【F1】メルセデス、イギリスGP”制圧”にも油断せず「慢心はしたくない」
メルセデスはイギリスGPを支配したが、自分たちが最速のマシンだと考えるのは、次戦ハンガリーGPまでお預けだと語った。










第10戦イギリスGPでは、メルセデスのルイス・ハミルトンが別格の走りを見せ優勝。チームメイトのバルテリ・ボッタスは9番グリッドから2位フィニッシュと、ギヤボックスペナルティを跳ね返す奮闘だった。
メルセデスは直近の4レースで3勝を挙げている。優勝を逃したアゼルバイジャンGPの敗因は、先頭を走っていたハミルトンのヘッドレストの固定が緩んだことで余計なピットインを強いられたためだったことを考えると、メルセデスはシーズン序盤にそのトリッキーさに悩まされたマシン、W08の本当のポテンシャルを今や解放できているように思える。
しかしメルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、次戦のハンガリーGPを終えるまでは、メルセデスがライバルのフェラーリに対して優位に立っているかどうか、結論を出したくないと語った。
motorsport.comがウルフに、今やメルセデスが最速のマシンだと考えているかと問うと、彼は次のように答えた。
「そう思いたい。だけどそう断言して次のレースに向かい、”顔を平手打ち”されたような感じを受けることもある」
「我々のマシンはトリッキーで、セットアップが常にやりやすいというものではない。それに、そういう姿勢で取り組むことで、我々は大きく前進してきた。タイヤとのコンビネーションという点で、チームは多くの努力をしてきたんだ」
「しかし、私は低速コースのブダペストでどうなるか見てみたい。路面は高温になると予想されるが、そこでマシンがどのように機能するかを見たいんだ。そうすれば、もっと全体像がわかってくるだろう」
イギリスGPでポイントリーダーのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がタイヤトラブルに見舞われ7位でフィニッシュしたことで、ポイントランキング2位のハミルトンは1ポイント差まで迫った。
そのハミルトンもウルフ同様に油断はしておらず、両チーム間のパフォーマンス差は、コース特性に応じて逆転するほど未だ接近していると考えている。
「どちらのチームも、パフォーマンスの面で長所と短所がある」とハミルトンは述べた。
「彼らが僕たちよりも少し先行している週末もあれば、そうじゃない時もある。僕は、それがトラックに依存していると思う」
「現時点で、彼らも最強のラインアップをそろえている。それが、彼(ベッテル)がまだ僕たちよりも1ポイントリードしている理由だ。だけど、チームとしては僕たちがコンストラクターズチャンピオンシップをリードしている」
「(両チームは)似たようなレベルだが、今回は今年これまでのどのレースよりも、マシンのパフォーマンスを引き出すことができた。2台ともね」
「素晴らしい結果だし、それにより僕たちは良いポジションに立てた。シーズン後半戦のスタートから、力強いプラットフォームを手にしたんだ」
ハミルトンは、ロシアとモナコで苦戦したことでチームが危機感を感じ、マシンの扱い方の理解をより深く進めたからこそ、前進を果たすことができたと感じている。
「このマシンは慣れるのが少し大変だし、正しくセットアップするのが難しい、扱いにくいモノなんだ」と彼は説明した。
「僕たちはいくつかの週末、出だしでつまづいた。マシンを適切に機能させることができず、シーズン序盤はマシンのパフォーマンスを引き出すことができなかった。だけど、フェラーリは開幕からそこがしっかりしていて、彼らのマシンはどこでも機能していた」
「だけど、多くの作業や分析を経て、僕たちは前進し始めたんだ。特にここ2レースはね。すぐに軌道修正したんだ。まだシーズンの中盤だから、本当に素晴らしい」
「予選のペースは非常に力強かったし、今日の僕たちのレースペースは、フェラーリよりもはるかにかった。おそらく、それは今シーズン初めてだと思う。本当に良いことだ。彼らはエンジンをアップグレードしたんだろうけど、僕たちは何もアップグレードがない状態で今回のレースに臨んだんだから」
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この記事について
シリーズ | F1 |
ドライバー | ルイス ハミルトン |
チーム | メルセデス |
執筆者 | Jonathan Noble |