【F1】カナダ決勝詳報:ハミルトン盤石のレースで今季3勝目

F1第7戦カナダGPの決勝が行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンで優勝を飾った。

 6月11日、F1第7戦カナダGPの決勝が行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンで優勝を飾った。

 会場となるジル・ビルヌーブサーキットは、モントリオール3日間の中で最も晴れ晴れとした天候に恵まれたが、強い風の吹く、気温28度、路面温度41度というコンディションだった。

 ザウバーのパスカル・ウェーレインは、予選でのクラッシュでギヤボックスを交換したことで、グリッド降格ペナルティを科された。またマシンを修復する際に別仕様のリヤウイングを搭載したため、ピットスタートを余儀なくされた。

大波乱の1周目、無念のフェルスタッペン

 決勝スタートは大波乱となった。まず5番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と6番手のダニエル・リカルドが好発進を決め、フェルスタッペンが2番手、リカルドが4番手に浮上。一方、フェラーリ勢が揃ってポジションを下げ、セバスチャン・ベッテルが2番手から4番手、キミ・ライコネンが4番手から5番手となった。またベッテルは、1コーナー入り口でフェルスタッペンにオーバーテイクされる際に、フロントの翼端板を轢かれてしまった。

 後方ではロマン・グロージャン(ハース)がカルロス・サインツJr.(トロロッソ)に追突する格好となり、サインツJr.はこの影響でコース外の芝生にはみ出してしまったことでマシンのコントロールを失い、前方で2つポジションを落としていたフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)を巻き込んでクラッシュした。これが原因で1周目からセーフティカーが隊列を先導することとなった。

 さらにマクラーレンのフェルナンド・アロンソは、コントロールを失ったサインツJr.を避けるため、同僚のストフェル・バンドーンに先行を許してしまった。

 波乱の1周目が終了した段階で、隊列は首位ハミルトン、フェルスタッペン、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、ベッテル、リカルド、ライコネン、フォースインディアのセルジオ・ペレスとエステバン・オコン、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、ダニール・クビアト(トロロッソ)、バンドーン、アロンソという格好になった。

 3周目の終わりにセーフティカーが隊列から外れ、レースが再開された。

 ライコネンはコース外にタイヤを落とし、マシンのコントロールを失ったことで、ペレスの先行を許してしまう。その翌周にベッテルがピットイン。ノーズを交換し、スーパーソフトタイヤに履き替えて体制を整えた。これで18番手(最後尾)まで順位を落とすこととなった。

 11周目、スタートで好発進したフェルスタッペンが、無念のリタイアとなった。2コーナー出口でシフトアップしたところ、フェルスタッペンのマシンは異音を上げ、パワーを失った。マシントラブルを感知したフェルスタッペンはスローダウンし、マシンをコースサイドに停車させてリタイアとなった。これによりバーチャルセーフティカーが宣告された。

 この宣告発動に反応するのが一瞬遅れたハースのケビン・マグヌッセンは、バンドーンをオーバーテイクしてしまい、5秒のタイム加算ペナルティを被ることになった。

 14周目にレースが再開。10番手のバンドーンは、マグヌッセン、ランス・ストロール(ウイリアムズ)、ヒュルケンベルグらに立て続けに交わされてポジションを落とした。

 その翌周、リカルドがソフトタイヤに切り替え、コースに復帰。そのままリカルドはアロンソを攻略して4番手に浮上。さらにペレスもアロンソを交わして5番手となった。

 その後、アロンソは「3速と4速をショートシフトしてほしい」というチームオーダーをチーム無線で受けた。アロンソは不信感を露わにし、その理由を尋ねた。

 23周目でボッタスがピットインし、ソフトタイヤに切り替えた。その一方、先頭のハミルトンは好ペースを発揮し、25周目にはファステストラップを記録。2番手のオコンとの差をさらに開いていく。オコンはタイヤをリフレッシュしたボッタスを抑え、2番手を維持していた。

好調のフォースインディア

 32周目でハミルトンとオコンが揃ってピットイン。スーパーソフトタイヤに履き替えたハミルトンは、2番手のボッタスに約9秒ギャップをつけて、コースに復帰した。ハミルトンはその後、盤石なるレースペースを発揮し、レース終盤までボッタスにギャップを縮めることを許さず、ペースをコントロールした。

 新たにスーパーソフトタイヤを履いたオコンはライコネンとベッテルの間の6番手でコースに復帰した。これまでペレスに抑えられていたライコネンは、背後のオコンに1秒以内の差で追い回される状況となった。

 3番手のリカルドから、以下ペレス、ライコネン、オコンは1秒差内で走行し、3番手争いが白熱。特に最もピットインを遅らせたオコンは、ライコネンの前を狙うべくプレッシャーをかけるシーンもあった。

 41周目の終わりに、ライコネンが2回目のピットインを決行。スーパーソフトタイヤに履き替え、7番手でピットアウトした。

 その翌周、ようやくアロンソもピットイン。スーパーソフトタイヤに履き替えて、11番手でコースに復帰した。しかしアロンソのペースは上がらず、ストロールのオーバーテイクを許してしまう。

 50周の終わりで、ベッテルが2回目のピットインを行う。彼はポジションは維持したまま、7番手でコースに復帰した。

 54周の終わりでクビアトがピットインを行うも、タイヤ交換中にトラブルに見舞われた。用意されていたのはスーパーソフトタイヤだったが、左リヤのタイヤが装着できなかったのか、急遽ソフトタイヤが用意された。しかし結局、クビアトはピットアウトすることができず、そのままガレージに入って、リタイアとなった。これにより11番手だったアロンソが再び入賞圏内に入った。

意地のベッテル、4番手まで浮上

 残り9周に入ったところで、ライコネンは最終シケインでミスしたため、ベッテルがライコネンを交わして6番手に浮上。その後、ライコネンのペースは見る見る落ちていき、その差は一気に10秒以上まで開いてしまった。

 その間、ベッテルがファステストを更新し、3番手のリカルドの後ろに連なるフォースインディア勢の背後にぴったりとつけた。

 残り4周のところで、オコンはターン1でオーバーラン。ベッテルに前を譲らざるをえなかった。残り2周で、ペレスの前に出ることができたベッテルはわずか7周で6番手から4番手にポジションを上げた。

 さらに、残り3周というところで、アロンソのマシンにまさかのエンジントラブル。アロンソは無線で「エンジンだ!」と報告し、コース脇にマシンを止めた。ヘッドレストを投げ飛ばしながら降車したアロンソは、自らスタンドに立ち入り、観客に対しファンサービスを行った。

 結局ハミルトンが終始首位を維持し、盤石なるレースペースを発揮して、トップチェッカーを受けた。そのハミルトンから10秒以上差をつけられて、ボッタスが2位。3位はリカルドとなった。

 4位は途中最後尾となったものの、見事なまでのリカバリーで4位までポジションを上げたベッテル、5位以下はペレス、オコン、ライコネン、ヒュルケンベルグ、母国戦で今季初入賞のストロール、アロンソのリタイアにより入賞圏内に滑り込んだグロージャンだった。

 バンドーンは14位で完走を果たし、アロンソも完走の条件を満たしているため16位でフィニッシュした。 

 次戦アゼルバイジャンGPは2週間後の6月23-25日に開催される。

■F1カナダGP決勝リザルト

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 カナダGP
サーキット サーキット・ジル・ビルヌーブ
ドライバー ダニエル リカルド , エステバン オコン , フェルナンド アロンソ , キミ ライコネン , ランス ストロール , ルイス ハミルトン , ニコ ヒュルケンベルグ , セバスチャン ベッテル , セルジオ ペレス , バルテリ ボッタス
記事タイプ レースレポート