【F1】ルノー「クビサは十分に速い」と太鼓判も、今後の予定は”未定”
ルノーは、先日テストを行ったクビサにはF1に復帰できるだけのペースがあったが、今後のテストの計画などは未定だと明かした。









ルノーのトラックサイド・オペレーションズ・ディレクターを務めるアラン・パーマンは、クビサは先週のテストでF1に復帰できるだけのペースを発揮したが、今後のテストなどの計画は今のところ何も決まっていないと話した。
2011年、ラリー参戦中に重傷を負ってF1のキャリアを一時中断していたクビサは、6月上旬にバレンシアでロータス(現在のルノー)の2012年型のマシンを使用してテストを行った。
このテストで115周を走破したクビサはテスト後、F1への"適切な復帰"を現在のターゲットにしていると話していた。
ポーランドのメディアEleven Sportsにパーマンが語ったところによると、テストでのクビサは良いペースを見せていたといい、走行距離は想像以上に大きなサプライズだったという。
「彼のペースには何の疑いも持っていない」とパーマンは話した。
「フィジカル的に、彼がマシンをドライブできるとわかっていたのかどうかも私にはわからなかったし、今も分からない。それ以上に、もっと走れるのかどうかも分からない」
「彼はいろいろなマシンをドライブしてきた。シミュレーターもドライブしているし、このテストのためにGP3のテストも行っていた。しかし我々には、どこが彼の限界なのかというのがわからなかった。だが正直、テストはとても良かった」
「彼は速かった。何度もロングランとショートランを行い、予選シミュレーションまで行った。レースのシミュレーションもできたし、全体としても満足だ」
クビサのF1復帰という目標の実現可能性について尋ねると、パーマンはこう話した。
「統計やデータを見たところでは、ペースはあった。それは確かなことだ」
「火曜日にバレンシアで行ったテストについて私が言いたいのは、彼は素晴らしい仕事をしたということだ。他にもたくさんサーキットはあるが、彼のフィジカル的な限界があるのかどうかは、現時点では彼にしか分からない。もしもっと他のことをする必要があるのなら、それは次のステップだ」
ラリーでのクラッシュにより、クビサは右手と右腕に重傷を負ったが、ここ数年は、その怪我が彼がオープンホイールのマシンをドライブする際のひとつの”障壁”となっていた。しかしパーマンは、クビサがマシンに乗った際にチームが要しているのは、"シフトの際に、ごくわずかにステアリングを修正すること"だけであると話した。
また彼は、近年のF1マシンはスピードが増してドライビングが難しくなったが、そのことがクビサのF1復帰のチャンスを阻害することはないと話した。
テスト実施が知らされなかった理由
クビサがルノーでテストを行うために、"数カ月の間"これに取り組んできたが、このテストがチームによって正式に発表されたのは、テストが終わってからのことだった。
これについてパーマンは、次のように説明した。
「正直に話すと、我々はメディアによる大きな"嵐"を起こしたくなかった。一度それが起きてしまうと、みんながそれに興味を持ってしまうということを我々はわかっていた。みんなロバートのことが大好きだし、彼の事故のことをとても残念に思っていた」
「これについて、彼はとても冷静だった。この件が人々に伝わることを問題視していなかった。でも私は彼に大きなプレッシャーをかけたくなかった」
「彼がマシンをドライブするためだけに、いずれの期待やプレッシャーもなく、テストの日を迎えて欲しかった」
ルノーはこのテストは一回限りのものだと伝えているが、パーマンは、クビサにさらなるテストの機会を与えるかどうかについて、チームはオープンな姿勢を取っていると明かした。
「それついてコメントするのは時期尚早だ。我々はまだクビサと連絡を取っており、将来的にはテストを行うかもしれないという可能性について話し合っている」
「現時点では何も計画はない。今言えることはそれだけだ。だが、今後もう何も行わないとは言えないだろう」
彼がルノーの本拠地であるエンストンでシミュレーターに乗ることは選択肢にあるのかと訊かれたパーマンは、こう答えた。
「彼がこれまでシミュレーターに乗ってきたことは知っているし、今後はそれについても考えていくだろう。それゆえ、シミュレーターに乗ることが次のステップになる可能性もある」
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この記事について
シリーズ | F1 |
ドライバー | ロバート クビサ |
チーム | ルノーF1チーム |
執筆者 | Valentin Khorounzhiy |