【F1】ホンダ「単気筒では素晴らしい進歩を遂げていたが……」
ホンダの長谷川祐介は、今季のパワーユニットは単気筒では優れていたものの、V6に構成した際に問題が発生したとを明かした。










ホンダのF1プロジェクト総責任者である長谷川祐介は、今季用のパワーユニットについて、2016年のメルセデス製パワーユニットに匹敵するパフォーマンスを発揮できると語っていた。しかし、オフシーズンテストではトラブルが頻発。マクラーレンとの間の緊張感が高まっている。
FIAがパワーユニットの開発トークンシステムを廃止したことにより、ホンダはパワーユニットのパッケージを一新。これまでより10kg以上軽く、1cm低く、そしてメルセデスに近いレイアウトを採用した。
開幕戦オーストラリアGPでは、ホンダのパワーユニットにトラブルが発生することはなかった。しかし長谷川は、エンジンがパワーダウンしていることを認めた。
「事実、我々はあまりにも簡単なことだと考えていました。そして、新技術を達成するのは難しかったのです。それは、私の間違いでした」
長谷川はそうmotorsport.comに対して語った。
「我々のエンジンは、単独のシリンダーだけ見れば、テストベンチ上で素晴らしい進歩を遂げました。しかし、それがV6になると、すぐに多くの問題が発生しました」
「単独のシリンダーで達成したことは、非常に優れたレベルでした。しかし、同じ仕様でV6エンジンを構成すると、全く機能しませんでした。我々は非常に失望しています。しかし、気付くのが遅すぎました。それはクリスマスだったのです」
「私たちが問題を理解した時は、最終仕様を決定しなければならない時間でした。我々は妥協を必要としたのです」
その後ホンダは、パワーユニットをマクラーレンMCL32に搭載し、走らせた。すると、不安定性と振動に関する問題が発生した。
「大きなバイブレーションがありました」
長谷川はそう振動の問題について語る。そして、現在のパワーユニットの出力については、2016年と”ほぼ同じパワー”であるとしている。
「私が言うことができるのは、テストベンチ上では大きな問題がなかったということです。しかしギヤボックス、ドライブシャフト、タイヤが組み合わさると、共振が発生するんです」
「私たちがシャシーを責めることはありませんし、我々はテストベンチの状況を理解しなければなりません」
アップグレードプラン
ホンダは現在、アップグレード版のパッケージを手がけている。そして長谷川は、5月のスペインGPで、この改修したパワーユニットを投入したいと考えている。
「解決策を見つけ、我々は第5戦か第6戦にパワーユニットを交換する必要があります。その前、あるいはその時までに、私は我々のパワーユニットの仕様をアップデートしたい」
「単気筒では、すでに優れた性能を達成できています。我々がすべきことは、その技術をV6に移行することです」
「それでも、我々はまだ改善しなければなりません。しかし私は、そのレベルを達成することができると確信しています」
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この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | マクラーレン |
執筆者 | Ben Anderson |