【F1】コクピット保護システム「エアロスクリーン案は死んでいない」
2018年からF1に採用される予定のコクピット保護システム。基本的にはハロが採用される見込みだが、エアロスクリーン案も依然残っているという。








レッドブルは昨年、コクピット保護デバイスとして”エアロスクリーン”のコンセプトを推進し、実際にフリー走行でマシンを走らせてみせた。これは、フェラーリが推し進めていたハロに対抗する案だったが、FIAはハロを中心に検討を進めることを決めたため、エアロスクリーン計画は途中でストップしている。
その後、ハロのテストが本格化し、全チームが金曜フリー走行でこのシステムを装着したマシンを実際に走らせている。
多くのドライバーがハロについて支持しているにもかかわらず、2018年シーズンからそれを実採用するのが是か非かは、チームやファンの間で意見が分かれている。
F1の副レースディレクターであるローレン・メキーズは、FIAはハロのプログラムの進捗に満足しているものの、実際に採用されるかどうかは当事者たちの決定に依存していると語る。そして、エアロスクリーンが採用される可能性も否定できないものの、その作業はハロほど進展していないと言う。
「いや、それはまだ死んでいない」
メキーズは先週行われたオートスポーツ・インターナショナルでのトークショーでそう語った。
「技術的には可能だ。しかし、我々がそれを採用しようと思ったら、6カ月か5カ月足りないだろう」
「我々はボスがハロを望むのか、キャノピー(エアロスクリーン)を望むのか、その間の何かを望むのか、または支払うべき代償があったとしてもより美しい外観を望むのか、その最後の決断を待っているところだ」
「現時点ではどの選択肢も可能だ。今、不可能だと言えるものはない」
F1は2018年から、何らかの形でコクピットを保護するための装置を導入することに合意している。しかし、その詳細はまだ確定していない。
その過程について、メキーズは次のように付け加えている。
「現在は哲学的な話題になっている。エンジニアリング面での作業については、すでに完了している。誰かが、それがF1にとって正しいことなのかどうかを決める必要があるのだ」
「安全を確保するのは大切なことだ。しかし我々は、F1はクローズドボディではないと思っている。だから、それはF1にとって正しいのだろうか? この質問に誰かが答えなければならない」
「我々はこの側面を見なければならない。なぜなら、それがこのスポーツそのものだからだ。そしてそれが今、大きく議論されていることだ」
Additional reporting by Benjamin Vinel
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シリーズ | F1 |
執筆者 | Jonathan Noble |