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【F1】今季はスタートがさらに困難に? クラッチパドルの規制が強化

2017年、FIAがクラッチパドルに関する規制を強化したため、F1ドライバーは完璧なスタートを決めるのがより困難になるだろう。

Carlos Sainz Jr., Scuderia Toro Rosso STR12, Pascal Wehrlein, Sauber C36

写真:: Circuit de Barcelona-Catalunya

 2015年の後半からレーススタート時のドライバーへのサポートが、著しく制限されるようになった。今年はこの規制がさらに強化された。特にスタート手順に関わる制限は厳格化されたため、今年F1ドライバーたちが綺麗なスタートを決めるのはより困難なチャレンジになるだろう。

 F1競技規則第27条1に記されている『ドライバーは、1人で援助なしに運転しなければならない』という一文を尊重するため、FIAはレーススタート時のエンジニアたちのドライバーへの影響を減らそうと、いくつかの制限を課している。

 一番最初にはまず、無線での事細かな指示やクラッチの”バイトポイントファインダー”の使用が制限された。そして昨年からは、クラッチパドルがひとつのみに制限された。これにより、ドライバーたちは適切なエンジン回転数でクラッチを繋げるのが難しくなったのだ。

 しかし、今シーズンは新たにクラッチコントロールのマッピングやクラッチパドル自体の動きや形状に制限が加わり、抜本的な規制が行われる。

クラッチパドルのマッピング制限

 この冬、FIAは新たに禁止されるドライバーへのサポートを、技術指令書という形でチームに知らせた。

 最大の変更は、ステアリングホイールのパドルがクラッチを制御する方法だ。クラッチパドルが、クラッチの動きを”直接的に”コントロールしなければならなくなった。

 以前はそうする必要がなかったため、エンジニアたちはクラッチパドルの動きのほとんどがクラッチの『スイートスポット』に入るようにパドルの設定をマッピングできた。

 ハースのケビン・マグヌッセンは、次のように説明している。

「それ(クラッチパドル)を動作範囲の10%から80%の間で離すだけでよかった」

「クラッチパドルの動作のある部分でマップがフラットになっていて、グリップやタイヤ、燃料搭載量に適した位置が設定されていた。だから以前は、スタートは100%エンジニア次第だった。でも今は、完全に僕たちドライバー次第だ」

 以前はエンジニアたちが正しくマップを設定し、ドライバーが広く設定されたマップの範囲内でクラッチパドルを離すことができれば、スタートはかなり簡単なモノになっていた。しかし現在、クラッチパドルは直接的な設定をしなければならないため、ドライバーが完璧にクラッチを繋ぐためには、ステアリングホイールのクラッチパドルを正確な位置で離す必要がある。

 適切な位置から1センチずれただけでも、加速がほとんどできなかったり、ホイールスピンが多く発生してしまったりするだろう。

 ザウバーのパスカル・ウェーレインは次のように述べている。

「今は、普通のロードカーのような状況だ。ドライバーとして、完全に自分自身でクラッチのバイトポイントを見つけなければならない」

「以前は、それをエンジニアと話し合っていた。セットアップが正しいか、クラッチが適切にかみ合うかどうかは、もっとエンジニアに依存していた。今はそれを自分の手で行い、それ以外の調整が入る余地はない」

クラッチパドルの寸法制限

Mercedes W07 steering wheel paddles distance
Mercedes W07 steering wheel paddles distance

Photo by: Giorgio Piola

 クラッチパドルのデザインに加えられた制限も、状況をさらに難しくするだろう。

 ドライバーが適切なクラッチパドルの位置を知るのを助けるために、チームがステアリングホイールの裏側にデバイスを設置するという可能性を排除するため、パドルのデザインに制限が設けられた。

 今季からは、クラッチパドルとステアリングホイールの他のデバイスとの間に、50mmの隙間がなければならなくなった。この50mmの隙間の唯一の例外は、ドライバーが触れる位置に装備されていなければならない、マシンの緊急停止システムだ。メルセデスとフォースインディアが、この例外にあたる位置にシステムを搭載していると考えられる。

 さらに、クラッチパドルの動作範囲も、80mmまでに制限されている。この制限がなければ、チームはクラッチパドルの動作範囲を過度に拡大することで、ドライバーが最適なスポットを見つけやすくするようにしていただろう。 

Ferrari SF16-H steering wheel clutch movement
Ferrari SF16-H steering wheel clutch movement

Photo by: Giorgio Piola

スタートの難易度が上がると考えるドライバーたち

 バルセロナでのテストでスタート練習を始めたドライバーは、綺麗なスタートを決めるのはかなり難しいと示唆している。

 ウェーレインは「ドライバーにとって、スタートは非常に難しいモノになるだろう。運が少しあれば良いスタートを決めることもできるが、不運にも非常にマズいスタートをすることもあるだろう」と語った。

 スタートがどれほど難しくなったか問われたマグヌッセンは、次のように答えた。

「とても難しくなった。昨年は難しくなかった。(クラッチパドルを)10%から90%までの範囲でリリースすればよかったから簡単だった」

 

「昨年もひどいスタートはあったかもしれないが、それはエンジニアがクラッチやトルクを適切に設定できていなかったり、グリップを正しく計算できていなかったからだ。間違いなく、昨年もこれまでと同様どれだけ(スタート)ライトに素早く反応できるかが差を生んでいた。それ以外に、ドライバーが左右できることは本当に多くなかったんだ」

「今は、グリップを得るために適切なトルクの量を見極めるのも、できるだけ早くホイールスピンの限界を見つけるのも、僕らドライバー次第だ。だけどそれは非常に難しい」

 マグヌッセンは、完璧なスタートは今や希少になるだろうと示唆し、スタート後はグリッド順と大きな変化が見られるだろうと語った。

「素晴らしいスタートを決めたドライバーは大量にポジションアップするだろうし、失敗したドライバーは多くのポジションを失うのを見ることになると思う。僕は、ドライバー間で差が広がると思うよ」

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