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【F1分析】新マシンの影響を分析。バルセロナの全開率が20%も上昇?

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【F1分析】新マシンの影響を分析。バルセロナの全開率が20%も上昇?
執筆:
協力: Jonathan Noble
2017/01/10 12:05

2017年、F1に大きな変化が訪れる。ルール変更で空力開発に注目が集まっているが、パワーユニットにかかる負荷はかなりのものになるだろう。

Pascal Wehrlein, Mercedes AMG F1 Team W07
Max Verstappen, Red Bull Racing RB12
Kimi Raikkonen, Ferrari with 2017 Pirelli tyres
Kimi Raikkonen, Ferrari with 2017 Pirelli tyres
Kimi Raikkonen, Ferrari with 2017 Pirelli tyres
Kimi Raikkonen, Ferrari with 2017 Pirelli tyres
Kimi Raikkonen, Ferrari SF16-H
Nico Rosberg, Mercedes F1 Team testing 2017-spec Pirelli tyres
Pascal Wehrlein, Mercedes F1 Team testing 2017-spec Pirelli tyres
Pascal Wehrlein, Mercedes F1 Team testing 2017-spec Pirelli tyres
2017 and 2016 Pirelli tyres
Nico Rosberg, Mercedes F1 Team testing 2017-spec Pirelli tyres

 2017年のF1は、大きなレギュレーション変更を迎える。幅広になったタイヤが導入されることでグリップ力が上がり、空力に関するレギュレーションの改訂によりダウンフォースが増すため、1周あたり5秒速くなると言われている。

 F1マシンがハイスピードになることで操縦が難しくなれば、ドライバーがミスをする可能性は増える。これにより想定外のレース結果が出る可能性も増えるだろう。しかしダウンフォースの向上によりいくつかのコーナーを全開で抜けられるようになるため、ドライバーがライバルをオーバーテイクする機会が減ってしまい、順位の入れ替わりが少なくなるということにも繋がりかねない。

 興味深い予測がある。昨年のバルセロナではスロットルの全開率が1周のうちの50%だったが、今年はそれが70%まで跳ね上がるというのだ。全開時間が増えることでマシンやパワーユニットの負荷が増え、マシンの信頼性が大きな頭痛の種になるため、レースはより予測できないものになるだろう。

コーナーの再定義

 F1チームが2017年のレギュレーション改正を発表した際、その狙いはレースをより良くすることではなく、マシンをより速くするというものだった。

 レギュレーション改正の当初の目標は、2015年のバルセロナでのタイムから5秒速くなることにあった。つまり、2015年のスペインGPのポールポジションタイムは1分24秒681だったので、バルセロナを1分20秒以下で走れるようになることが目指されていたのだ。しかし、2016年のスペインGPポールポジションタイムはルイス・ハミルトン(メルセデス)の1分22秒00だった。そのため、昨年比で2秒ほど改善すれば、目標達成ということになるわけだ。

 すでにピレリの新しい幅広タイヤだけで1周あたり1.5秒ほどのタイム向上が得られると予測されているため、”2015年のラップタイムから5秒短縮”という目標は楽々達成されることになるだろう。ダウンフォースが重要とされるサーキットでは、2017年マシンのパフォーマンス向上は特に大きいと考えられているため、さらに大きなラップタイムの向上に繋がるかもしれない。

 先週、マクラーレンのテクニカルディレクターであるティム・ゴスは、いくつかのコーナーを”ストレート”と見なすことができるようになるため、チームはサーキットの走り方を再定義していると語った。

「エンジニアたちはコーナーのことを、『コース上でドライバーがアクセルを離さなければならず、基本的にはハンドルを切らなければならない場所』だと定義している」とゴスは語った。

「もしコースが曲がりくねっていたとしても、ドライバーがアクセルを全開にしているならば、我々はそれをストレートだと分類する」

「マシンが速くなれば、2016年まではコーナーだった場所のうちいくつかは、ストレートに分類されるだろう」

「しかしそこを通過するスピードは速くなるので、ドライバーはより大きなGフォースにさらされるだろう。それにより、ドライバーの身体はさらに疲れることになる」

全開率に表れる大きな変化

 2月下旬にバルセロナで行われる最初のプレシーズンテストで、ピレリの”ワイド”タイヤを履いた2017年のマシンが実際に走行するまでは、どれほどの性能向上があるのかについて明確な答えは得られないだろう。しかしチームは各自でシミュレーションに取り組んでおり、シーズンを前にどれほどの向上が得られるかについて、それぞれ独自の考えを持っている。

 例えば、予測ではバルセロナのターン3は全開で抜けられるようになり、通過速度が2016年より時速30km速くなると見られている。よって、5G以上の横荷重がドライバーの首を襲うことになる。

 あるチームのエンジニア(匿名希望)によれば、昨年はバルセロナの1周のうち全開率は50%だったのに対し、今年のマシンの全開率は70%まで上がるという。

 マネッティ・マレリ(電装部品のサプライヤー)のシミュレーションデータによれば、高速サーキットであるモンツァでも、全開率は2016年の69%から80%まで上昇すると見られている。

パワーユニットの信頼性

 もちろん、コーナーが”少なく”なれば、ミスする機会やオーバーテイクが起きる可能性は少なくなる。しかし、全開率が増えることでマシンやパワーユニットには大きな負担がかかる。

 2016年は5基のパワーユニット使用が許されていたが、2017年はコスト削減策の一環として4基に減らされる。これにより、1基のパワーユニットで丸5レースを戦わなければならないことになり、マニュファクチャラーは二重の意味でパワーユニットに気を配らなければならない。

 一方で燃料の使用制限量が1レースあたり100kgから105kgに増えるため、よりプッシュできるようになり、パワーユニットへの厳しさが増す。今回のレギュレーション改正では空力開発が注目されているが、とはいえパワーユニットの重要性が低くなるというわけではない。ダウンフォースが増えることで空気抵抗の増加に繋がり、幅広になるタイヤも大きな空気抵抗を生むため、2017年パワーユニットにはこの抵抗に負けない出力が求められ、結果的に負荷も増すことになるのだ。

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シリーズ F1
執筆者 Franco Nugnes