【F1】ロシアGP予選:接戦制しベッテルPP。フェラーリ久々1−2
F1第4戦ロシアGPの予選が行われ、フェラーリのセバスチャン・ベッテルがポールポジションを獲得。フェラーリがフロントロウを独占した。

4月29日(土)、F1第4戦ロシアGPの予選が行われ、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが超僅差の戦いを制して、ポールポジションを獲得した。キミ・ライコネンも2番手に入り、フロントロウをフェラーリが独占する形となった。
気温は21度、路面温度は40度。会場のソチ・オートドローム上空は雲ひとつない快晴。そんな素晴らしい天候の下、予選がスタートした。
Q1:終盤の混乱もアロンソQ2進出。バンドーンはQ1敗退
18分間のQ1がスタートすると、まず母国レースとなるダニール・クビアト(トロロッソ)からコースイン。1分37秒052をマークするが、チームメイトのカルロス・サインツJr.とハースのケビン・マグヌッセンがこれを上回った。
フェラーリのセバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネンはスーパーソフトタイヤでコースインした。
メルセデスのバルテリ・ボッタスが1分34秒177をマークしトップに浮上。その後ろにベッテル、ライコネンがおよそ1秒遅れで続いた。ルイス・ハミルトン(メルセデス)はミスがありアタックを中止した。
セッション残り3分を前に、Q1敗退圏内に入っているマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ、ストフェル・バンドーンがコースへ。6番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)より下の14台がコースでタイム更新を狙った。
アロンソは最後のアタックでタイムを更新し13番手に浮上、Q2進出を決めた。その直後、コースの別々の場所で2台が同時にスピン。ザウバーのパスカル・ウェーレインはターン13で、ルノーのジョリオン・パーマーはターン4でクラッシュを喫してしまった。
セクター1と3でイエローフラッグが振られる中で、Q1は終了。パーマー、バンドーン、ウェーレイン、マーカス・エリクソン(ザウバー)、ロマン・グロージャン(ハース)がQ1敗退となった。ただ、バンドーンは15グリッドダウンが決定しているため、最後尾からのスタートとなる。
Q2:アロンソ敗退。ボッタス驚異のタイム
15分間のQ2は、ウイリアムズのフェリペ・マッサが先頭でコースインした。まずはマッサが1分35秒677をマーク。それをライコネンが1分34秒053で上回った。
ボッタスは1分33秒264をマークし、この週末初めて1分33秒台に突入。ハミルトンはボッタスに約0.5秒遅れとなった。フェラーリは、ボッタスから0.7秒以上遅れてベッテル、ライコネンが続いた。
セッション残り3分に入り、Q3を目指してアタック合戦へ。アロンソはタイムを伸ばせず15番手止まりでQ2敗退となった。
タイヤに余裕があるフェラーリは、ボッタスのタイムに挑戦するかのようにコースイン。ライコネンは1分33秒663にタイムを更新したが、ベッテルはブレーキングをミスし、アタックを完了できなかった。
Q2敗退はサインツJr.、ストロール、クビアト、マグヌッセン、アロンソ。サインツには、前戦のクラッシュにより3グリッドダウンのペナルティが科せられている。
8番手のダニエル・リカルド(レッドブル)はタイムアップしてくるマシンをケアするためにステイアウトを命じられたが、結局7周走ったタイヤで決勝をスタートすることになってしまった。
Q3:超僅差! ベッテルがポール獲得でフェラーリがフロントロウ独占
ポールポジションをかけた12分間の争いがスタート。ボッタス、ハミルトンの順でコースインした。その後ろから来たヒュルケンベルグが、ハミルトンの前を走りたがりハミルトンを抜き去り、アタックに入った。
ヒュルケンベルグを先行させたメルセデスは、2周をウォームアップに充てたため、先にフェラーリ勢がアタックに入る。ライコネンが1分33秒253をマークし、ボッタスのQ2タイムに迫った。ベッテルはミスがあり0.173秒遅れ。ボッタスはセクター2までライコネンを上回っていたが、最終的に0.036秒遅れで2番手となった。ハミルトンはミスがあったか、1分34秒464の4番手にとどまった。
セッション残り4分、各車最後のアタックへ。まずベッテルがコースインした。ベッテルはターン2にいたフェルスタッペンが気になったか、タイヤを2周かけて暖めた。
ライコネンは自己ベストを更新できず。一方のベッテルはライコネンを0.059秒上回り、トップに浮上した。ボッタスも果敢にアタックしていくがやはりセクター3で遅れ、ベッテルに0.095秒及ばず3番手となった。ハミルトンは波に乗り切れず終いで0.573秒遅れの4番手となった。
これでフェラーリがフロントロウを独占。ベッテルが無線で喜びを爆発させた。フェラーリがスターティンググリッドの先頭に2台のマシンを並べて決勝をスタートするのは、実に2008年のフランスGP以来となる。
メルセデスは案の定、予選でタイムを上げてきたものの、フェラーリの2台には及ばず。ハミルトンはいまいち決めきれず、4番手となった。
レッドブルは、ハミルトンからも1.2秒ほど遅れ、完全に蚊帳の外。フェルスタッペンはマッサにも上回られてしまい7番手となった。
8番手以下ヒュルケンベルグ、セルジオ・ペレス(フォースインディア)、エステバン・オコン(フォースインディア)となった。
決勝は、”何か”が起こらない限り1ストップ作戦が本命。フェラーリはロングランのペースに問題はなく、フロントロウに2台のマシンを並べるという、絶対的有利な条件でレースに臨む。
一方で、メルセデスは2列目からのスタート。ただ、ソチはターン1が全開で通過できるため、ターン2が実質の”ターン1”となる。タイム的にも、メルセデス勢はセクター1で速く、スタートで”跳ね馬”の牙城を崩したいところだ。
注目の決勝は4月30日(日)、日本時間21時にスタートする。
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F1 2017 ロシアGP 予選暫定結果
Cla | # | ドライバー | Chassis | エンジン | 時間 | ギャップ | km/h |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | ![]() | Ferrari | Ferrari | 1'33.194 | 225.902 | |
2 | 7 | ![]() | Ferrari | Ferrari | 1'33.253 | 0.059 | 225.760 |
3 | 77 | ![]() | Mercedes | Mercedes | 1'33.289 | 0.095 | 225.672 |
4 | 44 | ![]() | Mercedes | Mercedes | 1'33.767 | 0.573 | 224.522 |
5 | 3 | ![]() | Red Bull | TAG | 1'34.905 | 1.711 | 221.830 |
6 | 19 | ![]() | Williams | Mercedes | 1'35.110 | 1.916 | 221.352 |
7 | 33 | ![]() | Red Bull | TAG | 1'35.161 | 1.967 | 221.233 |
8 | 27 | ![]() | Renault | Renault | 1'35.285 | 2.091 | 220.945 |
9 | 11 | ![]() | Force India | Mercedes | 1'35.337 | 2.143 | 220.825 |
10 | 31 | ![]() | Force India | Mercedes | 1'35.430 | 2.236 | 220.609 |
11 | 55 | ![]() | Toro Rosso | Renault | 1'35.948 | 2.754 | 219.418 |
12 | 18 | ![]() | Williams | Mercedes | 1'35.964 | 2.770 | 219.382 |
13 | 26 | ![]() | Toro Rosso | Renault | 1'35.968 | 2.774 | 219.373 |
14 | 20 | ![]() | Haas | Ferrari | 1'36.017 | 2.823 | 219.261 |
15 | 14 | ![]() | McLaren | Honda | 1'36.660 | 3.466 | 217.802 |
16 | 30 | ![]() | Renault | Renault | 1'36.462 | 3.268 | 218.249 |
17 | 94 | ![]() | Sauber | Ferrari | 1'37.332 | 4.138 | 216.298 |
18 | 9 | ![]() | Sauber | Ferrari | 1'37.507 | 4.313 | 215.910 |
19 | 8 | ![]() | Haas | Ferrari | 1'37.620 | 4.426 | 215.660 |
20 | 2 | ![]() | McLaren | Honda | 1'37.070 | 3.876 | 216.882 |
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | ロシアGP |
ロケーション | ソチ・アウトドローモ |
執筆者 | 松本 和己 |