【F1】レッドブル「フェルスタッペンを1ストップさせる計画はもともとなかった」
フェルスタッペンに1ストップで走りきる戦略を採らせたことについて、レッドブルは状況に臨機応変に対応した結果だと説明する。








アブダビGPの決勝グリッドでレッドブルのマックス・フェルスタッペンが6番グリッドスタート、同僚のダニエル・リカルドはその前列の4番グリッドからスタートした。スタート時のタイヤはウルトラソフトがQ2を通過したドライバーたちの主流の選択だったが、レッドブルのふたりだけはスーパーソフトタイヤを装着してレースをスタートした。しかしレース前のリカルドのアドバンテージは、フェルスタッペンが1ストップ作戦を決行したことで水の泡と化した。
スタート直後のターン1でスピンを喫したフェルスタッペンは最後尾まで沈んだが、ピットストップせずに走り続けることを選択した。彼は1ストップ作戦に切り替えたことで、フェラーリと戦えるポジションまで復帰した。
最終的にフェルスタッペンがリカルドの前でレースを終えたことに対して、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、状況に応じてその場を対処したと説明した。
「まず我々は、スーパーソフトがこれほど長持ちするとは確信できていなかった」
「彼(リカルド)はターン1でタイヤのフラットスポットを作っていたし、セバスチャン(ベッテル/フェラーリ)のアウトラップのペースを我々は警戒していた」
「我々が避けたかったのは、5番手のセバスチャンの先行を許すことだった。ダニエルがそれをクリアできると完全に決まっていたわけではなかった。だからその時点で、我々には1ストップ作戦を決行するという考えはなかった」
「これがダニエルをピットインさせた理由だ。フラットスポットができてしまったのと、ベッテルのアウトラップが速かったという要因があり、我々がピットインさせたことで、彼はポジションを失うことはなかったと結論づけている」
またホーナーは、フェルスタッペンの作戦を1ストップに切り替える決定はメルセデスのふたりのペース(レースの終盤、ルイス・ハミルトンがニコ・ロズベルグを抑えるためにペースダウンしていた)を確認し、フェルスタッペンの手札でもまだ戦えると判断したからだと話した。
「ロズベルグはマックスの近くに行かないように指示されていたようだが、レース中にその様子がみてとれたので、それも1ストップ作戦が可能なものだと判断した要因だ」
「ルイスがペースダウンし、マックスを待っていたように見えた。それによってマックスがスーパーソフトタイヤで21周走ることができたという判断は素晴らしかったと思う。それだけを見ていると、1ストップ作戦があたかも計画性を持って決行されたようにみえる」
「我々はキミ(ライコネン/フェラーリ)をアンダーカットするために、予定より少し前にリカルドをピットストップさせた。しかし、我々はフェラーリにスーパーソフトタイヤがどれほど優れているかを実証してしまった。だからフェラーリは使えるスーパーソフトを1セット温存していたが、最後にセバスチャンが履いてきた」
ホーナーは今回レッドブルがフェラーリの戦術に準わなかった理由を訊かれると、次のように答えた。
「レッドブルがスーパーソフトタイヤを残していなかったためだ。しかしそれでも彼(ハミルトン)が助けてくれるのではないかと考えていた。そしてそれは最後の数周で行われた」
「ユーズドタイヤをマックスがどのようにして活用したのか、レースでみることができただろう。彼は既に10周走っていたユーズドタイヤで最後の数周を走り、そして走りきったのだから」
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この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | アブダビGP |
ロケーション | ヤス・マリーナ・サーキット |
ドライバー | ダニエル リカルド |
チーム | レッドブル・ホンダ |
執筆者 | Jonathan Noble |