデス , ザウバー , アルファタウリ・ホンダ |
執筆者 | Giorgio Piola |