【F1検証】2016年のF1マシンは4周で30秒も遅かった!?

2017年のF1は、速さを取り戻すことを目的に規制が変更されるが、10年前のF1マシンはどれほど速かったのだろうか?

 2017年のF1は、マシンを速くするためにレギュレーションが大改正される。2015年と比べて、”1周で5秒速いマシン”を目指し、ダウンフォースが大幅に増やされ、タイヤが幅広になることでグリップが増加する。

 このレギュレーション変更は、V6ターボ&ハイブリッド時代にマシンがあまりにも遅くなりすぎたという”信念”に基づいて導入された。

 スペインGPのデータを遡って見てみると、どれだけ物事が変化しているかが強調され、F1の首脳陣が状況を変えたがっている理由が見えてくる。

 2007年当時の予選は決勝スタート時の燃料を搭載して行っていたが、ポールポジションタイムは1分21秒421だった。一方、2016年のポールポジションタイムは1分22秒000。2007年と比べてもそれほど遅くなってはいない。これはダウンフォースとエンジンパワーの向上によるものだ。

 最大の違いが見られるのは、レースペースだ。レースペースの悪化は、給油が禁止されたことによりレーススタート時の車両重量が大幅に増えたこと、そしてタイヤの性能劣化が激しいことが原因だ。

 2007年から2016年までのスペインGPの最初のスティントのレースペースを比較すると、最も速かったのは2008年、フェラーリのキミ・ライコネンのものだった。

 この年、オープニングラップでセーフティカーが出動したが、レースが再スタートした後、ライコネンは1分23秒035、1分22分934、1分22秒703、1分22秒947というタイムをマークしていった。

 一方で2016年のスペインGPは、メルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが同士討ちしてしまい、レッドブルのダニエル・リカルドがトップに立った。こちらもセーフティカー後のレースリスタートから1分30秒042、1分30秒264、1分30秒506、1分30秒577というラップを刻んだ。

 この2年のラップタイムを見れば、その違いが一目瞭然である。仮に2008年のマシンと2016年のマシン2台を同時にレースさせてみると、4周後には30秒近くの差ができてしまうという計算になる。

GP2とF1のポールポジションタイム比較 スペイン・バルセロナサーキット

 Year

GP2 ポールポジションタイム

F1 ポールポジションタイム

2007

87.713s

81.421s*

2008

87.547s

81.813s*

2009

87.510s

80.527s*

2010

87.727s

79.995s

2011

90.473s

80.981s

2012

90.655s

82.285s

2013

88.706s

80.718s

2014

89.293s

85.232s

2015

89.273

84.681

2016

87.807

82.000

* 決勝スタート時の燃料を補給しての予選

F1スペインGP序盤のラップタイム比較

Year

Lap 2

Lap 3

Lap 4

Lap 5

Lap 2-5 total

2007

83.751

83.561

83.017

83.109

333.438

2008

83.035

82.934

82.703

82.947

331.619

* SC 退場後

2009

84.325

83.898

83.849

83.744

335.816

* SC 退場後

2010

88.430

88.074

87.990

87.608

352.102

2011

90.812

90.606

90.012

90.318

361.748

2012

90.597

90.382

90.011

90.248

361.238

2013

91.123

91.188

90.671

91.064

364.046

2014

92.010

92.104

91.913

92.028

368.055

2015

92.313

91.755

92.027

91.908

368.003

2016

90.042

90.264

90.506

90.577

361.389

* SC 退場後

Additional reporting by Andrew van Leeuwen

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シリーズ F1
記事タイプ 分析