【F1】マクラーレン・ホンダはどれほどの危機に瀕しているのか:後編

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【F1】マクラーレン・ホンダはどれほどの危機に瀕しているのか:後編
Jonathan Noble
執筆: Jonathan Noble
2017/03/18 11:22

プレシーズンテストでPUの信頼性と性能不足に苦しんだマクラーレン・ホンダ。マクラーレンとホンダの関係に待ち受ける危機とは?

Fernando Alonso, McLaren MCL32
Fernando Alonso, McLaren MCL32
Fernando Alonso, McLaren MCL32
Fernando Alonso, McLaren MCL32
The McLaren MCL32 of Fernando Alonso is recovered back to the pits
The McLaren MCL32 of Fernando Alonso is recovered back to the pits
Fernando Alonso, McLaren MCL32
Fernando Alonso, McLaren MCL32
Stoffel Vandoorne, McLaren MCL32
McLaren MCL32 nosecone
Fernando Alonso, McLaren MCL32
Fernando Alonso, McLaren MCL32
Fernando Alonso, McLaren MCL32

 シーズンオフのテストを終えた今、ドライバーをはじめとした関係者からホンダのパワーユニットに対する批判が集中している。もはやマクラーレン側は、パワーユニットの供給を受ける可能性について、メルセデスに問い合わせをしたという話も聞こえてくる始末だ。

 ホンダはマクラーレン1チームにしかパワーユニットを供給していないとはいえ、メルセデスとフォースインディア、ウイリアムズ合計で12,479kmを走破しているメルセデス製パワーユニットと比べて、10,000km以上も走行距離で差をつけられている。その上問題なのが、6レース分に相当する距離を走るのに、出力を制限されたパワーユニット5基を要した信頼性の低さである。

 プレシーズンテストで厳しい現実に直面したマクラーレン・ホンダ。両者の関係はどうなっていくのだろうか?

マクラーレン・ホンダが直面した危機。次に何が起こる?

 フェルナンド・アロンソは、現時点での優先事項は信頼性だと明言している。ホンダは開幕戦オーストラリアGP前までに問題を解決することができるという姿勢を維持しているが、それを達成することは容易なことではないだろう。

 そして今年は、ドライバーが使えるパワーユニットが4基に制限されているため、シーズン序盤でパワーユニットに故障が起きることは許されない。シーズン序盤でパワーユニットを”消費”してしまえば、パワーユニットの年間使用制限を超えグリッドペナルティーを受ける可能性が高まってしまう。

 例えばもし、マクラーレンがテストの時のように1レースで2基のパワーユニットを消費してしまうことになれば、バーレーンで行われる第3戦からペナルティーを受ける可能性すら出てきてしまう。

 しかし、グリッドペナルティーはマクラーレンにとって小さな問題のひとつに過ぎないかもしれない。事態が改善しなければ、アロンソはチームでの将来に疑問を抱くだろう。

人々が悲観的になると、僕は逆に楽観的になるんだ。人々が興奮しすぎると、逆に僕は心配になる」と、アロンソは語り、マシンに競争力がなければそれまで以上にやる気が出ると主張していたが、彼が予選で後方に沈み、レースもフィニッシュできないという状況にあっては、チームに留まるとは思えない。

もし全てのことが間違った方向に進むのなら、来年はアタックすることになる。それは、僕に勝つこと、そして続けるための多くのモチベーションをもたらす。なぜなら、良い感覚や良い結果が出ないまま、僕はレースをやめないからだ」とアロンソは語っており、2018年もF1に留まるという意志を示した。これはビッグチームのいずれかに、『自分を獲得してくれ』という明確なサインを示したのだとも捉えられている。

 マクラーレンが悲惨な2017年シーズンを過ごした場合、チームにとっての危機はアロンソを失うことだけではない。マクラーレンはスタッフを流出するリスクを抱え、コンストラクターズチャンピオンシップの賞金が下がり、新しいスポンサーとの契約にも影響を与える。

 負のスパイラルを抜け出すのは、困難になっていくだろう。

マクラーレンとホンダの関係の行方

 ホンダは、彼らのコンサルタントを務めていたジル・シモンや、時にはマクラーレンからのアドバイスにすら耳を傾けたがらず、外部からの援助を受け入れたがらなかった。そのため、関係者のフラストレーションが溜まっていった。

 こういった古い『精神性』を捨て去るだけで、彼らが直面している困難な現実に対して、何らかの希望が生まれるかもしれない。必要なのは新しいアプローチであり、新しいコミュニケーションであり、新しい技術や新鮮なアイデアである。そして、よりオープンに変わろうという意志が必要なのだ。

 しかしアロンソは、マクラーレンがホンダと長期的にパートナーシップを続けていくことがチームにとって最善の道であるかどうか、熟考してみることが必要だと考えているかもしれない。

 マクラーレンとホンダは長期契約を結んでおり、ホンダはマクラーレンに多額の資金を投入していることから、直ちに契約が打ち切られ両者の関係が終了することはないだろう。

 しかしマクラーレンは、どれだけホンダのことを待てるだろうか? もしマクラーレンの忍耐がもたず、両者の関係が解消された場合でも、マクラーレンには”希望”がある。レギュレーションにより、マクラーレンはホンダより競争力があると思われるパワーユニットを得ることができるのだ。

 昨年、パワーユニットのマニュファクチャラーたちは、全チームにパワーユニットを供給するという合意に達している。つまり、もしマクラーレンがホンダとの関係を解消してもメルセデス、フェラーリ、ルノーのいずれかのパワーユニットの供給を受けることができる。

 ホンダ以外の3メーカーはそれぞれ3チームずつにパワーユニットを供給しており、ホンダを手離したマクラーレンがどのパワーユニットを得ることができるのかは、『くじ引き』で決められることになる可能性もあるようだ。

 あるマニュファクチャラーは、冗談交じりにくじ引きの模様をTVで生中継すればいいと示唆したという。

 このような”イベント”が起きる可能性はまだ低い。今は、マクラーレンの拠点があるウォーキングとホンダの研究拠点であるさくら研究所の間で激しいやり取りが行なわれていることだろう。

 2014年、レッドブルとルノーが同じような問題を抱えていたことは、記憶に新しい。だが彼らは、その年の後半にはレースに勝つために共に戦っていた。マクラーレンとホンダが、彼らの再現をする可能性はゼロではないが、ホンダがF1に復帰して以来同じような状況が続いているため、”何か”を変更する必要があるのは明らかだ。

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シリーズ F1
ドライバー フェルナンド アロンソ 発売中 , ストフェル バンドーン
チーム マクラーレン 発売中
執筆者 Jonathan Noble
記事タイプ 分析