【F1】ルノー、現PUのコンセプトに自信。メルセデスの”模倣”はせず
ルノーは、現在のPUのポテンシャルに自信を持っており、メルセデスのコンセプトの後追いをする必要はないと考えている。













ルノーは、今季から使用しているパワーユニット(PU)のコンセプトがメルセデスに近いポテンシャルを秘めていると考えているため、メルセデスが採用しているターボ分割のコンセプトを模倣する可能性を排除している。
メルセデスは、2014年にターボ&ハイブリッドのPUが導入されて以来、強力なパフォーマンスを発揮し続けており、ベンチマーク的存在となっている。そのアドバンテージの多くは、ターボとコンプレッサーを分割してエンジンブロックの前後端にそれぞれを配置するというユニークな手法によるものだと考えられてきた。
エンジンのVバンク内にターボとコンプレッサーを配置することでPUのサイズダウンを狙った、”サイズゼロ”コンセプトを手放したホンダは、今年からこのアイデアをコピーしているとみられている。
ルノーも今年PUのコンセプトを一新しているが、メルセデスのデザインは採用していないようだ。彼らは、エンジン後部にターボのコンポーネントを残している。
その上で、ルノーは自らのPUの進歩やポテンシャルを注意深く分析し、将来的に必要な性能を発揮するためには、現在のコンセプトで十分だという確信が得られたようだ。
「我々が来年、ターボとコンプレッサーを分けるかどうか? いいや、しない」とルノーのF1エンジンチーフのレミ・タフィンはmotorsport.comに語った。
「我々のエンジンはそのままだ。ある理由で、我々はターボをエンジン後部に残すことを決めた」
「ラップタイムの面でメリットが見えないので、それを変更する理由はない。だから、コンポーネントを置く場所やそれらの組み合わせ方から、それらが今ある位置にあるんだ」
「今はより継続的な開発が行われている。しかし実際は、ターボに加えICE(内燃機関)の開発に重点が置かれているというのが正しい」
「それが我々の仕事であり、メルセデスがやっていることだと思う。彼らはERS(エネルギー回生システム)に多くの時間を費やしてはいない。ICEの開発を続けているんだ」
2018年に期待するルノー
ルノーはシーズンの初期段階でパフォーマンスを追求するよりも、信頼性の向上に集中せざるをえなかったため、現在メルセデスに約0.5秒遅れをとっていると考えられている。
しかし今後の開発において、ベンチテストでの進展を考慮するとこれ以降のシーズンや、特に2018年において、メルセデスに対峙することができるという自信をルノーは持っているようだ。
タフィンは次のように語っている。
「ルノー内部で設定された目標は明らかだ。2018年は我々がベンチマークとなる必要があるが、今はその座はまだメルセデスのものだ」
「今年はその仕事の一部をやり、残りは冬の間に達成しなければならないだろう。おそらく、来年は少し遅れを持ってスタートするだろう。だが、それは我々が来年埋めなければならないものだ」
「我々はベンチでエンジンをテストしており、いくらか進歩できることが明確にわかっている。トラックによるが、0.3〜0.5秒改善している」
「だから、もしメルセデスが来年の冬にまだもうコンマ1か2秒速くなっているとすれば、そのギャップを埋めるためのものが必要だ。来年末までに我々が前に出られているか、見てみよう。しかし、それは実現可能だ。ゆえに我々は、今やる必要があることをやる」
タフィンは、メルセデスがF1でパワーユニットでのアドバンテージを維持しているのに驚きはないと語った。始めから適切なコンセプトを持っていたために、デザインを再構成し時間を無駄にする必要がなかったからだ。
「彼らよりも、我々の方が大きな進歩を遂げていると思う。しかし、我々は2014年に自分たちが作り出したものを、再考しなければならなかった」とタフィンは付け加えた。
「メルセデスは最初から適切なコンセプトを持っていて、そこから積み重ねていくことができた。パワーユニットがどれほど複雑かご存知だろう。言うまでもなく、我々は最初の年に犯したミスを整理し、再建していかなければならなかった」
「我々は今、この新しいコンセプトを持っているし、それに取り組んでいる。それが少し時間がかかっている理由だ。メルセデスは、1年目に果たした成功のリターンをまだ受け取っているんだ」
「大体において、ギャップがかなり縮まっていることがはっきりとわかる。2014年はギャップが1秒かそれ以上だと思っていたが、今はコンマ数秒の話をしている。しかもそれが0.5秒以下であるとわかっているんだ」
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この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | ルノーF1チーム |
執筆者 | Jonathan Noble |