【F1】マルチェロ、F1を断念「1年で10億必要なんて馬鹿げてる」
フェラーリの育成ドライバーだったラファエレ・マルチェロは、多額の資金が求められる現在のF1に苦言を呈している。







イタリア人のラファエレ・マルチェロは、2013年にヨーロッパF3でタイトルを獲得し、翌年はGP2に参戦した。参戦初年度はランキング8位、2年目は7位という成績でシーズンを終えたが、彼はその後フェラーリの育成プログラムから外れた。
今年はGP2で3年目のシーズンを過ごし、ランキング4位でシーズンを終えた。しかしマルチェロは、今やF1へのチャンスは存在しないと認めている。
将来的にF1のグリッドへたどり着くチャンスについて尋ねると、彼はこう答えた。
「ゼロだ。10億円以上も資金が必要だが、僕にはそんなお金はない。だからF1へのチャンスはない。F1ではいつもお金が必要だ」
「現実的になる必要がある。馬鹿げた夢を抱いてはいけない。F1に行くにはお金が必要なんだ。もしお金がなければ、F1にはたどり着けない。自分ができないことを考える機会も重要だ」
「(キャリアを通して)うまくやってこれたと思っている。F3ではタイトルを取った。そのF3で僕が打ち負かしたたくさんのドライバーが今はF1にいる。だから彼らがそうできるなら、僕にもそれだけの資格はあると思う」
「でも僕は、彼らとは違うキャリアを進むことになる。それが僕にとって素晴らしいものになると信じている」
2011年以来、F1ではイタリア人ドライバーの参戦はないが、マルチェロは、イタリアの企業がドライバーのサポートを渋っているせいで、このような状況になっていると考えている。
「僕たちは母国からサポートを受けてきたが、他の国ほどではない。イタリアの企業は、他の国の企業ほど僕たちをサポートをしてくれない。例えば、ブラジル銀行がフェリペ(ナッセ/ザウバー)を支援しているようにね」
「おそらく、大きな企業はもう少し僕たちをサポートするべきだ。そうでないと僕たちは、永遠にお金を手にすることができない。僕たちは1年レースをするにもお金が必要だけど、僕らがレースのためにお金を払う必要がないと彼らがわかってくれれば、僕たちにとって良いことだ」
「僕にとっては、1シーズンで10億なんてばかばかしい。もし僕が10億円持っていたらF1のために払うのではなく、自分のためにとっておいて今後の休暇に使うよ」
「こういった流れは悪いところがいくつもあるし、本当に残念なことだ」
またマルチェロは、GP2でレースを続けるのも”現実的ではない”と話した。
「たぶん、これ以上GP2にいることはないと思う。もう1年GP2で過ごしてもどうしようもない」
「来年タイトルを取れたとしても、F1のために10億円必要だというのは変わらない」
「もしGTカーでレースをする機会があるなら、それを考えようと思う。どうなるか見てみよう」
「クリスマスまでには、来年何ができるのかを知りたい。だからしっかりと来年のことに集中して動き始める。今後どうするのかは、90%わかっている」
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この記事について
シリーズ | F1 |
ドライバー | Raffaele Marciello |
執筆者 | Valentin Khorounzhiy |