【F1】マクラーレン「テストのプログラムに妥協を強いられている」
ホンダ製パワーユニットの信頼性不足により、全開走行が出来ていないマクラーレン。この影響で、テストの計画にも妥協を強いられているという。









フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンは1回目のバルセロナテストで、ニューマシンMCL32の扱いに手こずっているように見えるシーンがコースサイドから散見された。しかしチームは、マシンが期待した通りのモノをもたらしていると、コメントを発している。つまり、コース上での挙動とチームのコメントの間に大きな隔たりがあったのだ。
これについて問われたマクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエは、ホンダの新しいパワーユニットの特性が、大きな影響を与えていると語った。
「不思議なことに、マシンはドライバーたちが求めた変更にうまく反応する。その点、ドライバーたちはとても満足している」
そうブーリエは語る。
「私はいくつかのコメント(様々なメディアがターン1〜3のマシンの挙動について、疑問を唱えていた)を読んだが、それはトランプ(大統領)の”フェイクニュース”のようなものだ。なぜなら、それはシャシーだけの問題ではないからだ」
「このエンジンはハイブリッドエンジンだ。スロットルをとても早く踏み込めば、電気パワーもオン/オフされるタイミングが変わるということを意味する。そして、ターボもついている。つまり、ドライビングスタイルによって、いくらかの問題が発生する可能性がある」
「我々にはドライバビリティの問題があった。再びパワーをかけた時、マシンのリヤが流れるという、少しナーバスな感じがあったということだ。しかしそれほど問題ではない」
「ドライバビリティの問題は、古いタイヤだったということ、そしてタイヤが十分に暖まっていなかったということが原因だ。まだクルマは、発表会仕様のものだ。幾つかのことを試してみるつもりだが、フルスペックのマシンはオーストラリアまで登場しない予定だ」
テストのプログラムは妥協
ブーリエは、シャシーの初期のインプレッションに大きく励まされていたという。しかし信頼性の問題から、パワーユニットをフル回転させることができず、さらに走行距離も不足していることを認めた。そして、正確な測定もできていないという。
「十分に速く走らなければ、タイヤに必要な力をかけることができないし、ブレーキにも適切な力をかけることができない。車高の設定も異なってくる」
そうブーリエは語った。
「ストレートで15km/h〜18km/hも遅く走ると、色々な影響が出てくる。しかし我々は、クルマを走らせるだけで収集することができるデータを、最大限に活用している」
「シミュレーションやウォーキングでの開発の相関関係を確認するのに役立つ。それによって我々は、クルマの設計と開発のプロセスを維持していくことができる。さらには、将来の予測もすることができる」
「しかし、他のチームと同じようなスピードで走ることができれば、もっと簡単になるだろう」
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この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | マクラーレン |
執筆者 | Jonathan Noble |