【F1】メルセデス、スペインGPに大規模なアップデートを投入
メルセデスは、スペインGPに大規模なアップデートを用意した。木曜日、バルセロナのピットレーン上でその全貌が明らかになった。

メルセデスは、スペインGPで大規模なエアロのアップデートを用意した。木曜日、バルセロナのピットレーン上でその全貌が明らかになった。
今回メルセデスは、タイヤのデグラデーションの問題を解決することに注力。そのためのアップデートを施してきた。
中でも特に印象的なのは、ノーズ下の巨大なターニングベインだ。これはフロントウイングを通過した車体中心部と車体外側の様々なパーツの間を流れる気流を、的確にコントロールするための処理であると考えられる。
この特異な形状のターニングベインの他にも、R字型の衝立が追加された新しいバージボード、ウイッシュボーンの修正されたウイングレット、新しいカメラマウント、リヤタイヤの直前部分が変更されたフロア、改良版のリヤウイング、2層化された新型モンキーシート……など、今回のメルセデスには至る所に新パーツが取り付けられていて、その”本気度”がうかがえる。
またスペインGPでは、信頼性を改善した新しいパワーユニットがバルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトンのために用意されている。
重量削減
メルセデスのもう一つの改良ポイントは、マシンの減量にある。もともとのW08の重量は重いため、バラストを搭載できる量が限られていた。そのため、マシンバランスやタイヤへの影響を最適化することに苦しんできた。
W08の車重は、シーズンがスタートしてから着実に減量されているものの、まだ多くの作業を必要としていることをチームは明らかにしている。木曜日、ボッタスは次のように言及した。
「僕らのマシンは、メカニカル、空力、そして重量面というあらゆる面で改善されている。僕らはどんどん良くなっているんだ」
「重量面を含めて、僕たちの作業はまだ終わっていない。でも着実にいい形に近づいている。僕たちはさらに多くのパフォーマンスを引き出せることだろう。うまくいけばさらに多くの突破口を見つけられるかもしれない」
メルセデスのアップデートは、フェラーリのものと比べると基本的なものだが、ボッタスはメルセデスが抱えているタイヤ面での課題が、フェラーリとの戦いの勝敗を分ける一要因になるかもしれないと考えている。
「フェラーリとはとても接近した戦いになるだろうし、小さな物事が勝敗を分かつだろう。細部に気を配りながらも、僕たちは可能なかぎり早くマシンを開発しようとしている」
「現時点では、タイヤの全コンパウンドをうまく使いこなす必要がある。それは今季の序盤からフェラーリが秀でている分野だ」
「特に日曜日の彼らは、すべてのコンパウンドをコントロールして、一貫性を持って機能させている。そこにはまだやるべきことが多く残っているが、細々としたモノをマシンに投入して、すべてを働かせているところだ」
「僕たちのパッケージはまだ多くのポテンシャルを引き出せると思う。マシンは強力になってきていると思うけど、すべての分野において改善の余地がある」
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この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | スペインGP |
ロケーション | サーキット・デ・カタルニア |
チーム | メルセデス |
執筆者 | Jonathan Noble |