【F1】ルノー離脱のバスール「首脳陣との意見の相違が辞任の理由」
ルノーのチーム代表を辞任したフレデリック・バスールは、チーム首脳陣との意見の違いが、チーム離脱を決定付けたと語る。













ルノーは水曜日にリリースを発表し、これまでチーム代表を務めていたフレデリック・バスールが、”双方の合意に基づき”チームを離脱することを明らかにした。その結果、社長のジェローム・ストロールとマネージングディレクターのシリル・アビテブールが、チームを率いていくことになるとみられる。
今回の決断に至った経緯について、バスール本人がインタビューに答えた。曰く、バスールとチーム首脳陣との間には、”チームに何が必要なのか”と言う点について相違があったという。彼は、その状況が続くことはルノーのF1でのチャンスを妨げることに繋がると考え、チームを離れる決断をしたと言う。
「チームの運営については、あまりにも多くの異なる見解があった。そのため、この段階で私が離れるのが理に適っていると思う」
バスールはmotorsport.comのインタビューにそう答えた。
「F1での業務を遂行したいと思うなら、チームにはひとりのリーダーと、ひとつの方法論を持つべきだ。もしふたつの異なる見解があれば、チーム内での業務は遅れることになる」
バスールは、シーズン終了後からチーム首脳陣と話をしていたものの、最終的に決断したのは1月最初の週だったと語る。
「我々は昨年のアブダビGPが終わったすぐ後から議論をしていた。そして我々は、2017年に向けたベストな解決策と、ベストな組織を作り出すことを目指していた」
そうバスールは言う。
「私は1週間〜2週間の休みを取った。そして、1月最初の週に決断をしたんだ。今すぐ辞めるのが一番良い決断だと」
再建途中でチームを離れるのは不満
バスールは、昨年大きな努力を成し遂げたスタッフを残してチームを去るのは非常に悲しいと認めたが、今までの職を続けていくのは間違っていると感じたと言う。
「少し不満ではあるが、肯定的な感情も持っている。我々は素晴らしい仕事を共に成し遂げた。リクルートの面でも、会社組織を再編する面でも、そしてコース上でのオペレーションについても」
そうバスールは語る。
「我々は昨シーズン、多くのことを改善した。そして何人かの強力なエンジニアが、今後数週間もしくは数カ月の間にチームに加わることになる。だから、いくつかのポジティブな側面もあった」
「ルノーF1チームの1000人ものスタッフと共に働くことは、私にとっても素晴らしい経験だった。なぜなら彼らは真の意味でのレーシングチームだし、共に働いた多くのスタッフに感謝している」
「しかし当然不満もある。家の土台を建てている時、はじめの数メートルの時点でストップしなければならなかったようなものだからだ……。しかし、問題はない。私は自分で決断を下したのだから」
バスールはまた、ルノーは今年、コンストラクターズランキング5位を目指すことができるポジションにいると考えている。
「目標はトップ5に入ることだ」
「チームの土台は、今では強固になっている。私はその目標は現実的だと思う」
「素晴らしい経験を持ったスタッフがチームに加わる。そして、ルノーのパワーユニットに合わせて造られた最初のマシンということにもなる。エンジンも素晴らしい進歩を遂げている」
「しかし現時点では、我々が今どこにいるのか、そして他のチームがどこにいるのかを知るのは非常に難しい。バルセロナ(のテスト)では分かるだろうが、状況を明確に見る前に判断するのは難しいだろう。しかし、目標はトップ5に入ることだ」
レース界に戻ってくる
バスールは自身の将来についてはまだ何も決まっていないと語るが、F1以外も含めれば、レースの世界に復帰することは間違いないだろう。
「自分の将来については、それほど心配していない」
そうバスールは言う。
「まずは1週間、家族と共に休暇を取り、その後のことはそれから考える」
「他のプロジェクトについて話し合うことになるだろうが、それについて考えるのは今ではない。私は、ルノーF1チームとの関係を適切に終わらせたいと思う。その後、私の将来を考える」
F1でのキャリアは終わったと思うかと尋ねられたバスールは、次のように答えた。
「正直に言って、とても良い経験だった。たくさんのものを学ぶことができた」
「私が戻ってくることのできる別のプロジェクトがあるだろうか? 私は知らないが、どうなるか見てみよう。私はレースに対して情熱を持っている。しかし、レースはF1だけではない」
Interview by Roberto Chinchero
この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | ルノーF1チーム |
執筆者 | Jonathan Noble |