F1無料TV放送、フランスで復活。リバティ「適切なバランスを目指す」
2013年からF1が有料チャンネルの独占放送となっていたフランス。フランスGPが復活する来年から、無料TV放送も復活することになった。

世界的にF1の無料TV放送は減少傾向にあり、2008年の開催を最後に自国でのグランプリが行われていなかったフランスも、過去5年間は有料放送局『Canal+』が独占放映権を取得していた。しかし、ポール・リカールでフランスGPが復活する来年から、無料TV放送が復活することになった。
F1のオーナーとなったリバティ・メディアは、有料チャンネルからの放映権料という収益と、無料放送による世界的な視聴者数の獲得のバランスを改善するために動いていた。
その結果、フランスの民間テレビ局『TF1』との契約に至った。契約期間は2018年からであり、フランスGPとモナコGPを含む4戦の生放送と、それぞれのレースのハイライトが無料で放送される。また、有料放送が無くなるわけではなく、無料放送と”共存”することになるようだ。
こうした無料放送と有料放送の”棲みわけ”の動きは、今年のモナコGPでも行われた。Canal+の無料チャンネル『C8』で、1戦限りだがモナコGPが放送されたのだ。
最近、F1のCEOであるチェース・キャリーは、有料テレビチャンネルからの放映権料を失う可能性があるというリスクよりも、無料放送を行うことにより得られるメリットをF1は重視していると述べた。
「我々は、リーチ数(視聴者数)と収入のトレードオフを評価する際、これまでよりもはるかに詳しく分析を行っている」
「一般的に、時間が経つにつれて有料プラットフォームに惹きつけられるようになるのは真実だと思うが、我々は視聴者へのリーチを維持しようとしていることを明確にしたい」
「言うまでもなく、デジタル技術はある程度のリーチを維持するのに役に立つ。いくらか、無料放送局と適切な契約をすることができるだろう。それは我々にとって明らかに価値があるものだ」
「しかし、我々の目標はビデオ・プラットフォームの人々(TV視聴者)をすべて引き込むことでもあり、リーチ数と収益の適切なバランスを見つけることだ」
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この記事について
シリーズ | F1 |
執筆者 | Jonathan Noble |