ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

【F1分析】メルセデス、シャークフィン”煙突”でマシンの小型化を実現?

テスト序盤から速さと高い信頼性を発揮しているメルセデスは、早くも様々なパーツをテスト。他チームに先んじて評価を開始している。

 メルセデスは、今年も最初のテストから、速さと高い安定性を発揮している。連日タイムシートの上位につけ、初日は152周、2日目は168周と、他チームを大きく引き離す距離を走破して見せたのだ。しかもメルセデスはそんな中、様々なパーツの評価プログラムもこなしている。

シャークフィンの”煙突”でパワーユニットを冷却か?

Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W08 with open shark fin
メルセデスのシャークフィン上部に開いた”煙突”状のダクト

Photo by: Giorgio Piola

 その中でも特に目を引くのは、エンジンカウル周りの処理のテストだろう。発表会で公開されたメルセデスの2017年マシンW08は、シンプルな形状のエンジンカウルを備えていた。しかしテストが始まるとT字ウイングやダブルTウイングを取り付けた仕様、そしてシャークフィンとシャークフィン+T字ウイングを取り付けたものなど、短期間で複数の仕様を試した。

 メルセデスが使うシャークフィンは、他チームのモノとは異なっている。シャークフィンの上部には煙突状の開口部が設けられているのだ。この開口部は冷却用の役割を担っているとみられ、ここからパワーユニットで生み出される熱を排出しているものと考えられる。これにより、サイドポッドを小型化することができ、そしてサイドポッドが小さくなると、空力面でのメリットが確実に拡大するはずだ。

コクピット横にも複数のスリットが登場

Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W08
メルセデスW08のコクピット横に追加された開口部

Photo by: XPB Images

 ハミルトンは、スタンダードな形のエンジンカウルを装着したW08も試している。この際にはT字ウイングを取り付けることなく、冷却システムの検討を行っていたようだ。そのため、コクピットの横には、換気用と思われる開口部が設けられていた(写真の白い矢印の部分)。さらにその直後には、ウイリアムズが2015年に試したモノに似た垂直方向のスリットも存在している。

Valtteri Bottas, Mercedes AMG F1 W08
ボッタスがドライブするW08。コクピット横の開口部はない

Photo by: XPB Images

 上の写真のバルテリ・ボッタスがドライブするマシンは、ほぼ発表会仕様。T字ウイングは追加されているものの、コクピット横にスリットや排気口は開けられていない。

”計算上”の性能をフロービズで調査

Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W08
フロービズを塗って走行を重ねるハミルトン

Photo by: XPB Images

 またメルセデスは、コンピュータ上の試算と実際のデータを比較するための空力評価も開始している。当然、ドライバーのコメントやマシンに取り付けられたセンサー等で計測された数値も活用しているはずだが、それに加えて”フロービズ”と呼ばれる液体をマシンに塗り、気流を可視化しようとしていた。

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【F1】ギャラリー:メルセデスAMG F1 W08

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 Barcelona pre-season testing I
サーキット サーキット・デ・カタルニア
チーム メルセデス
記事タイプ 分析
Topic ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】