【F1】ピレリ、ドライバーとの議論を行うも「あらゆる可能性がある」
ピレリは、ドライバーとの議論から有益なフィードバックを得たといい、様々な観点からそれらを考慮すると話した。













ピレリのF1レーシングマネージャーを務めるマリオ・イゾラは、アビダビGPでドライバーズブリーフィングに参加し、前戦ブラジルGPについて、ドライバーからウエットタイヤのデザインについて長々と説明を受け、議論した。
イゾラはGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会長のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)を含めたドライバーらと長時間に渡って議論し、ドライバーがウエットタイヤに対して望んでいることへの理解を深め、ウエットコンディション用にタイヤを作るという挑戦を明確にした。
ドライバーはピレリに何を求めたのかと尋ねられたイゾラは、次のように答えた。
「彼らの様々な観点から、非常に興味深い議論をした。タイヤ製造に関する我々の方向性を理解するために、多くの有益なフィードバックを得た」
「ターゲットを決める必要がある」
イゾラは、インターミディエイトタイヤとフルウエットタイヤを目標とする新しい方向性が必要かどうかをより理解するために、ブリーフィングに出席し、ドライバーの要求を考慮すると説明した。
また彼は、モンスーン気候に合わせてフルウエットタイヤを作ると、サーキットの雨量が減った時にドライバーが適切なタイヤを使用することができなくなるため、それは単純なことではないと話した。
「フルウエットコンディションで機能するタイヤや、ほとんど乾いているコース上で機能するタイヤというものは作ることができない。我々は、ある決定を下す必要がある」
「もっとウエットコンディション用のタイヤが必要か? 今のままで大丈夫なのか、それとも彼らはインターミディエイトにしたいのか? ターゲットは何か? 一度我々がターゲットを定めれば、彼らは彼ら自身が望む方向性でタイヤを改善することが可能になる。だから、我々はそのターゲットを決める必要がある」
「雨量が非常に多いコンディションにより適したタイヤのためにも、我々は進歩することができる。しかしまた、我々はすべての影響を見極めなければならない。彼らは早々にインターミディエイトに履き替えることを望んでいるのか?」
「あらゆる決定を、異なる観点から考慮する必要がある。私にとって、これは議論すべき点だ。一度我々が賛成すれば、みんなが同じ方向に進むことができる」
ピレリにとってひとつの可能性となるのは、シルバーストンとモナコの雨では要求されるものが異なるため、様々な状況により適したウエットタイヤを作るという余地を与えることだという。
「我々の分析から考慮したあるひとつの考えとしては、路面が粗くエンジン出力の高いシルバーストンや鈴鹿といったサーキットに合うウエットタイヤとインターミディエイトタイヤを作り、もう一方で、気温が低く路面がスムーズなモナコやブラジルに合わせたものを作る、というものだ」
「2種類のフルウエットタイヤの開発を考える必要はあるだろうか? ひとつのレースで両方を用いるのではなく、こちらが指名するのだ。モナコではこれを使い、シルバーストンではあれを使え、というようにね。これもまた可能性のひとつだ」
サインツ「FIAやピレリを手伝いたい」
トロロッソのカルロス・サインツJr.は、彼の優先事項はアクアプレーニングの影響を受けないタイヤを使用することであり、イゾラと議論をすることができてよかったと話した。
「怒っている人も、過度に批判をした人もいなかった」とサインツは話した。
「僕たちはみんな、FIAが正しい決定をするために手助けをしようとしていると思う。ピレリがより良いタイヤを作ることを手伝おうとしている」
「来年に向けて、レースを改善するために僕たちドライバーのフィードバックを伝えて、フルウエットコンディションでのタイヤのフィーリングについて考えている」
「今はアクアプレーニングが大きな不安だ。大きなアクシデントにつながる可能性もある」
「視界については、ドライバーがどれほどレースをしたいかということ次第だ。でもストレートの途中でストップし、他の20台のマシンが300km/hで通過していくようなマシンに乗ったら、本当に危険な状況を作り出してしまう」
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この記事について
シリーズ | F1 |
執筆者 | Jonathan Noble |