【F1ロシアGP】FP2:フェラーリ1-2。メルセデス勢はアタック苦戦
F1第4戦ロシアGPのフリー走行2回目が行われ、フェラーリのセバスチャン・ベッテルがトップタイムをマーク。フェラーリが1−2となった。

4月28日(金)、ロシア・ソチのソチ・アウトドローモでF1第4戦ロシアGPのフリー走行2回目(FP2)が行われ、フェラーリのセバスチャン・ベッテルがトップタイムをマークした。
気温22度、路面温度40度のコンディションでFP2はスタートした。
まずハースのケビン・マグヌッセンがコースイン。FP1でセルゲイ・シロトキンにマシンを預けていたニコ・ヒュルケンベルグがルノーのシートに戻り、マグヌッセンに続いてコースに飛び出していった。
ハースはブレーキメーカーをスイッチしてロシアGPに臨んでいるが、セッション開始早々ブレーキに関して、マグヌッセンとロマン・グロージャンそれぞれが懸念を無線でチームに伝えた。また、彼らのマシンはFP1に続いて真っ黒なブレーキダストを吐き出していた。
セッション開始5分を過ぎ、フェラーリの2台がスーパーソフトタイヤでタイムを記録。セバスチャン・ベッテルが1分36秒524をマークし、キミ・ライコネンを0.318秒上回った。ライコネンは同じタイヤでもう一度アタックし、セクター3で他車に詰まりながらも、1分35秒980までタイムを伸ばした。
メルセデスのバルテリ・ボッタスもスーパーソフトタイヤでタイムを出すが、ライコンネンには及ばず。一方でチームメイトのルイス・ハミルトンは1分35秒752をマークし、ライコネンを上回りトップに立った。
セッション開始後15分を前に、FP1のトラブルでパワーユニットを交換していたマクラーレン・ホンダのストフェル・バンドーンがインストレーションラップを済ませた。
セッション開始18分すぎ、レッドブルのダニエル・リカルドもスーパーソフトタイヤでタイムを出したが、4番手ベッテルからも0.5秒遅いタイムとなった。マックス・フェルスタッペンは、1回目のアタックでチームメイトのリカルドから0.2秒遅れたものの、2回目のアタックでボッタスを上回り3番手に浮上した。
バンドーンは、セッション開始24分を前にスーパーソフトタイヤでタイムを計測。1分43秒148と、トップから7秒以上遅れのタイムではあるが1周を回りきり、徐々にタイムを上げていった。
バンドーンがタイムを出した直後に、ライコネンがウルトラソフトタイヤを誰よりも先に投入。ベッテルも続いてウルトラソフトを装着してピットアウトした。
ライコネンはウルトラソフトでのアタックで約1.26秒タイムを向上させ、1分34秒721をマークした。ライコネンはタイヤを1周休ませ、2度目のアタックへ向かい、1分34秒383までタイムを更新。2周タイヤを暖めたベッテルは、ライコンネンから0.097秒遅れの1分34秒480をマークした。ベッテルもさらにもう一度アタックを行い、1分34秒120にタイムを更新した。
ウイリアムズのフェリペ・マッサや、フォースインディアのエステバン・オコンも、2回目のアタックでタイムを向上させており、タイヤの保ちはいいようだ。
その後、メルセデス勢もウルトラソフトを投入。ボッタス2周タイヤをウォームアップした後、アタックを行ったが、1分35秒313。もう一度アタックを向かったが、1分34秒998止まりとなりベッテルからは0.878秒離された。
ハミルトンは、何度かアタックを中断するなどすんなりとはいかずも、なんとか1分34秒829をマークした。3度目のアタックに向かったボッタスは1分34秒790を出したが、それでもベッテルから0.5秒以上の差がついており、ハミルトンも何度かコースアウトするなど、メルセデス勢はウルトラソフトタイヤをイマイチ使いこなせていないような印象だ。
セッション残り35分を切り徐々にロングランを行うマシンも増えてきた。ベッテルは中古のウルトラソフト、ライコネンがユーズドのスーパーソフトタイヤを履いてコース上に。ボッタス、ハミルトンはウルトラソフトで走行を重ねた。
セッション残り20分、フェルスタッペンがピット入り口手前でマシンを止めた。フェルスタッペンは『パワーを失った』と無線でチームに伝えた。
多くのマシンがロングランを行う中、セッションが終了。フェラーリのベッテル、ライコネンの1-2となった。メルセデスは、スーパーソフトからウルトラソフトタイヤに履き替えた際のタイムの伸びが、フェラーリ勢と比べて小さく、ボッタスが3番手、ハミルトンが4番手となった。
5番手、6番手はフェルスタッペン、リカルドのレッドブル勢。フェラーリやメルセデスとは0.7秒以上離されており、フェルスタッペンがトラブルでストップするなど苦しい展開だ。
7番手以下はマッサ、ヒュルケンベルグ、マグヌッセン、セルジオ・ペレス(フォースインディア)というトップ10。
マクラーレン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが12番手、バンドーンが16番手となった。
FP2では、ウルトラソフトタイヤで30周近く走行していたマシンもあり、タイヤのデグラデーションはかなり小さい模様。決勝は1ストップが濃厚であり、採れる戦略は多くないだろう。フェラーリ、メルセデスは同じようなペースで周回を重ねており、予選の重要度が高くなりそうだ。
フリー走行3回目は、29日(土)日本時間18時からスタートする。
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F1 2017 ロシアGP フリー走行2回目 タイム結果
Cla | # | ドライバー | Chassis | エンジン | Laps | 時間 | ギャップ | インターバル | km/h |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | ![]() | Ferrari | Ferrari | 36 | 1'34.120 | 223.680 | ||
2 | 7 | ![]() | Ferrari | Ferrari | 36 | 1'34.383 | 0.263 | 0.263 | 223.057 |
3 | 77 | ![]() | Mercedes | Mercedes | 36 | 1'34.790 | 0.670 | 0.407 | 222.099 |
4 | 44 | ![]() | Mercedes | Mercedes | 34 | 1'34.829 | 0.709 | 0.039 | 222.008 |
5 | 33 | ![]() | Red Bull | TAG | 15 | 1'35.540 | 1.420 | 0.711 | 220.355 |
6 | 3 | ![]() | Red Bull | TAG | 26 | 1'35.910 | 1.790 | 0.370 | 219.505 |
7 | 19 | ![]() | Williams | Mercedes | 39 | 1'36.261 | 2.141 | 0.351 | 218.705 |
8 | 27 | ![]() | Renault | Renault | 38 | 1'36.329 | 2.209 | 0.068 | 218.551 |
9 | 20 | ![]() | Haas | Ferrari | 31 | 1'36.506 | 2.386 | 0.177 | 218.150 |
10 | 11 | ![]() | Force India | Mercedes | 38 | 1'36.600 | 2.480 | 0.094 | 217.937 |
11 | 31 | ![]() | Force India | Mercedes | 39 | 1'36.654 | 2.534 | 0.054 | 217.816 |
12 | 14 | ![]() | McLaren | Honda | 27 | 1'36.765 | 2.645 | 0.111 | 217.566 |
13 | 30 | ![]() | Renault | Renault | 22 | 1'36.771 | 2.651 | 0.006 | 217.552 |
14 | 8 | ![]() | Haas | Ferrari | 31 | 1'37.039 | 2.919 | 0.268 | 216.951 |
15 | 55 | ![]() | Toro Rosso | Renault | 36 | 1'37.083 | 2.963 | 0.044 | 216.853 |
16 | 2 | ![]() | McLaren | Honda | 25 | 1'37.125 | 3.005 | 0.042 | 216.759 |
17 | 26 | ![]() | Toro Rosso | Renault | 35 | 1'37.300 | 3.180 | 0.175 | 216.369 |
18 | 94 | ![]() | Sauber | Ferrari | 30 | 1'37.441 | 3.321 | 0.141 | 216.056 |
19 | 18 | ![]() | Williams | Mercedes | 36 | 1'37.747 | 3.627 | 0.306 | 215.380 |
20 | 9 | ![]() | Sauber | Ferrari | 29 | 1'37.819 | 3.699 | 0.072 | 215.221 |
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | ロシアGP |
ロケーション | ソチ・アウトドローモ |
執筆者 | 松本 和己 |