【F1】ロシアGPから見えた5つのこと

motorsport.comのグローバル編集長であるチャールズ・ブラッドレーが、ロシアGPから見えた”5つのこと”を解説

1. 自らの”真価”を証明してみせたボッタス

Race winner Valtteri Bottas, Mercedes AMG F1

Photo by: LAT Images

 バルテリ・ボッタス(メルセデス)はロシアGPに勝利し、5人目のフィンランド人グランプリウイナーとなった。彼がこの先、どんな成長を遂げていくのか、実に興味深いところだ。

 初勝利を挙げた後不遇に見舞われ、他のカテゴリーに挑戦することを選んだヘイキ・コバライネンのようになるのだろうか? それとも、ケケ・ロズベルグやキミ・ライコネンのように長くF1を戦い、タイトルを獲得するようなドライバーになるのだろうか? またはミカ・ハッキネンのように複数回のタイトルを獲得し、一時代を築くようなドライバーになっていくのだろうか?

 いや、彼はバルテリ・ボッタスとして生きていくだろう。彼自身のメリットは、彼自身が判断するはずだ。

 ボッタスは、81戦目で初勝利を挙げたことを恥じるような発言をしている。しかし、勝利の可能性があるクルマに乗ってわずか4戦目でそれを成し遂げたということは、称賛に値するだろう。

 彼はセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)からの執拗なプレッシャーを撥ね退け、トップチェッカーを受けた。おそらく、2勝目の方がより楽に感じることだろう。

 そして今回の結果により、メルセデスの”ナンバー2”ドライバーに関する論争は、しばらく封印されることになるだろう。

2. フェラーリはレース/予選ペースでメルセデスを圧倒

Polesitter Sebastian Vettel, Ferrari

Photo by: Sutton Images

 約10年にわたって”F1最速のドライバー”と評価されてきたキミ・ライコネンは、2008年のフランスGP以降、ポールポジションから遠ざかってきた。しかし今回そこにあと一歩まで迫り、今後もPP獲得の可能性は大いにあるだろう。

 しかし皮肉なことに、ライコネンのポールポジションを奪ったのは、チームメイトのセバスチャン・ベッテルだった。その代わりと言っては何だが、フェラーリは9年ぶりにフロントロウを独占した。

 しかし本当に重要なのは、フェラーリの速さがホンモノだということだ。テストの段階からこの兆候は見られたが、ロシアでは予選ペースでもメルセデスを圧倒。今季の彼らが速いという、決定的な証拠を突きつけた。特にフェラーリは、これまで以上にタイヤの使い方を身につけているように見える。

 今季のF1は、この上位2チームによって争われていくのは必至であり、今後のレースはより見応えのあるものとなっていくことだろう。

3. ルノーのパワーユニットは、フェラーリやメルセデスに遅れをとっている

Max Verstappen, Red Bull Racing RB13, Daniel Ricciardo, Red Bull Racing RB13

Photo by: Sutton Images

 ロシアGPの週末、FIAはメルセデス、フェラーリ、ルノーのパワーユニットのパフォーマンス差を”0.3秒以内”と発表した。確かにメルセデスとフェラーリは、上でも述べたように、僅差の戦いになっていると言えそうだ。

 しかし、ルノーのパワーユニットを使うドライバーたちは、これに反論する。例えばトロロッソのカルロス・サインツJr.は、「予選ではメルセデスに比べて、0.5秒よりも近くはない。レースではそれほど悪くないけど」と語った。

 レッドブルのダニエル・リカルドは、ロシアGPの予選で5番手だった。そして4番手のルイス・ハミルトンとの差は、1.138秒もあった。これは、レッドブルのシャシーのパフォーマンスが劣っているだけ……とは到底思えない。

4. アロンソ、またもリタイア……この後はインディのテストへ

Fernando Alonso, McLaren

Photo by: LAT Images

 マクラーレンのフェルナンド・アロンソは、ロシアGPを1周たりとも走ることはできなかった。パワーユニットのトラブルにより、フォーメーションラップでマシンを止めてしまったからだ。結局彼は、チームのホスピタリティで、レースを”観戦”することになった。

 彼がその時、何を思っていたのか……それは想像するしかない。しかしこれまでの合計32勝を挙げているアロンソは、ボッタスの初優勝を目にした。

 アロンソは現在、インディ500への挑戦を始めたところだ。そして今週末(5月3日)には、インディアナポリス・モータースピードウェイのオーバルコースで、テスト走行を行う予定だ。その後、彼はヨーロッパに戻り、母国スペインでのグランプリに挑むこととなる。

5. オーバーテイクが少ない!

Sergio Perez, Sahara Force India VJM10

Photo by: Sutton Images

 レース終盤、ボッタスとベッテルの攻防は確かに刺激的だった。しかし、その前の40周は、動きの少ないレースだったと言えるだろう。

 多くのチームが冷却設定を誤っていたように見え、結果的にオーバーヒートに悩まされているクルマが多かったようだ。その結果、マシン同士が接近することはなかった。

 バルセロナとその次のモナコも、オーバーテイクが非常に難しいコースであり、今季のマシン特性とも重なって、順位変動の少ないレースとなるはずだ。つまり、予選結果が非常に重要になってくるということを意味している。

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 ロシアGP
サーキット ソチ・アウトドローモ
ドライバー カルロス サインツ Jr. , フェルナンド アロンソ , キミ ライコネン , セバスチャン ベッテル , バルテリ ボッタス
記事タイプ 分析