【F1】バーレーンGPから”学ぶ”5つのこと

motorsport.comのグローバル編集長であるチャールズ・ブラッドレーが、バーレーンGPから5つのことを学ぶ

1: フェラーリは”勝利を手繰り寄せる力”を取り戻した

Podium: winner Sebastian Vettel, Ferrari
Photo by: LAT Images

 彼らは、もう一度やり遂げることに成功した。オーストラリアGPのように大胆な戦略的ギャンブルに賭けることで、勝利を手にしたのだ。

 早い段階でのピットストップは、議論を呼ぶかもしれない。しかし、ベッテルはそこから急激に追い上げ、彼にとっては好ましくないタイミングでセーフティカーが出動したにもかかわらず、トップに躍り出ることに成功した。最強のメルセデスに対して勇敢に戦いを挑み、すでに2回も勝利を収めて見せた。この戦略に関係した全てのスタッフが、賞賛に価する。彼らは今、F1の”流れ”を生み出している。

 チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネは次のように語る。

「このチームが、勇気と、決意と、少しの”狂気”を実証したことは、素晴らしいことだ。リスクを採る中でね。私が申し上げたこの3つの特質は、創業者が創り上げたように、70年以上にわたるフェラーリのDNAの中に含まれている。だから、私は満足している」

 フェラーリはここまで、ドライバーズランキングとコンストラクターズランキングで、共に首位に位置している。そして戦いの舞台は、2週間後のロシアに移る。ここまで3戦、今季の”最強マシン”は、未だに分からない。

2: プレッシャーを受け、亀裂の兆しを見せるメルセデス

Valtteri Bottas, Mercedes AMG F1 W08, locks up as he leads Sebastian Vettel, Ferrari SF70H
Photo by: LAT Images

 メルセデスはフロントロウを独占したにもかかわらず、結局2位と3位に終わった。彼らは間違いなく最も”速い”クルマを持っているにもかかわらず、なぜ勝利を逃すことになったのだろうか? 悪魔は日曜日の夜、サーキットに確かにいた。

 まず、自身初のポールポジションからのスタートとなったバルテリ・ボッタスには、発電機のトラブルが襲った。この発電機はタイヤウォーマー用のモノであり、タイヤの内圧をうまく設定することができなかった。この内圧はレース序盤にボッタスを苦しめ、チームはベッテルの大胆な”アンダーカット”にすぐ反応することができなかった。

 セーフティカーが出動した際、メルセデスは2台同時にピットインせざるをえなかった。しかしニキ・ラウダによれば、ホイールを交換するエアガンの空気圧にも問題があり、これが彼らのピットストップに影響を及ぼしたという。

 またこれと同時に、ルイス・ハミルトンはロスタイムを少しでも減らそうと、ピットレーンを極端に遅く走り、レッドブルのダニエル・リカルドの走行を妨害してしまった。これによりハミルトンは、5秒のタイムペナルティを受けることになった。

 これらの全てのことが、ベッテルの勝利に有利に働いた。ボッタスはレースでは全面的に苦労し、そしてハミルトンはペナルティを克服するために攻めに攻めた……しかし、ボッタスがチームオーダーに従い進路を譲ったものの、ハミルトンがベッテルに届くことはなかった。

 彼らは全ての面で、改善する必要がある。

3: アロンソの、ホンダに対する”無線”騒動

Esteban Ocon, Force India VJM10, leads Marcus Ericsson, Sauber C36, ahead of a battling Fernando Alonso, McLaren MCL32, and Jolyon Palmer, Renault Sport F1 Team RS17

Photo by: LAT Images

「僕の人生で、こんなに少ないパワーで戦ったことはない!」

 マクラーレンのフェルナンド・アロンソはレース中、無線でそう訴えた。

 アロンソのホンダに対する忍耐の時期は、インディ500参戦計画が動き出したことで、再び延びたように見えた。しかし、それではすぐに十分とは言えないかもしれない。彼はバーレーンで満足することができず、チェッカーフラッグを受けることもできなかった。チームメイトとは違い、スタートを切ることはできたが……。

 アロンソはこの後、アメリカのバーバー・モータースポーツパークに飛び、インディカーシリーズがいかなるモノなのか、確認することになる。そこで彼は、素晴らしいドライバーとチームスタッフと共に、ホンダも素晴らしい仕事をしていることを見ることになるだろう。

 しかし、彼がバーバーで多くのことを学んだとしても、テストを経験することなく、アメリカ最大のレースに挑むことになる。とはいえ以前、彼はインディアナポリスのロードコースを経験したことがある。最高成績は2位であった(2007年アメリカGP。当時もマクラーレンに在籍していたアロンソは、チームメイトのルイス・ハミルトンの後塵を拝している)。

4: ルーキーに”見切り”をつけるのは、まだ早すぎる

Sebastian Vettel, Ferrari SF70H, passes Lance Stroll, Williams FW40, as he climbs out of his damaged car
Photo by: LAT Images

 ルーキーのランス・ストロール(ウイリアムズ)は、コース上にマシンを止めた。これで彼に対する批判が噴出するかもしれないが、今回の件、そして前戦中国GPのストップは、明らかに彼のせいではない。

 中国での事故はフォースインディアのセルジオ・ペレスに追突されて引き起こされたが、ペレスにペナルティが科されることはなかった。しかし今回はカルロス・サインツJr.(トロロッソ)の非は明らかであり、スチュワードから次戦3グリッド降格というペナルティが下された。

「僕はビデオを見たけど、馬鹿げているよ!」

 ストロールはサインツJr.をそう罵った。

「彼はすごく後ろにいたのに、僕がコーナーの中間部分を走っていた時、イン側に飛び込んできた。そして、僕にぶつかってきたんだ」

 にもかかわらず、著名な一部のメディアでさえ、リプレイを見る前にストロールを批判するツイートを発信するなどした。悪いイメージばかりが先行しているが、まだ彼を見限るべきではない。

5: ウェーレインの見事なカムバック

Pascal Wehrlein, Sauber C36-Ferrari
Photo by: LAT Images

 1月のレース・オブ・チャンピオンズでクラッシュし、背中を負傷したパスカル・ウェーレイン(ザウバー)。彼は、開幕2レースを欠場することとなった。この件は様々な憶測を呼び、ちょっとした騒動になった。

 しかしウェーレインはこれをパフォーマンスで一蹴して見せた。予選ではザウバーに今季最高のグリッドをもたらし、決勝でも入賞まであと1歩と迫る11位で完走を果たしてみせた。

「こうしてカムバックすることができて、僕はとても嬉しい。僕はそんなに衰えていない」

 そう彼は語った。

「僕は5週間動くことができなかった。僕はアクシデントから、回復している途中だったんだ」

「それは負傷した後には必要な時間だったと思うし、僕はそこから復帰を果たした。そして、パフォーマンス面でもカムバックを示すことができたと思う。うん、僕は確かにやったよ!」

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 バーレーンGP
サーキット バーレーン・インターナショナル・サーキット
記事タイプ 分析