【F1分析】ボッタスのメルセデス移籍で生じる、金銭的な影響は?

ロズベルグの引退に伴ってボッタス&ウェーレインの移籍と、マッサの引退撤回が決まった。この一連の動きは、彼らにどんな影響を与えるだろうか。

 2016年シーズン、メルセデスのニコ・ロズベルグはチームメイトのルイス・ハミルトンとの激しいタイトル争いを制し、初のチャンピオンに輝いた。しかしその後、ロズベルグは突如として引退を発表。彼の後任をめぐって、メルセデスは大混乱に陥った。

 競争力のあるドライバーふたりをラインアップに揃えたいメルセデスは、ウイリアムズのバルテリ・ボッタスを欲しがった。2チームの交渉は年をまたいだが、ウイリアムズはボッタスを放出、代わりに引退を発表していたフェリペ・マッサに続投を要請し、メルセデスから金銭的な支援を引き出している。メルセデスの育成ドライバーであるパスカル・ウェーレインは、散々待たされた挙句にメルセデス入りすることができず、結局ザウバーに加入している。

 アスリートにとって、そのスポーツのトップレベルに位置するチームに移籍することは、いかなる物的資産よりもはるかに大きな価値があることは、言うまでもない。過去3シーズンにわたってメルセデスはF1を”支配”しており、2017年も同じような競争力が発揮できるのであれば、今回の移籍はボッタスにとってチャンピオンシップを争うことができる非常に貴重なチャンスになるだろう。

 ボッタスの”昇格”に伴う財政的な影響は無視できないものだが、同時にこの動きはマッサとウェーレインにも影響を与えている。

 メルセデスから支払われる多額の給料によって、ボッタスの財布は大いに潤うことになるだろう。ボッタスとメルセデスとの契約の詳細は明らかになっていないが、ハミルトンとロズベルグのペアは、ウイリアムズ時代のボッタスの4倍以上の給料をもらっていた。3度の世界チャンピオンであるハミルトンや、メルセデスF1の設立時からチームに携わり、現在の常勝チームへと成長するのに貢献したロズベルグとは同等とはいかないだろうが、チームの移籍によってボッタスの給料は倍増するものと予想される。

 トップチームへの移籍によってメディアへの露出が増えるボッタスは、個人スポンサーとの契約でも良い条件を引き出せる可能性がある。

 ボッタスは、フィンランドの複合企業であるウィウリ(Wihuri)と電気溶接機メーカーのケンピ(Kempi)をキャリアの早い段階からスポンサーとして獲得しており、これまでも両社のロゴがウイリアムズのマシンに貼られていた。ケンピは2015年限りでマシンへのロゴ掲載をやめたものの、ボッタスの個人スポンサーは継続している。

 ウィウリはウイリアムズとの契約を2016年末まで延長したが、最近ボッタスとともにメルセデスに乗り換えている。

 メルセデスはファッションブランドであるヒューゴ・ボス、ヘッドホンメーカーであるボーズとスポンサー契約をしている。この分野以外で、ボッタスには新しいスポンサーと契約する機会があるだろう。

 ボッタスのメルセデス移籍は、マッサの引退撤回なくしては実現しなかったと考えられている。彼の引退はF1の歴史上、おそらく最も短いものになるだろう。

 マッサはウイリアムズと1年契約を結んでいるが、2017年の彼の給料は約500万ドル(約5.7億円)になると考えられている。この額は、F1のコメンテーターとして時々TVに出演するより、かなり高額な給料であることは言うまでもない。

 マッサはすでにF1の中で名声を確立しており、引退を1年延期することでも、新しい個人スポンサーを獲得することには繋がらないだろう。

 一方、F3時代からメルセデスの支援を受けてきたウェーレインは、お金持ちの親戚や個人スポンサーを持っていない。しかし、ザウバーとの契約で収入を増やす機会を得ることができる可能性もある。ザウバーの財政難はもはや過去のもの。ロングボウ・ファイナンスが昨年7月にザウバーを買収してから、チームは財政的により健全な状況になっているのだ。

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シリーズ F1
ドライバー フェリペ マッサ , パスカル ウェーレイン , バルテリ ボッタス
チーム メルセデス
記事タイプ 分析