【F1】ホンダF1元副社長のサフナウアー、ホンダの浮上を確信
ホンダ苦戦の最大の要因は、現在のF1における経験が不足しているからだと、かつてホンダF1の副社長を務めたオットマー・サフナウアーは語る。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1復帰後3年目のシーズンを迎えているホンダは、今季もパフォーマンスと信頼性の欠如に苦しんでいる。これに業を煮やしたマクラーレンからは不満の声が相次ぎ、両者の関係は早期に解消されるのではないかとの噂も根強い。しかし、かつてホンダF1チームを運営するHRD(ホンダ・レーシング・デベロップメント)の副社長を務めた現フォースインディアCOOのオットマー・サフナウアーは、ホンダを切り捨てるのはまだ早すぎると考えている。
サウナウアーはかつて、ホンダの一員として働いてきた自身の経験を語った。彼曰く、初期の数年は何が必要なのかを正確に理解し、上位に追いつくために費やされたという。
「私が見たのは、ホンダの第3期のスタッフとして働いていた中の数人は第2期でも働いており、F1で何が必要なのか、その豊富な知識を持っていたということだ」
サフナウアーはそう語った。
「彼らは非常に高いレベルで、戦うためのプログラムをまとめることができた」
「私は覚えている。(アイルトン)セナや(アラン)プロストのレースエンジニアだった木内健雄が入ってきた時、我々は最も強力で、最も軽量なV10エンジンを手にした」
「彼は何をする必要があるかを知っていて、実際にそれをやった。最終的には968bhpで、88kgのエンジンを手にしたんだ。それはBMWのエンジンより少し軽く、そして少し強力だったんだ。彼らは、そういうことをした」
「今、彼らに欠けているのは、その経験だ。(現在F1プロジェクトの総責任者を務めている)長谷川祐介も当時そこにいたが、彼はコントロールエンジニアだった。彼らがプロジェクトに取り組むF1エンジニアとしての、豊富な経験を持っているかどうか、私には分からない」
「当時、彼らはそれを投入したし、何をすべきかを理解していた。もし最初からその経験を持っていなければ、それを得るには非常に時間がかかる」
「しかし、彼らはその経験を得るための道を歩んでいる。それを耐え、より良いモノにするのではなく、マクラーレンが袂を分かつことを選んだら、彼らにとっては恥ずべきことだろう」
開発拠点が日本でも問題はない
ホンダの苦悩の原因として挙げられているうちのひとつは、ホンダの開発拠点が日本にあり、それがマクラーレンとのコミュニケーションを困難にしているということだ。しかしサフナウアーは、それは問題ではないと確信している。成功のためにはどんな努力が必要か、ホンダのスタッフは理解しているため、ファクトリーの場所は大きな問題ではないと言うのだ。
「以前は問題はなかった」
そうサフナウアーは言う。
「エンジンの組み立ては、イギリスで行っていた。しかし、全てのデザインや開発、そして製造は日本で行っていたが、その影響はなかった」
「その仕事と、それがいかに難しいかを理解する必要がある。そしてもうひとつは、彼らが遅れて(F1の活動を)スタートしたということだ」
「他の全てのメーカーは、新しいレギュレーションについて話をし始めた時、まず最初にターボチャージャー付きのV6を理解するためのプログラムとして、単気筒のエンジンを動かし始めた。だから、彼らに追いつくのは難しく、ひと晩で達成できるようなモノではない」
「ホンダには時間を与えなければならない。しかし、彼らは確実にやり遂げるだろう。彼らは多くのリソースを持つ、頭の良いエンジニアたちだ。彼らは確実にそれを達成する。彼らには、ただ経験が必要なんだ。そして、それは今起こっている。彼らは日々、経験を身につけているんだ」
マクラーレンがメルセデスに乗り換えるのを願う!?
マクラーレンがフォースインディアと同じメルセデスエンジンに切り替える可能性について問われたサフナウアーは、それが現実のものとなった際には、マクラーレンが後悔する時が訪れるだろうと考えている。
「私は最近誰かに言ったんだ。恐らくホンダは、2年で非常に能力を高め、うまくやり遂げるだろうと。だからマクラーレンが、メルセデスにスイッチしてくれたらと願うね!」
「物事を急いで判断したり、ワンパターンな行動を取るべきではない。ホンダが正しい方向に踏み出す、その先端にいる可能性もあるんだ」
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