【F1】レッドブルに”新型”フレキシブルウイング使用の疑い!?
レッドブルがシルバーストンに登場させた新しいフロントウイングは、フレキシブル性が持たされているのではないかとの疑いがかけられている。
写真:: Sutton Images
F1チームは長年、フレキシブルなボディワークを用いることで、様々な限界点を広げることを目指してきた。ストレートでボディワークが歪むことのメリットのひとつは、空気抵抗を減らすことにある。しかし一方では、コーナーで多くのダウンフォースを得ることができる”造り”になっているのだ。
毎年いずれかのチームに、この疑いの目が向けられてきた。今年も例外ではなく、今シーズン序盤には”羽ばたく”フェラーリのフロアが問題視された。
このフェラーリのフロアは、気流をディフューザーに効果的に流すことを目的としている。これにより、空気抵抗を増やすことなく、ダウンフォースを増加させることができるのだ。
フェラーリはこの疑惑を払拭するため、アゼルバイジャンGP後に当該箇所に修正を加える必要があった。この結果、高速コーナーを多く持つサーキットであるシルバーストンに持ち込まれたフェラーリのマシンは、失われたディフューザーでのダウンフォースを取り戻すため、エキゾーストパイプ上にモンキーシートを設置するとともに、ウイングの角度を”立てる”必要があった。これにより、ストレートでのスピードでは、メルセデスに遅れをとることとなってしまった。
レッドブルの新型フロントウイング
フェラーリがフロアを変更したことで、ライバルたちはSF70Hへの興味を失ったようだ。その一方で、今度はレッドブルのフロントウイングが槍玉に挙げられている。
今季初めのレッドブルは、ルノーのパワーユニットの出力がメルセデスやフェラーリに劣っていたため、それを補うべく、低ドラッグの空力コンセプトを採用した。しかし、これは誤った解決策であった。
レッドブルはこの状況を打破するために、一時F1プロジェクトから離れていたエイドリアン・ニューウェイをRB13のプロジェクトに戻すことを決めた。その効果は十分に発揮され、ダニエル・リカルドが5連続表彰台を果たすなど、大きな進歩を遂げた。
高速域でメインエレメントが”直線的”に!?
これを実現したのは、ダウンフォースを増やすためのアップデートにある。その中でもライバル陣営は、新しいフロントウイングのコンセプトに特に注目している。フロントウイングメインエレメントの外側の部分が、高速域ではより直線的になっているように見える。
この形状は、低速域やピットレーンでの状態とは対照的である。低速域、つまり荷重がかかっていない状態では、より直立しているように見えるのだ。この場合では多くのダウンフォースを生み、それと同時に大きな空気抵抗も生んでいる。
この動きは、意図的に狙われたものだろうか? ウイングを詳細に見て見ると、フラップ外側に刻まれたスリットが、以前の5本から7本に増やされていることが分かる。
新しいウイングは、翼端板も変更されている。
これらのウイングは、FIAの柔軟性を確認するテストを通過しており、規定された十分な剛性を備えている。そのため、マシンが”現時点では”合法であることは確認されている。
独立した翼端板の動きが、”フレキシブル性”を実現か?
また、翼端板を含む両サイドのエレメントは、固定点にも注目すべきである(赤い矢印の部分)。これはウイングの全体形状を所定の位置に保ちつつ、高速域で荷重がかかった際に前方が下がり、メインエレメントを”引伸ばす”働きがあるものとみられる。
この動きは、革新的なように見える。通常はサイドの隙間を埋めることで、フロントウイングのダウンフォース増加が目指されているが、高速域ではこの隙間が広がり、気流を横方向に抜いているようにも見える。
このデザインを見た他のライバルチームは、同様のコンセプトのウイングをすぐに登場させることになるのだろうか? あるいは、フロントウイングの”柔軟性”について、FIAに問い合わせをするのだろうか? その答えは、今週末のハンガリーGPで明らかになるだろう。
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