




昨年までザウバーからF1に参戦していたフェリペ・ナッセは、ブラジルはF1の歴史の一部であり、F1からブラジル人がいなくなることは許されないだろうと語った。
ブラジルは、エマーソン・フィッティパルディ、ネルソン・ピケ、そしてアイルトン・セナといったチャンピオンを輩出しており、F1の中でも非常に重要な国と言える。
しかしセナ以来ブラジル人のチャンピオンは誕生しておらず、また2009年のイタリアGPでルーベンス・バリチェロ(当時ブラウンGP)が勝利して以来、ブラジル人ドライバーはレースで勝利を挙げることができていない。
表彰台に関しては、フェリペ・マッサ(ウイリアムズ)が2015年のイタリアGPで3位を獲得したのが最後である。そのマッサは昨年引退を表明していたため、今年は1969年以来F1にブラジル人のいないシーズンとなるところであった。しかし昨年のチャンピオンであるニコ・ロズベルグ(当時メルセデス)が突然引退を表明し、それに伴いバルテリ・ボッタスがウイリアムズからメルセデスに移籍したため、マッサは引退を撤回して今年もF1に参戦を続けている。
昨年限りでF1のシートを失ったブラジル人のナッセは、F1からブラジル人ドライバーがいなくなることは、ブラジルが許さないだろうと話した。
「もちろん、今年の状況は不安だ」とナッセは言う。
「ブラジルはF1の歴史の一部だし、もっと若い世代のことを考えても不安だ。僕たちは、この受け継がれた"遺産"を消してしまってはならない」
「ブラジルは、そうなってしまう可能性に気がついていると思う。僕たちは新しいドライバーが芽を出そうとしているのを見つけることをやめてはいけない」
現在F2では、セルジオ・セッテ・カマラ(MPモータースポーツ)が唯一のブラジル人ドライバーとして参戦している。またエマーソン・フィッティパルディの孫であるピエトロ・フィッティパルディがフォーミュラV8 3.5に出場している。
ナッセ自身、2018年にF1に復帰することを熱望しており、それに向けて取り組んでいたという。
彼は、「僕のマネージャーはそれに関してうまくやっていた」と話した。
「彼は複数のチームと話し合いをしていた」
「そして今は時間の問題だ。それの最後には多くの商業的な重要性があるし、それらのことも考えあわせなければいけない」
ナッセは、今年もF1に乗っていた時と同様にトレーニングを行なっているといい、シーズン途中からでもレースに出る準備ができていると語った。
「明日からでもF1に乗れる準備ができている」
「以前から計画していたように、3kg近くも無駄のない筋肉をつけた」
ナッセはフォーミュラE、インディカー、WEC(世界耐久選手権)への参戦や、さらにはデイトナ24時間にも再度参戦したいと考えているが、ザウバーに在籍した2年間の間に、自分が何をできるのかを十分に示せたと考えている。
昨年ナッセはブラジルGPで9位入賞を果たし、そのおかげでザウバーはマノーを上回り、コンストラクターズランキング10位を獲得した。
「あのポイントがどれだけ価値のあるものだったか、そしてあのポイントのためにどれだけの仕事をしたのか、自分でも分かっている」
「その数字を見て、僕はF1で素晴らしい2年を過ごしたと思っている」
「僕がザウバーにいた時、ザウバーは厳しい状況に直面していた。それはドライバーにとっても、自分の実力を示すことが簡単ではないものだった。でも、そこで手に入るチャンスはすべて掴んできた」
Additional reporting by Khodr Rawi
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