










ピレリのマリオ・イゾラは、ウルトラソフトタイヤだけで78周のレース距離を走りきれるはずとの見通しを示した。つまり、トップ10以降でスーパーソフトタイヤを履いてスタートしたドライバーは、1周目にタイヤ交換を行えば、義務を果たした上で残りの77周を完走できるということになる。
一方、ウルトラソフトタイヤを履いてスタートするドライバーは、交換までにできるだけ長い距離を走る必要がある。つまり、レース中にセーフティカーが出動したとしても、彼らはタイヤ交換に入らず、我慢を強いられる可能性もある。
「多かれ少なかれ、デグラデーション(タイヤの劣化によるレースペースの下落)は全くなかった」
そうイゾラは語った。
「フリー走行2回目でのレースシミュレーションは、非常に安定していた。これは期待通りだ。ウルトラソフトとスーパーソフトのラップタイム差は、約0.7秒だった。レース中にはこの数字は小さくなるだろうが、至って正常な数字である」
「誰もが、ウルトラソフトタイヤで長い距離を走ることを考えているだろう。でも、様子を見てみよう。なぜなら、ここではセーフティカーが出動する可能性がかなり高いからだ」
「何人かのドライバーは、スーパーソフトでスタートすることを選んでくるかもしれない。そしてセーフティカーが入ったタイミングでタイヤを交換すれば、ウルトラソフトタイヤを履いて、レースを走りきることができる」
「磨耗も、デグラデーションも問題ない。今日(木曜日)のタイヤを見ると、完璧な状態だった。ブリスターもグレイニングも、何もなかった」
「誰もが状況に応じて、必要とする時にタイヤを交換することができるので、それぞれ異なる戦略的な選択肢を持つことになる。序盤にセーフティカーが出ない場合は、また別の状況になるだろう」
トップ10圏外からスーパーソフトを履いてスタートしたドライバーは、たとえ序盤にセーフティカーが出なかったとしても、多くを失うわけではないと、イゾラは説明する。
「レース序盤のトラフィックは、何かを失うようなものではない。ペースを維持することができれば、ポジションを失うことなく、前方のマシンとの差を維持することができる」
「レースでは、予選とは違いペースを維持することができる。そしてセーフティカーが出た際にストップを行い、ウルトラソフトを履いてレースを走り切る」
上位チームは、スーパーソフトタイヤを履いてQ2を突破し、そのタイヤでスタートすることを目指してくる可能性も考えられる。しかしイゾラはこれについて、タイム差が近すぎると考えている。
「スーパーソフトでQ2突破を目指すのは、個人的にはリスクが高いと思う。なぜならトップ10のマシンのタイム差を見れば、差はそれほど大きくない。(スーパーソフトとウルトラソフトの)差は0.7秒だ。スーパーソフトをQ2で試すのはかなり危険だ」
「ミスを犯したり、トラフィックに引っかかってしまった場合は、Q3に進出できないリスクがあり、そして11〜13番グリッドからスタートすることになる。ここでのオーバーテイクは非常に難しく、それは大きな欠点となってしまう可能性がある」
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この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | モナコGP |
ロケーション | モンテカルロ |
執筆者 | Adam Cooper |